みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

上野千鶴子さん:『婦人公論』インタビュー『「生きづらさ」の時代』『フェミニズムはだれのもの?』

2010-12-09 06:52:25 | ジェンダー/上野千鶴子
フリーズした愛用のデジカメ「CaplioR7」は、やっぱり一晩寝ても動きません。
前回の故障のとき、レンズも部品も5年保証で無料で交換してもらったばかりなのに。
また修理に出すしかないのか、もう寿命なのかも・・・。、

ということで、画像はとうぶんあきらめて、今日は上野さん関連の本の紹介です。

読みたい本を探しに「いつものカルコス」に行きました。

『婦人公論』2010年12月7日号は、特集が「女性とがん─2人に1人がかかる時代に」
でよみごたえがあり、上野千鶴子さんと松井久子さんのインタビュー記事
「上野千鶴子×松井久子 イサム・ノグチの偉大なる母の迫力」
も載っていて、おもしろかったです。
最新刊(12/22,1/7合併特大号)も、なにかおもしろい記事があるかな、
と思って手に取ったら、
「ルポ・時代を創る女たち」に上野千鶴子さんの6ぺーじのロングインタビュー。
  
文章をかかれた島崎今日子さんには、先日の紀伊国屋セミナーでもお会いしていて、
ちょうどさいしょのページに、この時の様子が取り上げられています。
写真の松本路子さんにも東京で何度もお会いしています。
     

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『「生きづらさ」の時代―香山リカ×上野千鶴子+専大生』もみつけました。


『「生きづらさ」の時代―香山リカ×上野千鶴子+専大生』
香山 リカ (著), 嶋根 克己 (著), 上野 千鶴子 (著) /専修大学出版局 (2010/11)

 「生きづらさ」と向き合う 専大生の思いを一冊に 
2010年11月30日 東京新聞

 大卒の就職率は過去最低、会社ではリストラ、学校ではいじめによる自殺-。こんな生きづらい時代を専門家が読み解き、大学生が自分なりの思いを語る新書「『生きづらさ』の時代」が、専修大学出版局から発行された。 (平木友見子)
 同書は、昨年十一月、同大神田キャンパス(東京都千代田区)で開かれた創立百三十年記念シンポジウム「生きづらさのゆくえ」から生まれた。精神科医香山リカさんと社会学者上野千鶴子さんが講演。その後、同大教授三人が加わって討論会が行われた。
 香山さんは生きづらさの原因を「優勝劣敗の原理から生じた、無力感と全能感の分裂化傾向」とみる。上野さんは「ネオリベラリズム」と断じ「文明社会は成熟しなくとも生きられる社会。緩い社会連帯をつくり、幼児的な高齢者も許容する社会をつくればいい」と提言した。
 学生向けのシンポだったが一般の反響が大きく、五百人の教室はすぐ埋まった。来られなかった人のため、内容を収録した新書の出版を決定。専門家が提起した問題を、同シンポに出席した学生五人が自分なりに考え、座談会で発表する内容も付け加えた。
 座談会で、学生たちは、生きづらさを越えるには「今、学んでいる経済学や社会学が解決の一つの手段になるのでは」「生きづらいと考えるのは余裕がある証拠、と発想を転換させる」などと意見を出し合った。
 座談会に参加した経済学部四年の深町真美さんは「突き詰めて考えていくと、結局、不安というシンプルな形になることに気付いた」。文学部四年の福田洋佑さんは「仕方ないとあきらめるのでなく、問題意識を持って考えることが大事だと思った」と話した。
 「今の学生たちはストレートに出さないが、熱いものを持ち、考えている子が多い」と、シンポを企画した専修大人間科学部の嶋根克己教授。「生きづらさに直面している学生が前向きに生きようとする姿勢は、大きなエールになるのでは」と話している。 


人文書のコーナーには、『フェミニズムはだれのもの?―フリーターズフリー対談集』。

フェミニズムはだれのもの?―フリーターズフリー対談集
(フリーターズフリー編集/人文書院/2010)
上野千鶴、森岡正博など多彩なゲストを迎えてのガールズ・トーク。
『フリーターズフリー』トーク集、第2弾。


 フェミニズムはだれのもの? フリーターズフリー対談集(人文書院)  

目次
はじめに(栗田隆子)

1 「おひとりさま」と「フリーター」は手を結べるか(上野千鶴子×貴戸理恵×大澤信亮×栗田隆子×杉田俊介)

フリーターズフリーについて
自己紹介(栗田・大澤・杉田・貴戸)
繋がり、分け合う
ほうっといてくれ
後続をつくる
徹底的な差異
私が出す解はあなたの解にはならない
「労働」そのものを変えていく

2 労働にとって「女性」とは何か(村上潔×栗田隆子×生田武志)

出版流通の問題
女性・主婦問題の発掘
主婦とフリーター
ないものとされた存在
女性の野宿者はなぜ少ないか
セーフティネットだけでは足りない
「主婦」のリサイクル
主婦とフリーター、共闘の難しさ
質疑応答

3 性≒暴力≒労働――堅気の仕事はどこにあるのか?(鈴木水南子×栗田隆子)

労働時間は八時間を知らなかった
知性と理性と自尊心
結婚制度は何のためにあるのか分からない
男性は猛獣?
男性は排除?
セックスワークの社会的位置づけを考える
ツケが回る
堅気の仕事を作ろう

4 草食系男子と性暴力(森岡正博×杉田俊介)

草食系男子と非モテ
草食系の優しさと暴力
メンズリブの歴史性
田中美津の問い
生命学の根本問題
動物における生命論
生命の宗教性
男であることの暴力
身体性の否定
子どもからの問いかけ

5 フェミニズムとカトリックの間で(栗田隆子×生田武志×大澤信亮×杉田俊介)

「書く」ことに専念する
フェミニズムとの出会い
シスターとの出会い
不登校の時代
偽の対立と代理戦争
被害と加害
変える/変わるということ
概念を変える
再分配について
言葉を流通させる
母と娘
資本制を超える
「売文婦」として生きる

おわりに(生田武志)


おまけは、
サイゾーウーマンにアップされている上野さんの『女ぎらい』刊行記念インタビュー。
全文はwebでお読みください。

「市民と政治をつなぐP-WAN」↓にも関連の記事と一緒にアップしました。
 『女ぎらい』刊行記念インタビュー(前編)「環境が整ったなんて希望的観測」
上野千鶴子が女性の社会進出の実態を暴く(サイゾーウーマン) 


『女ぎらい』刊行記念インタビュー(前編)
「環境が整ったなんて希望的観測」上野千鶴子が女性の社会進出の実態を暴く

(サイゾーウーマン)

 数度の改正を経た男女雇用機会均等法により、育児休暇など雇用者の権利が確保され、法律上は女性にとって働きやすい社会に近づいたと言われている。しかし、不況における将来への漠然とした不安が"婚活"ブーム、「母になる」ことこそ女性の幸せだとする「ママ崇拝」まで引き起こしている。かつてフェミニズムは、女性をそうした「家庭」の中に閉じ込める社会を弾糾し、真の男女平等を訴えた。揺り戻しとも取れる現代の風潮に、フェミニズムは何を寄与するのだろうか。日本のフェミニズムを長きにわたり牽引する上野千鶴子氏を直撃取材。データから社会を分析する社会学者である氏に、アラサー女性として肌で感じる問題点をぶつけてきた。

――上野さんの近著『女ぎらい―ニッポンのミソジニー』(紀伊國屋書店)を興味深く拝読しました。上野さんがおっしゃるミソジニーという感覚は、サイゾーウーマンをはじめ、女性をターゲットにする媒体が避けては通れない課題だと痛感しました。

上野千鶴子氏(以下、上野) ミソジニーとは「女性嫌悪」「女性嫌い」とも訳されます。でもそれよりしっくり来るのは「女性蔑視」でしょうか。男にとっては「女性蔑視」だけど、女にとっては「自己嫌悪」ですね。女の人生は男性目線で評価され、自分の価値を自分の物差しで計ることさえできない。そういう、自分でコントロールできない状況に立ち向かうのは大変だから、メディアが提供する情報に安住したい気持ちになるのではないですか。
・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『女ぎらい』刊行記念インタビュー(後編)オヤジ言語を操る"バイリンギャル"こそ、女性がサバイブする手段 

――ちょっと話が飛躍しますが、例えばジャニーズや韓流、BLなど男性を消費する文化が市民権を得ている現実と、女性の社会進出との関連性はどのように考えられますか?

上野 「an・an」(マガジンハウス)が男のヌードを特集したときから、バーチャルな男性消費のマーケットは拡大しているとは思います。マーケットが拡大する為には、まず女に購買力があるということと、欲望をあからさまにできるという二つの条件がありますね。

――ということは、女性が欲望をあからさまにできる環境は整ったと?

上野 バーチャルな男性の消費よりももっと直接的なホストクラブもあるし、女性向けの男性デリヘルもあるくらいだから、女性の欲望を無視できなくなったということじゃないでしょうか。いくら欲望があっても購買力が伴わなければマーケットは成立しません。
・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・


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