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中国、ミャンマーでの国民和解を支援

2013-10-25 | ラジオ
中国はミャンマー北部で仏教徒とイスラム教徒との間で、民族的対立が発生していることに大きな懸念を示している。その対立を原因とする衝突では、多くの犠牲者が出ている。暴力から逃れようとする地元住民らが中国へと越境を試みる場合もあり、それを追う武装勢力による越境を招いている。
ミャンマーのミン・アウン・フライン元帥の北京訪問の背景には、このような背景がある。習近平国家主席が迎えたということは、中国がこの問題に大きな関心を払っていることの証左と言える。
習近平国家主席は、中国とミャンマーの国境地帯における情勢安定化に、大きな意味を見出しているとの声明を出しており、ミャンマー北部において、早期に和平が実現することへの期待を表明した。
中国は何もミャンマー政府を政治的に支援しているだけではない。中国は対立する民族勢力双方が、和平合意に調印するための仲介の労をとる準備を示した。また軍事的支援の用意もあるようだ。
ミャンマー政府は今まで幾度となく、中国国境への紛争拡大を回避するために武力行使を余儀なくされてきた。
中国人民解放軍参謀本部のファン・フェンフエイ参謀長は、新しい状況のもとでは、両国の関係も新しい脅威に対応するものでなくてはならないとの考えを示している。さらにミン・アウン・フライン元帥に対して、より頻繁に合同演習を行うことを呼びかけている。

ロシア科学アカデミー東洋学研究所のタチヤーナ・シャウミャン専門家は、この地域における安全保障問題は、中国政府にとって深刻な頭痛の種だと指摘し、次のように話している。
「これは中国を大変神経質にさせている問題です。つまりミャンマーから武装勢力の侵入を防ぐということです。不安定化の脅威は現実のものです。今までも中国とミャンマーの国境は山岳地帯のために不安要素でした。ミャンマー北部で民族対立が発生していることは、緊張をエスカレートさせる恐れもある」
そのように専門家は話している。

中国は国境の安全保障については、インドとの間でも大きなテーマとなっている。22日から24日にかけて行われるインドのマンモハン・シン首相の中国訪問でも、主要議題のひとつに上がるだろう。
タチヤーナ・シャウミャン専門家は次のように指摘している。
「状況のさらなる悪化を回避するために、地域を安定させなくてはなりません。国境における問題の特徴は、非常に長期にわたる問題だということです。数十年にもわたって両国は妥協に至っていません。しかし重要なのは国境地帯が平穏であることです。今はそれで十分なのです。
何故なら問題を解決することは、今のところ恐らく不可能だからだ」
そのように専門家は指摘している。

中国にとってのもう一つの頭痛の種は、隣国諸国から分離主義や、ワッハーブ主義が流入していることだ。アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領の中国訪問でも、国境問題が議論された。
習近平国家主席の中央アジア歴訪でもそうだった。専門家らによると、まさにこれらの地域から危険な考えが中国に流入する恐れが高いということだ。

中国はいかに国境を書き換えてきたか 地図が語る領土拡張の真実
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草思社

10月17日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル