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東電株主総会:「脱原発」否決/【週刊・上杉隆】なぜ東京地検特捜部は東京電力本店を家宅捜索しないのか

2011-07-01 21:22:05 | 地震・原発・災害
6月28日を皮切りに、電力各社の株主総会が開かれました。
東電の株主総会は、いままでで最長の約6時間に及ぶロングラン総会。
時間はかかわったけれど、「脱原発」の株主提案はことごとく否決され、
原子力発電の続行の方針など、結局、東電の議案がぜんぶ通った。

中電も関電も同じ。
わたしは、脱原発株主として、中電の株主総会に何回か出たことがあるので、
この汚いやり方は、分かっていたつもりだけど、原発事故直後の株主総会でも、
なにもかわらなかった。
あらためて無責任体制が浮き彫りになった、ということですね。

ダイヤモンド・オンラインのメルマガで届いた【週刊・上杉隆】の記事にまったく同感。
放射能をばらまき国民の健康や生命に危害を及ぼした東電が、なぜ刑事責任を問われないのだろう。

排出者責任もあるわけですから、放射能で汚染された汚泥や汚染された土は、
ぜんぶ東電(元々あった原発敷地内)に引き取ってもらうのがよいと、わたしは思います。

【週刊・上杉隆】なぜ東京地検特捜部は東京電力本店を家宅捜索しないのか
(ダイヤモンド・オンライン 2011/07/01 )


以下、株主総会関連の記事です。

  
2011.6.29 毎日新聞   中日新聞

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 クローズアップ2011:東電株主総会「脱原発」否決 「高リスク」認識広がる 

 28日開かれた東京電力の6時間超のロングラン株主総会では、脱原発を訴える株主提案は否決されたものの、福島第1原発が立地する福島県内の2自治体が株主として脱原発議案に賛成するなど、原発見直しの動きが広がりつつあることが浮き彫りになった。また、事故が起きると巨額の費用負担が発生する「原発リスク」への懸念を表明する株主も多く、「国策民営」で進められてきた原子力政策の見直しにつながる可能性もある。
 「今回の事態を引き起こして申し訳なく思うが、法令に定める安全運営にあたってきた」(勝俣恒久会長)。経営責任の回避に懸命な東電経営陣の声は、「津波の問題は過去にも指摘してきたじゃないか」と追及する株主の怒声にかき消された。
 株主総会では、福島第1原発事故問題に質問が集中。402人の株主から出された(1)古い原発から順に停止・廃炉とする(2)原発の新増設は行わない--との「脱原発」提案がどれだけ賛成を集めるかが最大の焦点だった。これまでの総会でも同様の提案や質問はあったが、賛成は5%程度にとどまっていた。
 しかし今回は、福島第1原発の地元・福島県の南相馬市と白河市が賛成に回るなどして、賛成比率は約8%と小幅ながら増えた。東電の株式の6割超は法人が保有しており、「当面は原発に頼らざるを得ないのが現実」とする大株主から東電は委任状を集めていた。賛成票の大部分は個人株主と見られ、しがらみの無い一般株主の間に「脱原発」の動きが広がりつつあることが裏付けられた。
 株主提案を主導した市民団体「脱原発・東電株主運動」は総会後、「(議案が否決され)不十分だったが、いろいろな意見を出せて、大勢の人が賛同してくれて一歩前進した」と評価。東電幹部も「事故を目の当たりにした株主の考えが変化した」と目を見張る。
 一方、原発事故発生後初という節目の総会で、会社側の対応に不満を示す株主も。大阪府からバスで駆けつけたという女性(65)は「ガス抜きをされているように感じた。原発事故に関しての説明にも納得がいかなかった」。東京都清瀬市の無職、田村欽司さん(65)は「勝俣会長は過半数の委任状を盾に強気の議事進行をし、形だけ出席者に発言を求めた」と話す。
 また、国が主導する原子力政策を民間の電力会社が実行する「国策民営」の限界を指摘する声が相次いだのも今回の総会の特徴だ。ある議決権行使助言機関は「原発は民間企業が事業として取り組むにはリスクが大きすぎる」として、総会前に脱原発議案への賛成を投資家に提案。東電の総会では「当局の指示の下で原発をやってきた立場を主張すべきだ」との意見が株主から出されたほか、同日の九州電力の総会でも「原発は高い代償を払わないといけない。株主にとって大変迷惑だ」、浜岡原発を全基停止した中部電力の総会では「(事故の)損害賠償で会社がつぶれかねない高リスク事業だ」などの意見が出された。
 スタンダード&プアーズの柴田宏樹上席アナリストは「民間企業が原発リスクをすべて負うのは厳しい。エネルギー基本計画の見直しの中で、政府の原発に対する役割をしっかりと議論すべきだ」と指摘する。株主から「リスクの高い原発事業はやめるべきだ」として、“原発国有化”も視野に入れた議論が強まれば、国策民営を前提としてきた従来の原子力政策は根本的な見直しを迫られることになる。【立山清也、袴田貴行、喜浦遊】

 ◇「無配あと何年続く」 不安強まる株主、役員に怒声も
 「今の株価を知っているのか」「無配はあと何年続くのか」。福島第1原発事故での巨額の賠償負担や火力発電への切り替えによる燃料費負担を抱えながら、東電は本当に再生できるのか。経営の先行きに不安を募らせる株主のいら立ちの声が役員に浴びせられた。
 配当と株価が安定していた東電株は安定株の代表銘柄とされ、「配当を年金代わりに」と退職金などをつぎこんで購入した投資家が多かった。しかし、原発事故前に2000円台で推移していた株価は300円台に急落。事故の賠償負担の規模が見えない上、国から資金支援を受ける枠組みを定めた「原子力損害賠償支援機構法案」の審議入りが国会の混乱で遅れており、株主の不安は強まっている。
 格付け会社が東電の格付けを下げる動きも相次ぎ、勝俣恒久会長は株主総会で「非常に気にしている。低い評価になっているのは申し訳ない」と陳謝。今後の経営については支援機構法案の早期成立という国頼みの答弁を繰り返すしかなかった。
 同法案が成立しても、東電は毎年の利益の大部分は賠償支払いに充てる「生かさず、殺さず」(出席した株主)の状態で、早期の復配や株価回復のめどはない。政治の混乱で同法案が廃案などになれば、法的整理に追い込まれる可能性すら残っている。株主からは「(法的整理に追い込まれて株が)紙くずになるのではないか」と心配する声もあった。
 総会終盤には、男性株主が「我々株主には希望が欲しい。希望を述べてください」と迫る場面も。しかし勝俣会長は「残念ながら今ははっきりとした希望が見えていない」としか言えなかった。総会後、株主の東京都内の主婦(61)は「一時国有化でもしてまっさらからスタートした方がいい」と話していた。【三沢耕平、和田憲二】
毎日新聞 2011年6月29日 


特集ワイド:東京電力の株主総会 原発撤退提案の株主VSあっさり「反対」経営陣 

 ◇壮大なすれ違い劇
 溶け落ちた炉心は冷やし続けるしかないのに、使われた水は放射能で汚染されていく。その処理費用も被災者への賠償総額も見当すらつかない東京電力の福島第1原発事故だ。存続すら危ぶまれる経営状態と事故の責任をどう株主に説明するのか。東電の株主総会を取材した。【浦松丈二】

