?ミユは5歳になる、イワン・アサノヴィッチの孫娘です。
?ミユには8ヶ月になるヒナ君という弟がいます。去年の秋に生まれました。
ママは元気なひとですが妊娠中の悪阻(つわり)は割と重いほうでした。だから、妊娠して程なく?ミユちゃんのアレコレの細かな面倒は余り見られなくなりました。
5歳まで一人っ子同然で生活してきた?ミユにとっては、少し辛い心理的な変化でした。
秋、ママは出産のために入院しました。?ミユはパパと二人だけの生活になりました。?ミユにとってはこんな事も勿論はじめての経験でした。
夕方、ジジとババが?ミユを保育園に迎えに行きます。ママの病院に見舞いに行ってから夕ご飯を三人で一緒に食べました。
仕事の都合が付いた時はパパも帰って来て一緒に食べることができました。
お風呂に入ってパパと二人だけのおやすみです。そしてジジババも実家に戻って来ます。
その頃から?ミユにはブランコに乗ることが習慣になりました。
ジジと保育所からの帰り道に、児童公園がありますが、必ず寄り道をしました。狙いはブランコに乗ることでした。
『ジジ!背中を押して。』とせがみます。ジジの大きな手のひらが?ミユの小さな背中をい~ち・に~のかけ声と共にそっと押します。
少し疲れてイワン・アサノヴィッチが押す手を休めると、すかさず『ジジ!もっと背中を押して。』と?ミユは要求します。
そんな時間が毎回のように延々と40分・50分と続くのでした。
秋の夕日はすっかり落ちてあたりは薄暗くなっていますが、?ミユは背中に触れるジジの大きな手のひらの感触を一回々々確かめているみたいでした。
パパと二人だけで、ママが居ない毎日の生活は?ミユの小さな心に淋しく々々響いていたのでしょう。
やがてママとヒナ君が退院し、産後の肥立ちの養生を兼ねてジジババの家に来ました。
ママとヒナ君の三人は三週間ぐらい滞在しました。
パパは勤務時間のことがあって毎晩は戻って来られませんでしたが、?ミユの心境はだいぶ落ち着きました。
やがて、新家族4人が揃って自分のおうちに戻る日、?ミユはこれ以上はないと言う満面の笑みを浮かべながら『ジジババ!バイバイ!』と元気に帰って行きました。
いまは、お姉ちゃんとなった?ミユとママは“女の戦い”の前哨戦とも言うべく、結構と激しい口げんかをしあっています。(笑い)
?ミユはジジの近くの公園に行くと今でも相変わらずブランコに乗りたがります。
そして、やっぱり『ジジ!背中を押して!』とせがみます。
でも…、イワン・アサノヴィッチの背押しの時間は10分ぐらいに短縮されました。(-_-)
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