みどりの一期一会

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飯田哲也さん 原発事故と原子力ムラの関係をどう見る?/福島原発震災 チェルノブイリの教訓

2011-07-05 20:40:26 | 花/美しいもの
ツイッターで、早い時期から原発についてまともな発言を続けている飯田哲也さん。

わたしも早くからフォローしているのですが、最近、メディアに登場されることが増えて、
共鳴するところの多いわたしとしては、(勝手に)よろこんでいます。。

7月2日も、毎日新聞で大きく取り上げられていました。

  急接近:飯田哲也さん 原発事故と原子力ムラの関係をどう見る?  

<KEY PERSON INTERVIEW>
 東京電力福島第1原発の事故後、安全を唱えてきた研究者らは「想定外」と繰り返し、無責任ぶりに驚きが広がった。「原子力ムラ(村)」と命名したNPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長に事故の構造的原因やエネルギー政策について聞いた。【聞き手・日野行介】

 ◇発言封じ込め安全軽視--環境エネルギー政策研究所所長・飯田哲也さん(52)
 --国や東電は事故原因の津波被害や長期の全電源喪失をなぜ想定しなかったのですか。
 ◆ 想定しなかったのではなく、「想定したらまずい」と考えたのでしょう。ムラの人々は原子力推進に支障がないよう事実の方を曲げてきました。一見緻密に見えても、大きく見ると間が抜けているから、いざ事故が起きれば「想定外」を連発せざるを得ない。想定した範囲が狭すぎただけです。

 --ムラには都合の悪いことを想定しない雰囲気があるのですか。
 ◆ 原子力は事故のリスクもあり、絶対に正しいと言えるものではありません。しかし内部では自由な発言を封じ込める重苦しい空気があります。電力中央研究所で勤務していたころ、使用済み核燃料の「貯蔵」という言葉を「柔軟的管理」と言い換えさせられたことがあります。使用済み核燃料を全量再処理する「核燃料サイクル」が日本の国策。貯蔵だと全量再処理と矛盾するように受け取られるから都合が悪かったのでしょう。原子力ムラでは不都合な言葉をよく言い換えます。「これは一生の仕事ではない」と感じました。

 --そもそも日本の原子力技術は本当に高いのでしょうか。
 ◆ 日本が原子力を導入して約50年もたちますが、ドイツやスウェーデンと違って日本独自型の原発は今もできていないし、「もんじゅ」(高速増殖原型炉、福井県敦賀市)の事故(95年12月)で分かるように国産の独自技術はことごとくつまずいてきました。今回の事故でも、発生した汚染水処理や、がれきの撤去などに使うロボットなども海外のものばかり。日本独自の技術はほとんどありません。
 私はよく日本の原子力を映画のセットに例えます。表面上はとても立派で、安全管理も徹底していると世界に触れ込んでいる。ところが裏側を見ると、ベニヤ板でできたハリボテです。

 --それを聞いていると、安全性にも不安を感じます。
 ◆ 今回の事故の直接的原因が津波とすれば、構造的原因は安全を軽視してきた原子力ムラと国のあり方でしょう。私は鉄鋼メーカーに勤務していた当時、国の安全審査を受けたことがあります。技術的なデータをそろえて審査の書類を作るのですが、通産省(当時)の官僚から聞かれたのは表面的な字面ばかり。市民団体やマスコミから突っ込まれないよう形式的な安全を整える発想です。一方で、地震や津波、金属構造などの最新知見をふまえて、実質的な安全を考える文化はありません。

 --今後の事故処理を進めるために何が必要でしょうか。
 ◆ まず事故の検証を通してこれまで原子力を推進してきた体制の責任を問う必要があります。また電気料金から天引きされ、もんじゅの維持など原子力に投入されている予算は事故処理に充てるべきです。核燃料サイクルの費用として約3兆円もの埋蔵金がありますが、これも事故処理に充てるべきです。核燃料サイクルは元々不必要で、実現性も乏しい事業です。

 ◇「自然エネ」へかじ切れ
 --一方、事故影響で夏の電力需給が問題になっています。
 ◆ 東京電力管内であっても供給は問題ないでしょう。さらに、電力会社は逼迫(ひっぱく)時に大口事業者に対して使用削減を要請できる「需給調整契約」があり、すべての大口事業者に適用すれば十分に需要調整ができます。原発停止分の電力は、一時的に天然ガスで賄いますが、省エネ分も織り込めば、単価は上がっても総エネルギーコストを下げられるでしょう。

 --中長期的に見て、日本のエネルギー政策をどう変えるべきなのでしょうか。
 ◆ そもそも原発を続けていくなら安全性強化のため必ずコストは上昇します。廃炉にも莫大(ばくだい)な費用がかかります。日本の原発は老朽化が進んでおり、今後は段階的な廃止が進みます。ですから新増設をやめるだけで自然に原発の設備容量は減少していきます。原発に代わるエネルギー源は自然エネルギーしかありません。ドイツでは電力に占める自然エネルギーの比率が10年前の6%から17%に高まり、今後10年で約40%に高める計画です。日本も同様に現在約10%(大規模水力を含む)の比率を今後10年で30%にすべきです。
 世界全体で見れば、風力発電は毎年30%ずつ市場を拡大し、昨年には原子力発電の半分に当たる約2億キロワットに達しました。これに太陽光、バイオマスなどの発電容量を加えると既に原子力を追い越しています。一方、日本はこの10年間、「原子力ルネサンス」などとPRし、自然エネルギーを抑えこんでしまった。太陽光発電は毎年約10%ずつ安くなっており、普及が加速すればさらに安くなります。自然エネルギーへ大きくかじを切ることを真剣に考えるべきでしょう。政策提言は環境エネルギー政策研究所のホームページ(http://www.isep.or.jp/)に掲載しています。

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 ■ことば
 ◇原子力ムラ
 原子力に関わる技術者・研究者らの業界体質を示した造語。内部、他分野からを問わず、原子力推進の方針を批判しにくい雰囲気が強いとされ、閉鎖性をムラ社会に例えた。官民にまたがるため規制が機能せず、隠蔽(いんぺい)や改ざんなどスキャンダルが起きる原因とも指摘される。
==============
 ■人物略歴
 ◇いいだ・てつなり
 京都大工学部(原子核工学)卒。東京大大学院博士課程単位取得満期退学。大手鉄鋼メーカーや電力中央研究所で核廃棄物を研究。総合資源エネルギー調査会委員などを歴任し、現職。
【関連リンク】
環境エネルギー政策研究所
http://www.isep.or.jp/
毎日新聞 2011年7月2日 


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もう一つ、愛読しているのが、ダイヤモンド・オンラインのメルマガで届く、
特別レポートの連載「福島原発震災 チェルノブイリの教訓」。

DOL特別レポート
ダイヤモンド・オンライン編集部による取材記事および編集部厳選の特別寄稿。内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する。


とっても読みごたえがあるよい記事なので、関心のある方はお読みください。

除染を急げば大幅に放射線量は減少する
市民の健康を守れるのは自治体
福島原発震災 チェルノブイリの教訓(11)

【第182回】 2011年7月1日 坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
ダイヤモンド・オンライン

 除染は早く進めたほうがいい。とはいうものの、政府は動かず、自治体は政府の指示を待つ、という拘束された状況が続いている。福島県は県内でかなり詳細な放射線量の計測を進めており、その結果を待って除染対策を進めるようだ。すでに福島市内の小学校と通学路で除染の実証実験を行なっていて、大きな効果が確認されている(★注①)。
 200km離れた首都圏も同じだ。首都圏でも福島県の一部と同様の放射能汚染地域があることは前回報告したとおりである。もちろん、福島市と比べれば一桁低い放射線量だが、通常より5倍から10倍高い地域は前回の汚染地図でわかるだろう。
 首都圏の自治体や市民でもすぐにできることはある。たとえば側溝、吹き溜まり、雑草が繁茂しているところ、雨どいの下などにマイクロ・ホットスポットがあることは福島県の実証実験でもわかっている。そのようなポイントを発見して掃除(除染)すれば放射線量は確実に下がる。
 首都圏の各区役所や市役所でも放射線量の計測を継続しているが、マイクロ・ホットスポットの発見ができていないように思う。福島県の経験を役立てよう。
 それにしてもどうすればいいかわからない、という市民や自治体のために、京都精華大学の山田国広教授、細川弘明教授らが、だれでもできる除染のマニュアルを作成中だ。これを「放射能除染・回復プロジェクト」と名づけて準備中だそうだ。
 水で洗い流すのではなく、粘着テープや洗濯ノリで剥ぎ取るもので、詳細をマニュアル化して7月中旬に福島市で発表すると報じられた(「京都新聞」2011年6月24日付)。先週、テレビのニュースで見た読者も多いだろう。山田教授は環境汚染と回復の専門家としてよく知られている。大いに期待しよう。
 セシウム137の半減期は30年、と聞いただけでうんざりし、意欲がなくなりそうだが、土壌に沈着した放射性物質はセシウム137とセシウム134が多いが、どうやらこの二つの放射性セシウムの量の比は1:1のようである。すると、全体の半減期は30年よりはるかに短いと考えられる。なぜならば、セシウム134の半減期は2.06年だからである。
(以下略)
次のページ>> チェルノブイリ事故との違い


  実態がわかってきた関東平野の放射能汚染 各地で空間放射線量の測定進む ――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(10)
【第181回】 2011年6月24日 坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
(ダイヤモンド・オンライン 2011年6月24日)

 関東地方の都庁、県庁、区役所、市役所が地域内でかなり細かく空間放射線量の測定を進めており、各役所のホームページで公開している。実態がかなりわかってきた。数値を見ると、想像以上に高い地域があり、3月下旬に放射能雲(プルーム)が風に乗って関東平野に到達し、雨とともに放射性物質が地上に降下し、放射線を出し続けていることがわかる。
 ここで紹介する放射能汚染図は、群馬大学教育学部地学教室の早川由紀夫教授が、東北・関東の各自治体が観測した数値を集めたデータをもとにして地図上に表し、ブログで発表したものである。等高線のように見えるエリアは、放射線量の値を結んだ等値線だ。

地図作成上の要点は、ほかの多くの論考とともに早川教授のブログ(こちら)をお読みいただきたい。
※拡大画像は上記画像かこちらをクリック 本稿では早川教授の了解を得て地図を転載する。地図を拡大しながら読者もすみずみまでご覧いただきたい。筆者は各自治体が公表している数値を見ながら地図を見ているが、慎重にマッピングされた精緻なものである。初めて見る読者も多いと思われる。これが汚染の実態なのである。
 関東平野の状況については新聞やテレビも先週から今週にかけて断片的に報じているが、数値を書いているだけで要領をえないし、結論もない。新聞を読むのはムダである。
「週刊現代」「アエラ」「週刊朝日」の今週号(6月20日発売号)では編集者・記者が独自に計測したデータを掲載しており、とくに東京東部や千葉県東葛地域の状況がルポされている。新聞より雑誌のほうが役に立つ。
 各誌が独自に計測したデータを見ると、傾向は自治体の観測結果と同じだった。放射線量の地域的な頂点は千葉県柏市、流山市あたりで、ついで松戸市、茨城県守谷市である。東京都東部や茨城県南西部、千葉県北西部の数値が高い。
 一方、福島県中通りから南へ、栃木県北部、群馬県西部も高く、風と雨によって関東平野の一部が相当程度汚染されたことがわかる。
 以上、筆者は「高い」「相当程度」などとあいまいな表現を使ったが、地図の左上の凡例をご覧いただきたい。
 地図を関東平野に絞り、緑色と黄色のエリアに注目しよう。緑色は0.25μSv/h(毎時マイクロシーベルト)以上、黄色は0.5μSv/hから1μSv/hのあいだである。平常時は、関東地方の放射線量はだいたい0.05μSv/h前後だから、5倍から20倍は高い。

次のページ>> 役所のプレスリリースを丸写ししている新聞記者
(以下略)


明日の午後は、上野千鶴子さんの『女ぎらい ニッポンのミソジニー』の読書会。
まだ分担しているテーマのところを読んでないので、急いで読まなくちゃ。

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