 ◇不鮮明な中継画面、壇上の顔見えず
 28日午前、東京都港区のホテル、ザ・プリンスパークタワー東京周辺は、総会にやってきた1万人近い株主と、反原発・脱原発を訴えに詰めかけた人々でごった返した。
 10時前、千代田区の東電本店3階大会議室で、報道機関向けの総会中継が始まった。昨年は総会と同じホテルだったが、今年は「会場の都合」で本店での中継。こちらは打って変わって静か。会場の熱気から取材陣を遠ざけるためでは、と勘ぐりたくなる。
 経済誌編集長を経て東電などの企業批評を続けてきた評論家の佐高信さん(66)と最前列に陣取った。壁の注意書きに「撮影、録音、配信につきましてはご遠慮願います」。「これ、どういうこと。あれだけの事故を起こしたのに」。佐高さんが声を上げた。
 取材開始。だが、中継画面が目の前にあるのに、画像が不鮮明で、壇上の役員の顔が認識できない。このハイテク時代、こんな映像があるのか? 顔が見えない。
 一方、議題は簡潔だ。昨年度の報告事項と、会社側が提案した取締役・監査役選任の第1号、2号議案、株主402人が提案した原発撤退の3号議案。株主は報告や議案について何でも質問できることになっている。
 開会のブザーが鳴った。議長は、代表権を維持したまま留任する勝俣恒久・東電会長(71)が務める。続いて退任する清水正孝社長(67)から昨年度の事業報告。原発事故関連で「特別損失を1兆776億円計上した」というところで多数の怒号が飛んだ。勝俣会長が議事を進行しようとすると、「動議!」と、会場から声が上がった。
 「主語がなく責任がはっきりしないおわびだ。勝俣さん、責任を感じているなら議長は務められないはずだ。信任をとっていただきたい」。議長不信任の動議だ。最初の議決が行われた。
 「賛成の方は挙手願います」と議長。大勢の人が手を挙げた。解任か? 続いて「反対の人」。こちらも大勢が手を挙げた。「反対多数です」と議長。あっさり否決された。どうやって数えたのだろう。会場に入りきれず、別室で映像を見ている株主も多数いるのに。不思議だ。
 大企業が株式を互いに持ち合う日本で、株主総会は会社提案を追認するだけのセレモニーになりがちだ。東京電力の大株主には東京都のほか、銀行、生命保険会社など大企業がずらり。議長は会社側が、大株主から過半数の委任状をもらっていることを明かした。要するに、採決は“茶番”なのだ。
 だが、事故を受けて個人株主たちは肉声を会社にぶつけた。「津波対策を無視した人災だ。現役員と元役員は私財で償ってほしい」という質問に、武藤栄副社長(61)は「法令基準に従ってきた」と法律を盾にした。「事故直後にデータを隠したために放射能汚染が広がってしまった。あなた方は責任を取っているのか」との質問に、小森明生常務(58)は「情報については当社ホームページなどで発信に努めていきたい」とにべもない。企業対個人。この日の対立軸が鮮明になってきた。
 腕組みをしながら画面を見つめる佐高さん。時折、猛然とノートをとり出す。
 すでに、総会開始から5時間。やっと原発撤退を求める3号議案だ。第二の人生で自然農法を実践するために福島県に移り住んだ浅田正文さんが説明に立った。「私は原発大惨事により石川県への避難を余儀なくされた。農業、漁業、酪農で生計をたてていた人もすべてをなくした。役員が報酬をもらっていますが、返上して、被災地に回すことは考えませんか」
 サラリーマン時代に人工知能を開発していたという浅田さんは「原発は人知を超えたもの。人知を超えたものは作ってはいけない。子供や孫たちにツケを回してはいけない。大げさに言えば、私たちは流浪の民になりました。やるせない、無念、言い尽くせるものではない」と思いの丈をぶつけた。だが、勝俣会長は「株主様のご提案には取締役会としては反対です」とロボットのように答えただけだ。
 「(3号議案のうち)定款41条と42条を個別に採決するよう動議する」。20年以上前から東電株を保有していたという紀藤正樹弁護士(50)が動議を出した。41条は老朽原発の順次停止と廃炉。42条は原発の新設・増設を行わないという内容だ。
 「3号議案は踏み絵になっている。反対するなら、将来(の事故)は取締役の資産で賠償してほしい。どうか覚悟を持ってこの問題に取り組んでもらいたい。そうでなければ被災者が報われない。一括決議しないでください。将来、みなさんの経営責任を問う材料にします」と紀藤弁護士。議案を小分けして議論して採決することで、役員たちの責任もより明確になるはずだ。
 過去最長の6時間9分に及ぶ総会の最後の問いかけになった。採決だ。会場の多くが分割採決に手を挙げていたが、勝俣会長は「(大株主の委任状を持つ)代理人を含めて反対多数」と否決を宣言。そして、3号議案も否決された。
 佐高さんがようやく口を開いた。「壮大なすれ違いでしたね。原発を存続させていいのかと問う株主。存続を疑わない役員。株主が肉声をぶつけても役員たちは最後まで会社のお面をかぶっていた。最後の動議は役員一人一人に会社のお面を脱いで答えろという非常に鋭い問題提起だった」
 近著「原発文化人50人斬(ぎ)り」で、東電の体質と原発推進の文化人たちを強く批判している佐高さん。勝俣会長を「会社のお面をかぶった最悪の社畜だ」と断じる。社畜とは、会社に飼いならされて良心を放棄したサラリーマンを指す造語で、佐高さんが以前から広めている。「3号議案を一括採決し、否決したやり方からは、事故の責任を感じているとは到底見受けられない。将来を考えるなら、役員一人一人に発言させるべきだった。そこに個人の顔がのぞくはずなのに、それをさせなかった」と厳しい。
 不鮮明な中継画面のせいか、人間味のかけらも感じられない東電取締役たち。その姿を目の当たりにし、事故はまた起きるのでは、という不安が脳裏から離れなくなった。
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 ◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279
毎日新聞 2011年6月30日 東京夕刊 


