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中国と日本 アメリカデフォルトの可能性に懸念

2013-10-12 | ラジオ
アメリカにとっての最大の債権国である中国と日本は、アメリカのデフォルト危機に懸念を抱いている。VORの専門家らは、デフォルトの場合のシナリオについて見通しを示している。
中国はアメリカ国債の最大の引受け手であり、約1兆3000億ドルを保有している。その次が日本で1兆1000億ドルとなっている。
中国のチュウ・グンヤオ財務次官は、アメリカに対してその安全性を保証するよう求めている。つまり不可抗力による場合先ず第一に、国債の利息が支払われるための措置をとるよう求めているのだ。

日本の麻生太郎財務大臣は、ありうべきデフォルトの結果も考慮しなくてはならないと指摘している。極東研究所のヤコブ・ベルゲル専門家は、中国と日本が同時に反応していることについて、次のように指摘している。
「両国はアメリカ経済に資金を調達している最大の国だ。中国と日本の関係は良いものではありませんが、今回の問題では連帯的に行動しているように思える」
そのように専門家は述べている。

またベルゲル専門家は、ドルの急激な変動を懸念する中国は、アメリカ国債を一気に手放すことはないと指摘している。
「中国はアメリカと協力する準備があります。中国はいつでも非常に責任ある行動をとってきた。2008年の金融危機でもアメリカ国債を市場に放出することはありませんでした。
アメリカの立場を追い詰めることはしなかったのです。中国がこのような対応をとることによって、アメリカは国内の危機を克服し、世界全体に対する責任を認識するようになるでしょう。中国は大きな役割を果たしている。つまり中国の動きは戦争を仕掛けるようなものではなく、あくまで警告であって、他人の国の問題に圧力をかけるようなものではありません」
そのように専門家は指摘している。

また社会政治研究センターのウラジーミル・エヴセエフ氏は、次のように指摘している。
「中国がアメリカに投資している一方で、アメリカも中国に投資しています。これは相互投資ですから、中国が一方的に投資を引き揚げることはありません。そうなれば、アメリカも中国から資金を引き揚げることになるからだ。中国は2008年の金融危機のような事態が発生した時の保険を求めているのだ。中国が実際にアメリカ経済の崩壊を懸念しているとは思いません」
このように指摘している。

極東研究所のアンドレイ・オストロフスキー氏は、中国は日本と比べれば危機克服は容易だと指摘している。
「中国はこのような状況を見越して、2年前から国内市場に重点を移し始めた。この決断は正しいものでした。日本における状況は中国よりも悪いものだ。日本のアメリカ依存は中国よりも大きいものだ。中国は日本よりもより多角的な経済を持っています。福島のような重荷もありません」
そのように専門家は述べている。

VORの専門家らによると、中国と日本がアメリカ国債に投資している額は、2兆4000億ドルをはるかに超えているということだ。中国はドル建ての資産を3兆5000億有しており、デフォルトの場合にはこれも影響を受けることになる。日本では民間がアメリカ国債に投資している。それゆえ、デフォルトの真の影響の範囲は誰にも分からない。

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10月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル