?ミユの弟ヒナ君のアレルギーの調子がイマイチです。症状が鼻や目に現れ、熱っぽくなったりする時もあります。
以前は良く?ミユ一家は実家のジイジの家に食事に来たり、お泊まりに来たりしたものです。ヒナ君の体調がイマイチなことがあって、最近はめっきり来なくなりました。
ジジババはあんまり孫たちと会えない日が続くと、会いたくなって反対に?ミユ家に押しかけ食事を一緒にしたりします。
この間もバアバが夕食のおかずを作って?ミユ家に押しかけました。
ジイジの役目は?ミユと一緒に近所の公園に出かけて、?ミユの好きなブランコ遊びをすることです。
夏の夕方の公園は誰も居ませんでした。?ミユは嬉々としてブランコに乗り『ジイジ、背中を押して!』とせがみます。
程なく、30代の男の人が子どものような笑顔を見せながらブランコに乗って来ました。ひとりで漕ぎながら、やがて奇声を発っし始めました。それは恰も子どもの喜びの声でした。
その人は明かに知的障害者でした。始めは驚いて、隣のブランコの男の人を見ていた?ミユもやがてそれと気付いたようです。
その人は乗っていて楽しいのでしょうか時々、大声ではありませんが奇声を発します。
その度に?ミユは隣の人の顔を見てしまいます。子どもですから、無理もありません。
『ジイジ、もう帰る。』と、いつもよりは早めにブランコを終えました。
?ミユと手を繋いで歩きながら、イワン・アサノヴィッチは『あの人は頭が病気の人なんだよ。』と教えました。
『ウン、知っているよ。』と意外に冷静な応えが還って来ました。しかし、それなりにショックだったのでしょう、目は伏し目がちでした。
家に帰る途中の大通りの角にコンビニエンスストアーがあります。
『?ミユちゃん、アイス食べようか?』とイワン・アサノヴィッチは持ちかけました。
夕食の前にはアイスやお菓子を食べないようにママからはきつく言われていました。
世の社会、健常者ばかりではない。障害者に限らず色んな人が居て良い社会です。しかし、?ミユの小さな心では無理もありませんストレートには受け入れられない初めての経験だったのです。
イワン・アサノヴィッチは?ミユを少し元気にして上げたいと思いました。
夕食の前だったのでママにバレナイように、(笑い) 小さなアイスを選びました。そして、ジイジと仲良く半分ずつにして食べました。
イワン・アサノヴィッチは、アイスを頬張る?ミユの元気な笑顔を観ることが出来ました。
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