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日中の対立には心理的要因がある(2)

2012-10-15 | ラジオ
そうした理由は次のようなものだ。
中国が力をつけつつあるということは当然、外交政策においても活発度を増しているということだ。
とはいえ、外交活動を活発化させることに、中国は今のところ慎重な姿勢を表している。
なぜなら国内には、過去に中国を陥れたことのある国々に対して、何よりもまず日本に対し、中国政府がより粘り強い態度を示すよう、呼びかける社会勢力が増えつつあるからだ。世論の圧力に押されて中国政府は本来の国益の分野を、かっこつきの本来の国益の分野を拡大し始めた。
これは以前には主に台湾だったが、今やこれが釣魚諸島、南シナ海の諸島、チベット、新疆ウイグル自治区となり、未開発資源を獲得する問題がこれに加わった。

別の見方をすると日本では、ちょっとした譲歩も妥協も痛烈な批判を浴びてしまう。日本は中国のみならず、ロシア、韓国、台湾とも多くの領土問題を抱えているが、それに妥協的な解決方法をとろうとすると、その政治家は愛国的な世論の攻撃にさらされ、国賊扱いされてしまう。

こうした状況で紛争は、いったいどのような方向へ行くのだろうか。現在の状況ではこれ以上拡大することはないだろう。なぜなら両国ともあまりに互いへの関心が深く、対立を深刻化することはできないからだ。
ただし対立を妥協によって解決することもまた考えにくい状況だ。
ルーキン氏は、おそらくこの先も盛り上がったり、下火になったりしながら対立は続いていくだろうと考察している。ただし、この際も中国の成長如何に多くはかかっている。仮に中国の成長が右肩上がりに進み、ますます力が拡大した場合、中国は語気を弱めず、状況は先鋭化するだろう。ただし中国経済が深刻な困難に突き当たった場合、指導部はより逼迫した問題と取り組まざるを得ないだろう。

かっこつきの本来の分野、って何???

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東洋経済新報社

10月4日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル