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集団自衛で自民党は連立パートナーを失う(2)

2013-10-17 | ラジオ
さてもう一人、元駐日ロシア大使を務めたアレクサンドル・パノフ氏は、この道をたどる場合、日本政府は自分のためにも自国のためにも深刻な問題を作りかねないとして、次のように語っている。
「新公明党は昔から憲法を、特に9条を守る姿勢を貫いてきており、支持者たちもかなり断固とした姿勢をとっている。このため、自民党との連立でかなりの政治ポストを占めることができたとはいえ、安倍首相が自らの決断に固執し続けた場合、公明党は連立を抜ける可能性もある。
原則的には自衛隊の存在自体、憲法に違反している。憲法は軍事力を持つことを禁じているのに、それは存在している。名称としては自衛隊であり、攻撃兵器である空母や巡航艦、原子力潜水艦、中距離ミサイルなどは保有していないものの、これは完全な軍隊だ。
このほか、憲法は様々な解釈が可能で、たとえばこれは集団自衛権を見越していない。つまり仮に第3国が米軍の艦隊を攻撃しても、今の日本にはこの支援に駆けつける義務もなく、駆けつける能力も有さないことを意味する。ですが憲法を変えずとも、日本も米軍の支援にはせ参じることのできる解釈を考え出すこともできるのだ」
パノフ氏の発言だ。

ですがパノフ氏は、これは理論上のことだと指摘する。実践では日本はアメリカが地中海で攻撃を受けた場合、日本も助けにいかねばならないと思っているのだろうか。それともこれは日本の付近に限定されるのだろうか。ならば付近とはどこまでを指すのだろうか。
パノフ氏は、この議論は再燃するに違いないと予測している。集団防衛権、集団自衛権に反対しているのは公明党だけではなく、他の政党も社会団体もそうだ。これは日本の社会には、あまりにもデリケートな問題であるのがその理由だろう。またもし集団自衛権を認める法律が採択された場合、日本の近隣諸国が否定的な反応を示すことだろう。
これにはまず中国が反対を示すことは間違いない。パノフ氏は、このフィールドで日本は益になるものは何も得られないとの見方を示している。

自民党・創価学会・公明党―国民不在の連立政権・秘史 (シリーズ世界と日本)
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9月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル