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高レベル放射性廃棄物の地層処分:深地層研究所「廃止」を明記 北海道・幌延か岐阜・瑞浪か

2013-08-12 15:11:36 | 地震・原発・災害
8月7日の岐阜新聞に、岐阜県の瑞浪の超深地層研究所が、
北海道の幌延深地層研究センター都統合されるという記事が載りました。

いずれの施設も、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が
高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究する施設です。
北海道でも岐阜でも、研究とは名ばかりで、いずれは
「高レベル放射性廃棄物の最終処分場」になるのでは、と
長年、市民団体が監視と反対を続けてきました。

8月9日の北海道新聞では、
「「研究成果をとりまとめ、施設の廃止を含め方針を策定する」と改革案に明記し、
数年内にいずれかの施設の廃止」、
NHKは、「地震や活断層などの学会から推薦を受けた
中立的な立場の専門家による作業部会を設置し、
処分方法の安全性を14年ぶりに改めて検証」と報じています。

改革案では「統合」としていますが、
「いずれかの施設が廃止」されれば、残ったほうが、
なしくずしに最終処分場にされていく可能性は高いのではと思います。

「処分方法の安全性を14年ぶりに改めて検証」ということは、
処分場を決めていく方向性へのカモフラージュ=布石でしょう。

自民党圧勝で、脱原発にブレーキがかかっただけでなく、
高レベル放射性廃棄物の地層処分の動きが加速する恐れがあります。

  深地層研「廃止」を明記 北海道・幌延か岐阜・瑞浪 原子力機構改革案 

 日本原子力研究開発機構の組織見直しを進める文部科学省の改革本部は8日、高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究している幌延深地層研究センター(宗谷管内幌延町)と瑞浪(みずなみ)超深地層研究所(岐阜県)について「研究成果をとりまとめ、施設の廃止を含め方針を策定する」と改革案に明記し、数年内にいずれかの施設の廃止を判断することを決めた。原子力機構は改革案をもとに秋までに具体的な計画を策定する。

 文科省はどちらの施設を廃止するかについては「どちらの地質が最終処分に適しているかデータをとりまとめたうえで、数年内に判断する」と説明。現段階では「決まっていない」としている。

 しかし、幌延では原子力機構が2014年度から国内初の模擬廃棄物を使った埋設実験を行う計画が明らかになっており、関係者の間では幌延存続の可能性が高いとの見方も出ている。
<北海道新聞8月9日朝刊掲載> 


  「核のゴミ」の安全性 14年ぶり検証へ  
8月12日 NHKニュース

 原子力発電所から出る、いわゆる「核のゴミ」を地下深くに埋める計画について、国民の間に安全性に対する懸念が根強く処分場が決まらないことから、経済産業省は、中立的な立場の専門家を集め、14年ぶりに、安全性を改めて検証することになりました。

原発から出る、いわゆる「核のゴミ」、高レベル放射性廃棄物を巡っては、国が平成12年に始めた公募による処分場の候補地探しが全く進まず、経済産業省は、ことし5月から、抜本的な計画の見直しに向けた議論を進めています。
国は、核のゴミを地下300メートルより深い安定した地層に埋める計画で、平成11年に国の関係機関がまとめた報告書を基に安全性を説明してきましたが、国民の間に懸念が根強いことが大きな課題になっています。
このため経済産業省は、来月にも、地震や活断層などの学会から推薦を受けた中立的な立場の専門家による作業部会を設置し、処分方法の安全性を14年ぶりに改めて検証することになりました。
検証では、東日本大震災を踏まえた最新の知見を基に、地震や地殻変動などを考慮しても、地下の地盤や処分場の設備が放射性物質を長期間閉じ込めることができるか確認するとしています。
また経済産業省は、自治体や国民との対話の場を新たに設けることにしていて、核のゴミに対する疑問や不安などさまざまな意見を取り入れ、問題の解決につなげられるかが問われることになります。


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放射性廃棄物処分の研究 幌延に一本化…文科省方針

 日本原子力研究開発機構の運営を見直している文部科学省の改革本部(本部長・下村文部科学相)は8日、北海道幌延町と岐阜県瑞浪市の双方で行っている高レベル放射性廃棄物の処分技術の研究について、数年後をめどに瑞浪市の施設を廃止し、幌延町の施設に一本化する方針を決めた

 高レベル放射性廃棄物の処分を巡っては、幌延町の「幌延深地層研究センター」で軟らかい「堆積岩」の地層に、瑞浪市の「瑞浪超深地層研究所」では硬い「花こう岩」の地層に、それぞれ350~500メートルの坑道を掘り、地下水の流れや岩盤の性質を調べ、地層に廃棄物を安全に保管する技術を研究している。

 両地層の違いを比較するためのデータがある程度集まったことに加え幌延町では実物大の装置を使った処分法の研究を2021年頃まで続ける方針が決まっていることから、瑞浪市の施設を廃止する。

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定が進まないまま、研究施設の一本化が進むかたちとなるが、幌延町の宮本明町長は「幌延深地層研究センターは研究機関であり、これまで通りに研究を続けてもらいたい。地元の活性化を考えて協力していきたい」と話している。幌延町と道、原子力機構は「放射性物質は研究終了後も持ち込まない」とする協定を結んでいる。

 最終処分場の選定や建設については、経済産業省が所管する「原子力発電環境整備機構」(NUMO)が担当している。
(2013年8月9日 読売新聞)


 超深地層研、北海道の施設と統合案
瑞浪、広がる困惑
 
2013年 8月 7日(水) 岐阜新聞

「核廃棄物処分場になるのでは」
 日本原子力研究開発機構(原子力機構)が高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた研究をしている瑞浪市の瑞浪超深地層研究所と北海道・幌延町の幌延深地層研究センターについて、文部科学省が統合を検討していることが明らかになり、関係者の間で波紋が広がっている。地元自治体は「何も説明がない」と困惑し、研究施設の周辺が将来最終処分場になるのではと危惧する市民団体は「統合された地が候補地になる可能性は高い」と警戒を強めている。

 統合案が明らかになったのは7月4日。高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県)の機器点検漏れを受け、原子力機構の組織の抜本見直しを進める会合の中で、文科省が示した。統合時期を「今後10年以内を検討」と説明している。

 急に降って湧いたような話に、地元瑞浪市の水野光二市長は「どういうことか私たちも聞きたい」と戸惑う。当初の契約に基づき2022年までは今の研究を継続すると考えていただけに「計画の前提に変更があれば、協議の場を設けてゼロベースでの話し合いが必要。今の研究所を受け入れる時も大変だったが、同じようなことをもう一回繰り返さないと、市民や地域の皆さんは納得しない。簡単な事じゃない」と、国に詳細な説明を求める。

 古田肇知事は7月25日に面談した原子力機構の松浦祥次郎理事長に「いきなり統合と言われても、瑞浪に新しい機能を増やすとなれば、これまでの約束とは全く別の話。県としても看過できない問題」と厳しい口調で語った。

 一方の幌延町側。町役場の担当者は「そもそも距離が離れた両施設が統合することなど物理的に可能なのか」と疑問視し、「研究は当初の計画通り、継続してもらうことが大前提」と言う。

 原子力機構の深地層の研究施設は全国に2カ所。瑞浪市では結晶質岩(花こう岩など)を、幌延町では堆積岩を対象に、地層処分の技術に関する研究開発を進めている。日本の地質は大きく結晶質岩、堆積岩に分けられ、それぞれで岩盤や地下水の性質が異なるからだ。

 文科省改革本部は統合案を示した背景を「機構の組織自体が肥大化しており、全体的な主要業務を見直すべき」と説明。両施設は「一度、それぞれの研究内容を取りまとめる必要がある。いずれは地層を踏まえ、どちらが研究の場として適切なのか判断することが重要」と話している。

 こうした文科省の方針に対し、市民団体「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」代表の兼松秀代さん(岐阜市)は「古くから研究を行ってきた分、瑞浪に統合される恐れがある」と危機感を強める。瑞浪市の男性(73)は「統合により瑞浪での研究が終わっても、跡地利用として、核廃棄物のごみ捨て場になるんじゃないか」と別の見方をするが、処分場との関連を心配する思いは共通している。

 文科省改革本部は近く次回会合を開き、改革案をまとめる方針。内容次第では自治体や住民の反発は必至だ。
(森川みどり、沢野都)

【高レベル放射性廃棄物の地層処分】
日本は原発の使用済み核燃料を再処理する過程で出る高レベルの放射性廃棄物を地下深くに埋める政策。だが、処分場のめどはまったく立っていない。日本学術会議は昨年9月「いったん白紙に戻すくらいの覚悟で見直すことが必要」との報告書を原子力委員会に提出した。瑞浪超深地層研究所は2002年着工。県と瑞浪市、土岐市、動力炉・核燃料開発事業団(現・原子力機構)は1995年、「将来においても放射性廃棄物の処分場とはしない」ことなどを確認する四者協定を締結している。


 幌延・深地層研:「廃止ありえない」 文科省改革案で所長が強調 
毎日新聞 2013年08月10日

 日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センター(深地層研)は9日、幌延町で昨年度の調査研究成果に関する住民説明会を開いた。文部科学省が8日、高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究している深地層研と瑞浪超深地層研究所(岐阜県)の統廃合を盛り込んだ改革案を示しており、質問が相次いだ。

 改革案では、早急に瑞浪と幌延の調査研究の成果を取りまとめ、施設の廃止を含め今後の方針を策定すると明記。2028年ごろまでには研究開発成果を取りまとめ、高レベル放射性廃棄物の地層処分の事業主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)に成果を移管するとした。

 質疑応答で、深地層研の清水和彦所長は改革案について「寝耳に水。これから本格的な試験が始まる。廃止はありえない」と幌延での研究の意義を強調。施設のNUMOへの移管を否定し、事業終了後に埋め戻す地元との協定は守るとしながらも、埋め戻す時期は「決まっていない」と述べた。【横田信行】


 北海道・幌延に模擬廃棄物を埋設 来年度に深地層研、実物大熱源で試験 

 高レベル放射性廃棄物の地層処分方法を研究する日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター(宗谷管内幌延町)が来年度、廃棄物に模した熱源を地下坑道に埋設する試験を始めることが、18日分かった。実際の処分と同じように特殊な粘土などで埋め、熱や地下水の影響などを調べる。本格的な埋設試験は国内で初めてとなる。

 道庁で行った同センターの研究成果報告会で清水和彦所長が明らかにした。埋設試験など処分技術研究は2001年の同センター開設以前から計画されており、地下350メートルの調査坑道が本年度中に完成するめどが立ったため、来年度からの実施を決めた。

 地層処分の研究のために模擬廃棄物を地中に置く試験は1980~90年代に上川管内下川町や岩手県釜石市の鉱山の坑道でも行われたが、専用の調査坑道に実物大の模擬廃棄物を埋めて行う試験は初めて。
<北海道新聞7月19日朝刊掲載>


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