 【社説】
電力株主総会 原発論議もっと深めよ

2011年6月29日 中日新聞

 電力各社の株主総会で株主提案の「脱原発」が論議された。いずれも否決されたが、福島の深刻な事故は脱原発の議決権行使を確実に増やしている。なお原発に頼るのか。国民的論議を深めたい。
 浜岡原発(静岡県御前崎市)の全面停止を余儀なくされた中部電力の株主総会にも、昨年を千人近く上回る約二千七百人が出席した。会場前では、市民団体が横断幕を掲げて「脱原発こそ企業価値を高める!」と訴えた。これまでにはないような熱気と緊張こそが、原発への関心を示している。
 浜岡原発の廃止、脱原発企業へ向けた工程表の作成などが、個人株主から株主提案された。
 しかし、原発について水野明久社長は「これまでも安全性は確認している」「津波に対する安全対策をさらに施して、運転再開をめざす」と、旧来の姿勢を崩していない。取締役会も「原発は電力の安定供給にも、地球温暖化対策にも必要不可欠」という従来の主張を曲げず、株主提案は、銀行や保険会社といった機関投資家が多いため、すべて否決された。
 北陸電力の株主総会でも「原発とは共存できない」と、定期検査やトラブルで停止中の志賀原発の廃止を求める声が多く上がった。
 東京電力では、個人株主四百二人が提出した「古い原発から停止・廃炉」「新増設はしない」との定款変更議案を、定款ではなく業務を執行する取締役会に委ねるべき案件と、手続き論で葬った。原発を電力事業にどう位置づけるのか。これも「国のエネルギー政策の議論などを踏まえ検討する」と、政府頼みをにじませた。
 では、原発なしの電力会社は成立しないのか。自然エネルギー導入の道も今こそ大胆に探るべきではないか。
 地球上に原発は約四百基。そのうちわずか四基の事故が世界を揺るがせている。原発の安全神話を問い直し、国民的規模で脱原発への論議を重ねるときだ。
 株主総会は、会社の方針を決める場所だが、エネルギー政策の方向性という重大事がそこで決まってしまうわけではない。
 自治体の長の多くは、休止原発の再稼働に反対の意向を示しているし、周辺住民の不安は消えていない。国民全体が、電力とは誰のものか、どう使いこなしていくべきかを考え始めている。国任せ、電力会社任せから脱し、自分自身の問題として、電力の未来と向き合いたい。


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