みどりの一期一会

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自民への支持は本物か  東京都議選 /過熱する「憎悪」:ヘイトスピーチ 冷静に議論する社会に

2013-06-24 20:54:10 | 花/美しいもの
昨日は4東京都議選の速報を見て寝ました。

一夜明けて、朝刊各紙を見ると、自民と公明が全員当選の記事。
あーあ、やっぱり・・・と思いながら、新聞を読み始めました。。

各紙が都議選の結果をとりあげるなかで、社説は中日新聞(東京新聞も)がよかった。

  【社説】自民への支持は本物か  東京都議選  
2013年6月24日 中日新聞

 第二次安倍内閣発足後初の大型選挙となった東京都議選は、自民党が第一党に返り咲いた。一カ月後には参院選も控える。自民党への支持は本物か。

 都議選は言うまでもなく都政を議論する都議会の議員を選ぶ選挙だ。各候補者は暮らしにより近い政策に関する公約を掲げ、有権者の判断に委ねるのが筋である。

 しかし、そうなっていないのが現実だろう。東京は日本の首都であり、有権者数は一千万人を超える。直後には国政選挙があることが多い。願わくば都議選に勝ち、国政選挙に弾みをつけたい。国政を担う各政党の、そんな思惑から逃れられない運命を背負う。

準国政選挙を掲げ
 今回も例外ではなかった。

 特に六年前、首相の座を一度退いた安倍晋三首相は都議選を「準国政選挙」と位置付けた。

 都議選と、それに続く参院選で勝って、六年前の参院選で自らが招いた国会の「ねじれ」状態を解消しなければ、「死んでも死にきれない」とまで言い切った。

 告示前と投票日前の週末には、都内の合わせて三十カ所近くで街頭演説に立つ熱の入れようだ。

 自民党は四年前の麻生太郎内閣当時、都議選で第一党の座を民主党に譲る敗北を喫し、直後の衆院選で惨敗、政権から転落した。その記憶が生々しく残るのだろう。

 必勝を期す首相が訴えたのは都政が直面する課題ではなく、デフレ脱却のための経済政策だった。

 共同通信が六月二十二、二十三両日に行った全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は65・6%と高水準を維持している。投票先を判断する際に重視する課題は「景気や雇用など経済政策」(35・4%)が最も多かった。

 有権者の関心が高い経済政策を重点的に訴え、都議選を勝ち抜く選挙戦術だったようだ。

敵失が支える勝利
 自民党が都議選で第一党に返り咲き、公明党と合わせて過半数を確保する勢いなのは、首相率いる自民党が、政権に返り咲いた昨年十二月の衆院選以来の勢いを維持し、経済優先の政策も有権者の支持を得ているためなのだろう。

 首相は持論とする憲法改正や集団的自衛権の行使容認などの「タカ派」的政策を、ときおり地金が出るものの、極力抑えているように見える。そうした「安全運転」の政権運営が、有権者の支持をつなぎ留めている一因と言える。

 ただ、衆院選に続き、都議選でも見られた自民党への支持回帰が本物かどうか、見極めるにはまだ時間が必要ではないか。自民党の強みとされてきた地方では依然、苦戦が続いているからだ。

 今年に入って行われた静岡県、名古屋、さいたま両市など主要な首長選では自民党推薦候補が敗れた。千葉市長選では候補擁立すらできなかった。

 これは、自民党に代わり得る受け皿があれば、有権者の支持が流れることを意味してはいないか。

 自民党の都議選での好調さは、民主党への根強い不信や、日本維新の会など第三極の力不足という「敵失」に支えられていると言ってもいい。この構図は、昨年の衆院選と全く変わっていない。

 四年前、五十四議席を獲得して第一党に躍進した民主党は離党者が相次ぎ、現有は四十三議席。候補を四十四人に絞り込み、海江田万里代表ら党幹部が都内を駆け巡ったが、自民党の訴えを突き崩す説得力に欠けていた。

 逆風の今、漫然と政権を批判するだけでは、有権者の心を再びつかむことは難しい。

 初めての都議選に挑んだ日本維新の会は、橋下徹共同代表(大阪市長)の従軍慰安婦をめぐる発言が勢いをそいだことは否めない。

 橋下代表が街頭演説に駆けつけても自らの発言の釈明から始めざるを得ないのでは迫力を欠く。慰安婦発言を受け、みんなの党とは参院選での選挙協力を解消した。

 自民党の受け皿となるべき第三極が割れては自民党を利するだけだ。自民党ではできない、官僚が支配する統治機構の改革を目指すのなら、協力できる勢力とは協力する謙虚な姿勢が必要だ。

投票に行ってこそ
 都議選の投票率は前回を下回った。昨年の知事選で四百万票以上集めた猪瀬直樹知事人気の前に都議会がほぼ「オール与党化」し、各党政策の違いが見えにくくなったことも一因だろう。

 それは政党の責任放棄ではあるのだが、有権者はそれに惑わされてはならない。公約を吟味し、自らの考えに近いよりましな候補者を選ぶ。政治を、暮らしを、少しでもよくするには、その地道な作業を我慢強くくり返すしかない。

 都政であれ国政であれ、投票しなければ何も変わらない。その当たり前とも言える教訓を、参院選を前にあらためて胸に刻みたい。


  社説:都議選終えて―野党は対立軸を鮮明に  
2013年6月24日(月) 朝日新聞

 きのうの東京都議選で、自民党と公明党は、候補者全員を当選させる完勝をおさめた。

 身近な都政の課題より、安倍政権の経済運営の是非に焦点が当たった選挙戦だった。このところ足踏み気味の株価だが、それでも首都の有権者は、アベノミクスに一定の期待を示したといえるだろう。

 ただ、自民党が野党の不振に乗じた面が強いことは否定できない。民主党は議席を激減させ、第1党から第4党に転落した。都議選初挑戦で候補者を大量に立てた日本維新の会も、まったく振るわなかった。

 橋下徹大阪市長の慰安婦発言が批判を招いただけでなく、石原慎太郎氏との「謝れ」「謝らない」の茶番が有権者をしらけさせた。

 一方、共産党が議席を倍以上に増やしたことは注目に値する。反アベノミクス、原発ゼロ、憲法改正反対を明確に打ち出し、政権批判票の受け皿になったことは間違いない。

 来月21日とされる参院選まであと1カ月。過去には、都議選が直後の国政選挙の結果を先取りするようなこともあった。

 だが、近年の国政選挙は風向き次第で結果が大きく左右される。特に今回は、アベノミクスが最大の争点だけに、市場の動きからも目が離せない。

 安倍首相は衆院選の直後、「自民党に百%信頼が戻ってきたわけではない」と話していた。得票率でみれば、惨敗した09年から大きく伸ばしたわけではなかったからだ。

 ところが、そうした謙虚さや緊張感は、このところ急速に失われつつある。

 典型的なのは、休止中の原発の再稼働や海外への原発輸出に前のめりの姿勢をあらわにしていることだ。高市早苗・党政調会長が「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」と語り、猛反発を受けた。

 そんな横暴や、なし崩しの方向転換を許さないためにも、いつでも政権を取って代われる力強い野党の存在は不可欠だ。

 とりわけ、つい半年前まで政権を担っていた民主党の責任は重い。

 いまの国会で民主党は精彩を欠いた。予算委員会では、株高を誇る安倍首相に切り込めなかった。民主党政権が掲げた「原発ゼロ」の目標をほごにされたのに、世論を盛り上げて対抗することができなかった。

 政権に対峙(たいじ)する迫力が必要なのは、都議選での共産党の戦いぶりを見ても明らかだ。参院選に向け各野党は、説得力のある対立軸を示さねばならない。


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ところで、
在日コリアンに対するヘイトスピーチ(憎悪スピーチ)が横行していて、
目に余る暴言に対して、社説で批判的に取り上げる新聞が増えています。

北海道新聞は、
「安倍晋三首相は「一部の国、民族を排除しようという言動は極めて残念」と述べた。だが歴史認識をめぐる首相の言動が、結果的に偏狭なナショナリズムを助長していないか。」
と安倍首相の政治姿勢との関連性を指摘していて、その通りだと共感しました。

  社説:憎悪スピーチ 冷静に議論する社会に(6月23日) 
北海道新聞

 他者を批判、批評するとしても、事実を踏まえ、人格や出自を攻撃しないなど品位を保った上で行う。それが民主主義社会の最低限のルールだろう。

 街頭デモで「朝鮮人を殺せ」「出て行け」などと特定の民族や団体を標的に差別的な言葉を連呼する集団が各地で活動を続けている。こうした演説は「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」などと呼ばれる。

 その内容は言語道断で、容認する余地がないのは言うまでもない。

 日本も加盟する国連人権差別撤廃条約は、各国にヘイトスピーチを法で規制するよう求めている。

 ただ、一足飛びに法規制まで進むべきかは議論が分かれよう。行き過ぎれば言論統制となるからだ。

 私たち一人一人がこうした表現に賛同できない思いを示し、やめさせることが肝要だ。

 5年ほど前から始まったデモの中心となっているのは、2007年に設立された「在日特権を許さない市民の会(在特会)」だ。ネット上で不満をぶつけ合ううちに組織を広げ、街頭に繰り出すようになった。

 主張する「在日特権」とは在日韓国・朝鮮人の特別永住資格や朝鮮学校への補助金、生活保護での優遇などを指すという。

 だが、特別永住資格の背景には36年に及ぶ植民地支配の歴史がある。終戦後、日本国籍選択を認めなかった代わりに、日本で生活する権利を制限付きで付与したものだ。

 朝鮮学校への補助金は、各自治体の判断で支出している。それでも私立学校よりも少なく、在日朝鮮人も納税者であることに鑑みて不当ではない。生活保護優遇は根拠がない。

 問題なのは「外国人を見たら強盗だと思え」などと叫び歩く在特会の主張に共鳴する若者や会社員が少なくないことだ。背景には、非正規社員の増加などで広がった日本社会の閉塞(へいそく)感があるのではないか。

 少数者に向けられた「特権批判」を真に受け、行き場のない不満を晴らそうと隊列に加わるのだとすれば、法規制では問題は解決しない。

 ヘイトスピーチを批判する団体が現れたことは健全だが、小競り合いで双方から逮捕者が出る事態となったことは残念だ。

 政治家の責任も重い。

 安倍晋三首相は「一部の国、民族を排除しようという言動は極めて残念」と述べた。だが歴史認識をめぐる首相の言動が、結果的に偏狭なナショナリズムを助長していないか。

 政治の右傾化を指摘した官僚OBを個人攻撃する狭量さも見える。

 相手の言い分に静かに耳を傾け、冷静に議論を交わす雰囲気を率先してつくることも政治の役割だ。


 社説[ヘイトスピーチ]規制を検討するときだ 
2013年6月18日 沖縄タイムス

 外見はどこにでもいるごく普通の若者であり勤め人である。外見から受ける彼ら彼女たちの印象と、差別感情をむき出しにした「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)の間には大きな落差があり、直ちには結びつかない。

 一体、何が、彼ら彼女たちを突き動かしているのか。

 東京・新宿で16日、在日コリアン排斥を掲げるデモがあり、参加したグループとデモ中止を求めるグループが衝突、双方から合わせて8人の逮捕者が出た。

 東京・新大久保のコリアンタウンは「韓流の街」として知られる。デモは「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などが、コリアンタウンなどで月に数回行っている。

 デモのシュプレヒコールやプラカードに見られる「ヘイトスピーチ」は、こんな具合である。

 「韓国人は殺せ」「在日朝鮮人、ぶち殺せー」「売国奴」「朝鮮人をたたき出せ」「ゴキブリども」

 若いデモ参加者が敵意をむき出しにして特定の国や民族を罵倒し、在日コリアンに罵声を浴びせる。耳を塞ぎたくなるような聞くに堪えない内容だ。最近では「ヘイトスピーチ」デモに危機感を抱く人々による対抗行動も活発になっていた。

 8人の逮捕者を出すまでに事態が深刻になった以上、政府や東京都は、「ヘイトスピーチ」を規制するための具体策を検討すべきである。

 人種差別を助長するような言動は見逃さないという明確なメッセージを発信するときだ。

    ■    ■
 彼らがターゲットにしているのは韓国や中国だけではない。左派系の市民運動など彼らが「反日」と名指した組織や集団・企業も攻撃の対象になっている。

 「ヘイトスピーチ」デモに参加する人たちに共通するのは、在日コリアンが優遇されているという根拠のない被害者感情や蔑視感情だといわれる。ネットをフルに活用しているのが特徴だ。

 人種差別撤廃条約第4条は、「ヘイトスピーチ」のような差別思想に基づく憎悪表現を規制するため法律を制定するよう加盟国に求めている。

 イギリス、フランス、ドイツ、カナダなどは憎悪表現を規制する法律を設けている。日本は条約には加入しているものの立法化は留保したままだ。最大のネックになっているのが憲法の「表現の自由」との関係である。「表現の自由」を規制するような立法措置には確かに慎重でなければならない。

    ■    ■
 かといって、憲法第21条の「表現の自由」が、人種差別を助長するような、差別感情をむき出しにした「憎悪表現の発信の自由」まで保障しているとは思えない。

 憲法第12条は表現の自由のような基本的人権の「濫用」を戒めると同時に、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」と定めている。

 政府や東京都は、いつまでも様子見を続けてはいけない。


 過熱する「憎悪」:ベビーカー押してヘイトスピーチ 反対派との衝突激化 差別あおる真意は? 
毎日新聞 2013年06月18日

 特定の民族や人種を汚い言葉でののしる「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」。在日コリアンが多く住む地域を中心に昨年から毎週のようにデモが行われ、16日にはカウンターと呼ばれる反対派との衝突で逮捕者も出る事態となった。日章旗や旭日旗をはためかせ、差別をあおる真意は何なのか。現場を歩いた。【小泉大士】

 「ゴキブリ、ウジ虫、朝鮮人。お前らを一匹残らずたたきつぶす」

 16日午後3時。韓国料理店や韓流ショップが並ぶ東京・新大久保の大久保通りで在日コリアンの排斥を掲げるデモが始まった。

 拡声機で激しい言葉を浴びせるのは、デモの主催者で「行動する保守」を掲げるグループ「新社会運動」の桜田修成氏。インターネットの告知や口コミで集まった参加者は約200人(警視庁調べ)。20〜30代を中心に男性が約8割を占めるが、女性会社員風や年配女性、ベビーカーを押しながらの女性もいる。

 「いつまで差別を楽しむのか。恥ずかしくないか」。怒声を上げたのは、今年1月に音楽業界の関係者らで発足した「レイシスト(差別主義者)をしばき隊」ら反対派。「それは主張やない ただの暴言や」などと書かれたプラカードを歩道で無言で掲げる「プラカ隊」なども合わせ約350人に上る。

 小競り合いで顔から血を流した男性も。「帰れ、帰れ」。反対派のシュプレヒコールが過熱すると、機動隊員が「朝鮮人ハ皆殺シ」などと書かれたプラカードを持って行進するデモ隊との間に割って入った。

 「差別主義者は恥を知れ」というプラカードを持ったフリーターの男性(25)は「表現の自由としては度が過ぎる」。「憎悪の連鎖は何も解決しない」という横断幕を広げた別の男性も「弱い者いじめに過ぎない」と話した。通り沿いで飲食店を経営する韓国人男性(45)は「韓国で報道されたら、誤解が広がり反発を招く」と顔をしかめた。

 この日のデモでは「在日特権を許さない市民の会(在特会)」会長、高田(通称・桜井)誠容疑者(41)ら8人が暴行容疑で警視庁に逮捕された。同会は2010年8月、京都市の京都朝鮮第一初級学校の授業中に「朝鮮学校をたたき出せ」などと大音量で侮辱を繰り返したとして、幹部ら4人が威力業務妨害容疑などで逮捕されている。
 16日に新宿署に押しかけ、不当逮捕だと抗議していた男性はヘイトスピーチについて「愛国心の強い人がネットで真実を知って立ち上がった。竹島を侵略する韓国人への対抗だ」。同会の広報担当者は今年3月の毎日新聞の取材に対し「推奨しているわけではない。何がヘイトスピーチなのか明確な定義はなくデモの表現としてあっていいと思う」と答えた。抗議は17日も数十人規模で続いた。

 6月8日の京都市を皮切りに4回のデモを取材した。「マスコミは信用できない」という理由で、現場で取材を受けてくれる参加者はまれだった。ネットを通じて歴史問題に関心を持った人が多いとされ、「偏向報道」と批判するメディアも「ヘイト」の対象となっていた。

 フリー編集者で「しばき隊」の野間易通さん(46)は在特会などのデモについて「公正な社会を破壊する言論であり暴力そのもの」。京都のデモで「差別反対」というプラカードを掲げていた大学院生(24)はこう言った。「単純に言ってはいけないことを言っている。それでやめさせる運動に加わりました」


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6月23日(日)のつぶやき

2013-06-24 01:11:06 | 花/美しいもの

2013参院選の現場:ネット選挙、カネ次第 HP制作プラン、300万円 情報発信に格差も(毎日新聞) senkyo.mainichi.jp/news/20130622d…


参院選の現場:ネット活用手探り/積極派「まずは時流に」/消極派「アナログ重視」 mainichi.jp/area/news/2013…


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