聴こえるかぎり、見えるかぎり、触れるかぎりの〈世界〉の内部で自足するとき、
「非知」とつながる野蛮さが失われる。
わかることの位相にすべてを収納しようとすると、
わからないことのわからなさが消えていく。
不確実性。未規定性。でたらめさ。ランダムネス──
それらを糧として、それらをめがけるようないとなみがある。
むしろそれらが不安やおそれをみちびかず、
ポジティブなシグナルをまとう作動がある。
試行錯誤──内なる「コール&レスポンス」が動いている状態。
失敗の連続によって変化し前進の手がかりを獲得している経験のモードがある。
ある瞬間、解体が同時に生成であるように、
フォーメーションが変化する。
因-果のルールを蹴破って「無から有が生じる」ように、
いきなり不連続なジャンプが起こる。
〈世界〉を構成するすべての記号が意味を変化させ、
〈世界〉の変化と相即して「非知のフォーメーション」へとまるごと転位する。
「自転車に乗れた!」