みどりの一期一会

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衆議院解散、総選挙へ/新聞各紙の社説

2009-07-22 14:51:57 | 選挙関連
昨日1時、国会で衆議院が解散されました。
ちょうどそのころ、わたしは半蔵門にいて、P-WANサイトの相談をしていました。

11時ころの自民党は、怒号飛び交う状態だったようですが、
麻生さんが反省の弁を口にして、あっけなく、選挙モードに突入。
帰ってからたまった新聞を、けっこう距離を置いて読んでいました。

一夜明けて、今日は皆既日食。
あいにくの曇りで、お日さまは見えそうにありません。
午前中は、留守中に届いていた「議員と市民の勉強会」のレジメのチェック。
皆既日食の様子は、NHKで見ました。

新聞各社の、「衆議院解散、総選挙」の社説です。

 衆院解散、総選挙へ―大転換期を託す政権選択 政権交代の予兆が強まるなかで、歴史的な総選挙の号砲が鳴った。
朝日新聞 2009.7.22

 戦後の日本政治を率いてきた自民党政治になお期待を寄せるのか、それとも民主党に国を託すのか。そして、どんな政権であれ、失敗があればいつでも取り換え可能な新しい政治の時代を開くのか。有権者が待ちわびた選択の日がやってくる。
 内も外も大転換期である。危機を乗りこえ、人々に安心と自信を取り戻すために政治と政府を鍛え直す。その足場づくり、つまりはこの国の統治の立て直しを誰に託すか。これが焦点だ。

 ■失われた20年を超えて
 それにしても、自民党に対する民意の厳しさは尋常ではない。解散までの混迷が映し出したのは、それにうろたえるばかりの政権党の姿だった。
 小泉首相の郵政選挙から4年。
 衆参のねじれで思うにまかせぬ国会。2代続いての政権放り出し。麻生首相の迷走と政策の説得力の乏しさ。だが何よりも、明日の暮らしと国の未来への人々の不安や危機感を受け止められない自民党政治への失望だろう。

 かつて日本の強みだった「一億総中流」とは似ても似つかぬ格差と貧困、雇用不安、疲弊する地方。そこに世界的な大不況がのしかかり、社会はきしみを深めている。
 一番の元凶は小泉改革だと、自民党内でも批判が熱い。だが振り返れば、20年前の冷戦終結とバブル後の「失われた時代」の到来はすでに、戦後の右肩あがりの時代を率いた自民党政治の終わりを告げていたのではなかったか。「自民党を壊す」ことで自民党の延命を図った劇薬も、それなりの効用はあったが、賞味期限は短かった。
 官庁縦割りの政策や予算。政官業のなれ合い。行政のムダ。霞が関への中央集権。温存された矛盾を何とかしなければ経済危機への対応も難しい。それを国民はひしひしと感じている。
 日本が寄り添ってきた米国の一極支配はもうない。多極化した世界で、G20や米中のG2が重みを増す。中国の国内総生産は今年中に日本を追い越しそうだ。「世界第2位の経済大国」という看板は、巨大な隣国に移る。

 ■堂々と政権公約選挙を
 日米同盟が重要というのは結構だが、それでは世界の経済秩序、アジアの平和と繁栄、地球規模の低炭素社会化に日本はどう取り組んでいくのか、日本自身の構想と意思を示してほしい。それが多国間外交を掲げる米オバマ政権の期待でもあろう。
 現実的な国益判断に立って、国際協調の外交を進めるのは、そもそも日本の有権者が望むところだ。それができなければ、外交への国民の信頼は失われ、日本の国際的な存在感もますます薄れていく。
 民意が今の流れのままなら、民主党政権誕生の可能性は高いだろう。確かに、政権を代えてみたいという期待は強い。だが懸念や不安もある。
 民主党の言う「脱官僚」の政策決定の仕組みができれば、永田町や霞が関は大変わりだろう。経済界や民間にも影響が及ぶ。混乱は最小限に抑えられるのか。この変革の先にどんな民主主義の姿を展望するのか。ばらまき政策に財源はあるのか。外交政策もあいまいなところが多すぎる。
 一方の自民党が踏みとどまるには、みずからの長い政権運営の歩みを総括し、生まれ変わった「政権担当能力」を示すことだ。党内の派閥間で疑似政権交代を続けてきた時代はその必要を感じなかったろうが、これからはそうはいかない。
 マニフェストづくりを急ぐ各政党に強く訴えたい。政権を選ぶ材料として、取り組む政策の優先順位を明確にしてもらいたい。
 なすべきことは多く、資源と時間は限られている。公約の説得力を有権者の前で競う「マニフェスト選挙」にしなければならない。それを政権選択選挙の当たり前の前提にしたい。

 ■民主主義の底力を示せ

 選挙後の勢力図次第で、政局は予断を許さない。自民党内からは政党再編論が早くも聞こえてくる。自民も民主も基本的に差はない、危機には国を挙げて、という理屈だ。
 しかし、政権交代しやすい小選挙制度を導入して15年。民意が政権公約に基づく選択でそれを機能させようというところまできたのに、いきなりその選択を無にしようという発想はいただけない。複雑な大変化の時代だからこそ、選択の結果を大事にしたいというのが有権者の思いではなかろうか。
 本紙の世論調査では、政権を与えた党の実績が期待はずれなら次は他の政党に、という人が6割にのぼる。政党間の不断の競争と緊張。民意によって与党にも野党にもなる。重要政策で妥協が必要ならば、開かれた国会の場を使うことだ。
 有権者もこの間、多くを学んだ。一時のブームや「選挙の顔」よりも、政権公約の内容、実行の態勢、指導者の資質を堅実に判断することの大事さだ。口に苦くても必要と思えば受け入れる覚悟がいることも。
 この選挙で課題がすべて解決するわけがない。だが、まずは民意の力で「よりましな政治」へかじを切る。日本の民主主義の底力を示す好機だ。
 審判は秋の気配も漂い始める来月30日。2009年の長い夏、目を凝らして日本の明日を定めたい。
2009.7.22 朝日新聞


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【社説】政権交代か否か 衆院解散 8・30総選挙へ
中日新聞 2009年7月22日

 衆院が解散され8・30決戦へ事実上の選挙戦に入った。四代の自公政権の実績が問われる。国民にチェンジを求める声がある。焦点は政権交代か否かだ。
 気のせいだろうか。自民党席は半ばやけ気味、民主党側は笑みのこぼれる「万歳」に映った。
 戦後初の真夏の八月総選挙へ、候補者たちは全国へ散った。
 自民総裁の麻生太郎首相は党会合で、混乱を極めた自らの政権運営を謝罪。決戦前に辛うじて「一致団結」を演出した。民主の鳩山由紀夫代表は「革命的な総選挙だ」と決意表明した。
 政権交代が現実味を帯びている。「歴史的決戦」と銘打たれるゆえんかもしれない。

小選挙区制度の「必然」
 前回二〇〇五年総選挙では、郵政民営化を唯一の争点にした小泉政権の劇場型手法が奏功し、自民は公明党も合わせて衆院勢力三分の二を超える圧勝を果たした。
 あれから四年。各種世論調査では、比例代表の投票予定先で、民主が自民を大差で圧倒する、かつてない現象が起きている。
 自公政治への忌避の空気に「政権交代」の旗を掲げる民主が後押しされる格好だ。郵政選挙から攻守ところを変えたといえる。
 追い風を受けると、思いも寄らない地滑り的勝利をもたらす。オセロ風ゲームのように。それが一人の当選者を決める小選挙区制の醍醐味(だいごみ)であり、怖さでもある。
 一九九六年に小選挙区比例代表並立制の総選挙が導入されて十三年。前回の自民圧勝劇と同様の結果が続いて起きるとしたら、それは制度がもたらす「必然」とも言えるのではないだろうか。
 長年政権の座にあった自民にすれば信じ難い展開に違いない。閣僚が発した「最悪のタイミング」との声が深刻度を如実に示す。

争点は山のようにある
 「政権交代」の四文字が全国の選挙区で浸透しているのは、否定のしようがない。ただ、政権の選択は政策の選択でもあることを確認したい。争点は山ほどある。
 時代の転換点を思わせる荒波がいや応なく押し寄せている。
 加速が止まらない少子高齢化と光の見えぬ雇用情勢。外にはオバマ米政権誕生後の世界新秩序づくりの胎動。地球温暖化対策も喫緊の課題だ。
 どのような時代認識に立ち、どんな処方せんを講じるのか、各党はマニフェスト(政権公約)で明確に打ち出すべきだ。その答えは私たちが暮らす将来の国のかたちを示すことになるだろう。
 要は予算配分のあり方を変えるかどうかが争点なのだ。
 年金、医療、介護の社会保障政策や景気対策、格差是正などに世論の関心が高い。
 経済一本に絞ってきたという麻生自民は「安心と活力のある社会」づくりを掲げる。民主は「国民の生活が第一」と子ども手当や高速道路無料化を打ち出す。
 選挙目当てのバラマキならば、有権者に見透かされよう。
 自民は景気回復後に消費増税するという。党内には異論もある。合意事項なのか。バラバラの公約で有権者を欺くなら論外である。
 民主は税金の無駄遣い削減などで約十七兆円の財源を生み出すという。優先順位のつけ方次第で、しわ寄せが及ぶ分野も出よう。厳しい財政事情の下、四年間消費増税しないとの方針に裏付けはあるか。丁寧な説明が欠かせない。
 安保外交政策では、民主首脳は対米関係に配慮して、インド洋での自衛隊給油活動について即時撤収せず、当面は継続する、と軌道修正を示唆している。自衛隊海外派遣問題では社民党との関係も懸念材料だ。
 政権が近づけば現実路線へ傾斜する民主へ厳しい視線が注がれる。「政権党」の宿命でもある。
 何より、民主は政権を担当する力量があるのか、自民とどこが違うのか、有権者の不安や疑問を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。脱・官僚主導の政権構想もいまひとつ伝わらない。明確な青写真が必要だ。
 自民にしても、迷走続きの惨状が政権担当能力を疑わせた。弱体化する党の基盤をどう立て直すのか。あわせて小泉、安倍、福田、麻生と四代続いた「世襲政治家」政権の総括を、いいかげんに済ませてはなるまい。
 公明は低迷する自民との距離感に悩んでいる。共産、社民、国民新などの野党は存在感をどうアピールするかが課題となる。

マニフェスト早く示せ
 政権選択の選挙戦は、お盆休みを挟んでの、四十日間の異例の長期戦となる。
 間延び感に流されず、全政党の政策をじっくり吟味したい。マニフェストを早急にまとめて判断材料を提示するよう政権を争う自民、民主に求める。歴史的一票を投じる有権者が待ち望んでいる。
(中日新聞 2009.7.22)



社説:衆院解散・総選挙へ 政権交代が最大の焦点だ ごまかさない公約を
毎日新聞 2009年7月22日

 衆院が21日解散された。衆院選は8月18日に公示され、同30日に投開票される。民主党を中心とする政権に交代させるのか、それでも今の自民・公明政権が続いた方がいいと考えるのか。有権者の選択が最大の焦点となる。戦後政治の大きな転換点となる選挙戦が事実上始まった。
 「昨秋解散しておけばよかった」と麻生太郎首相は後悔しているはずだ。毎日新聞の世論調査(18、19日)によると麻生内閣の支持率は17%で前月より2ポイント下落。自民党の支持率は18%で36%の民主党に大きく引き離されている。有権者の間には「一度政権を交代させてみたら」というチェンジ志向が確実に広がっていると見ないわけにはいかない。

 ◇結束にほど遠い自民
 衆院本会議に先立ち開かれた自民党の両院議員懇談会で麻生首相は「私の発言や『ぶれた』と言われる言葉が国民に政治への不安や不信を与え、自民党の支持率低下につながったと深く反省している」と語り、記者会見でも自身の「不用意な発言」や自民党の結束の乱れを挙げて国民にも陳謝した。しかし党内は結束とはほど遠い状態で、首相が陳謝しないと収まらないところに今の追い詰められた姿が表れている。
 圧勝した05年の衆院選から4年。なぜ、こんな事態に陥ったのか。
 郵政民営化のみを争点に掲げ、造反者の選挙区には「刺客」候補を送って注目された前回は、報道のあり方を含め確かに問題は多かった。ただ、反対を押しのけて進もうとする当時の小泉純一郎首相に多くの有権者が「政治が変わるのでは」と期待したのは事実だろう。
 ところが政治はさして変わらなかった。小泉氏は格差問題など「小泉改革の影」が表面化する中で改革の後始末をしないまま退陣。続く安倍晋三元首相は郵政造反議員を続々と復党させた。
 迷走はここに始まる。小泉改革路線を進めるのか、転換するのか。自民党は今に至るまできちんと総括してこなかった。そして国民に信を問うことなく次々と首相が交代し、場当たり的な対応をしてきたことが、現在の党内混乱の要因でもある。
 安倍氏は憲法改正路線に軸足を置いた。だが、その間に国民の暮らしに直結する「消えた年金」問題が深刻さを増して、07年7月の参院選で自民党は惨敗。その後、体調不良で突如辞任した。福田康夫前首相も1年で政権を投げ出した。そして、経済危機を理由に解散から逃げてきた麻生首相が今、低支持率にあえいでいる。漢字の誤読もあって「首相の資質」まで問われる有り様だ。
 だが、「人気がありそうだ」と首相を交代させ、その後は選んだ責任を忘れ支えようとしない自民党そのものに多くの国民は「本当に政権担当能力があるのか」と疑問を感じ始めているのではないか。今回の「麻生降ろし」に国民の支持が広がらなかったのはそのためだと思われる。
 ◇民主に問われるもの
 一方の民主党も政権担当能力と鳩山由紀夫代表の首相候補としての資質が当然問われることになる。
 「政治主導」をお題目に終わらせず、強固な官僚組織を変えられるのか。税金の無駄遣いをどこまで削れるか。子ども手当や高速道路無料化、年金制度の抜本改革は実現するのか。消費税率は4年間引き上げないというが、財源の手当てはできるのか。党としての統一感に乏しい安全保障政策はどうするのか。それらの疑問に具体的に応えるのがマニフェストだ。鳩山氏の政治資金問題もさらなる説明が必要となる。
 自民、公明両党はこれまでの実績を強調するだろう。だが、消費税率引き上げに関し、どこまで具体的に書き込むのかなどの課題が残る。自民党には反麻生勢力が独自のマニフェストを作る動きがあるが、これは政権公約とは言わないと重ねて指摘しておく。共産党や社民党、国民新党、新党日本、今後できるかもしれない新党も含め、大切なのはこの国をどんな形にするのかだ。未来に向けたビジョンを示してもらいたい。有権者の目は一段と厳しくなっている。何よりごまかさず、正々堂々と政策論争を戦わせることだ。それがむしろ支持を集める時代なのだ。
 自民党は93~94年の細川護熙、羽田孜内閣時代に一度野党に転落した。しかし、引き金になったのは自民党の分裂であり、93年7月の衆院選は非自民各党が「細川氏を首相に担ぐ連立政権を目指す」と有権者に公約して選挙を戦ったわけではない。つまり55年体制ができて以降、私たちは衆院選で有権者が投票によって選ぶという形では、政権与党と首相を交代させた経験がないのだ。
 そんな選択に初めてなるのかどうか。異例の長い選挙戦となるが、いずれにしても政治の行く道を決めるのは有権者=主権者だ。こんなにわくわくする選挙はないではないか。
毎日新聞 2009年7月22日 東京朝刊



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