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原子力エネルギーで大きなジャンプを準備する中国

2013-10-19 | ラジオ
中国の核技術国家コーポレーションは、核の平和利用に関する野心的プロジェクトを発表した。それによると200の原子力エネルギーブロックの建設が計画されているとのことだ。中国は核エネルギーに期待をかけることで、石炭による煤煙で世界でも有数の大気汚染国と呼ばれている、その汚名を濯ごうとしている。
中国はいわゆる福島シンドロームを、迅速に克服することのできた世界でも数少ない国の一つに数えられる。現在、中国国内で稼動する原子力エネルギーブロックは29。原発内の2つの新しい原子炉はロシアとのプラント協力で作られており、2018年2月、12月に商業利用が開始される。

エネルギー安全保障センターのアントン・フロプコフ所長はこれについて、福島第1原発以降、核の平和利用の分野で行われる国際プロジェクトとしては最大のものであるとして、次のように語っている。
「中国ではロシアの支援で建設された、田湾原発の2つのエネルギーブロックがすでに運転を開始している。このほかに中国にはロシア人専門家の支援で作られた、ウラン濃縮工場の4つの作業場が運転している。この国にはさらにロシアの原子力産業の協力で作られた一連の施設が存在するが、この分野の協力はハイテク分野、エネルギー分野における露中協力の最重要な方向性の一つに数えられている」
このように専門家は語っている。

中国はロシア、アメリカ、フランス、ドイツの協力によって、外国での原発建設のコンペキションにも入札できるようになった。中国はパキスタンでいくつかの原子炉を建設しており、トルコにおいても大きな成功のチャンスがあると見込まれている。
中国はトルコの黒海沿岸のシノプに原発を建設するための入札に勝利した暁には、トルコに技術を供与する構えだ。その上、中国はプロジェクトへの国家的な保証を要求してはおらず、トルコの入札における、中国の主たるライバルである日本が提示したよりも20%安い価格を約束している。

先のフロプコフ氏は、安価な労働力とプラントこそが、中国が世界の核の平和利用という市場で持つ、具体的な優越性であるとの考えを示し、一方で原発建設の国際市場に中国が、全面的に参入することを疎外する明らかな問題も存在していると指摘して、さらに次のように語っている。
「福島の原発事故によって中国の国際市場参入は、5年から10年先送りとなってしまった。今日、輸出用に中国が保有している原子炉は第2世代のものだが、ロシアが外国で建設しているのは第3プラス世代の原子炉であり、IAEA・国際原子力機関の枠内をはじめ、日本の事故後に採択された標準に照らすと、ロシアのより進んだ原子力のほうが、より競争力が高いものとみなされている。
今後数年間、ロシアは原発建設の入札において中国に脅かされることはないだろう。中国が今日、有する原子炉は新たな安全基準に応えるものではないからだ。ただし中国はその刷新に邁進している」
このように専門家は語っている。

仮に中国のエンジニアたちが短期間で、原発の安全レベルの向上という課題を解決できたならば、中国は外国における原発建設の輸出主要国家の仲間入りを迅速に果たすことだろう。
中国はその大規模な原発建設プログラムによってエネルギー問題を解決し、世界の原子力エネルギーに占める割合を、禁じられた境界である10%まで拡大することができるようになるだろう。現在、この指標はその3分の1の数値でしかない。

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10月1日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル