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中国、ベトナムと海上共同開発協議へ 日本とフィリピンとの領有権問題における立場を強化

2013-10-20 | Weblog
中国はベトナムとの領有権問題における態度を変えた。ロシア極東研究所のアレクサンドル・ラリン専門家によると、中国は譲歩に向かっているという。
中国とベトナムは、南シナ海の共同開発について話し合うための作業グループを設置することで合意した。中国は日本や、フィリピン、マレーシア、ブルネイなどの国々とも、石油やガスなどの資源が豊富な南シナ海の領有権を巡って争っているが、これらの国との間に作業グループは設置されていない。
作業グループ設置に関する合意は、中国の李首相のベトナム訪問の主要な成果の一つとなった。李首相はベトナムのズン首相と会談し、作業グループの設置について合意した。最近2年間で中国とベトナムの領有権争いは著しく深刻化した。
両国は軍事衝突の瀬戸際に陥った。ベトナムはASEANのパートナー国の力を借りて問題を解決しようとしたが、中国は多国間アプローチに反対した。

ラリン氏はベトナムは中国に歩み寄り、中国は従来の断固とした姿勢を少し和らげたとの考えを表し、次のように語っている。
「恐らく中国は、現在の状況が中国にとって不利に働いていると考えたのではないだろうか。何故なら中国よりも小さい国々は、中国の軍事力に懸念を持っているほか、中国の政策へも不満も抱いているからだ。
そこで中国は誰にも譲歩しないという姿勢ではなく、より柔軟に対応する必要があるとの結論に達した。中国政府は、柔軟な政策が、領有権争いを解決する成功の鍵になると考えた。そして中国は、この方針を基にベトナムと会談した。今後もそのような方針で関係が発展していくのではないだろうか。これは非常に有益で正しいアプローチだ。この方法の本質は、妥協。これはただ歓迎に値する」
専門家の意見だ。

李首相がベトナムの政府代表者と会談する前、ベトナムは日本と海上での安全保障協力を強化することで合意した。ベトナムは、中国が力を使って一方的に南シナ海の現状を変更しようとしていることに懸念を抱いている。
日本はこの状況を利用することに成功した。日本の安倍首相は、最近インドネシアで開かれたAPECサミットで、ベトナムのサン国家主席と会談し、両国は海の安全保障分野での連携を進めることで合意した。同時に日本は、中国との領有権問題を抱えている他の国々との協力も強化しようとしている。
例えば日本はフィリピンの沿岸警備隊のために、パトロール用の巡視船10隻を供与することで合意した。これにより、中国との対立におけるフィリピンの立場が著しく高まる。

なお中国はベトナムとの協議では主導権を握ったと考えられる。中国とベトナムは、戦略的パートナー関係でも結ばれている。しかしフィリピンとの関係はより複雑だ。
フィリピンはアメリカの非常に強い影響下にある。アメリカは中国がフィリピンをアメリカから奪い取ることを許さないだろう。何故ならその場合、中国を押さえ込むための、いわゆる重石を一つ失うことになるからだ。
中国がベトナムと合意に至ったことで、日本とフィリピンとの領有権争いにおける中国の立場が強まった。現在、中国との領有権問題を抱える国々で反中同盟を築こうとする試みがある。しかし中国とベトナムの合意により、その動きが阻止される可能性がある。

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10月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル