1010 Radio

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中国での反日デモの裏にあるものは何か

2012-10-07 | ラジオ
中国と日本の関係悪化を受け、中国の書店では日本人作家の作品が消えた。中国でベストセラーとなっていた、村上春樹さんの『1Q84』も撤去された。
中国の書店は大規模な反日デモが開かれた時に、デモ隊によって襲撃された日系のスーパーマーケットや、日本食レストランと同じ運命を辿るのを恐れているかのようだ。
多くの観測筋は、中国人が反日感情を抱いていることに驚きを表してはいない。ですが反日感情が中国における日本の音楽や、日本文学の人気を妨げることはない。

中国で反日感情の高まりの第一波が収まりつつある現在、中国のブロガーたちは、厳しい視点から見た場合、反日デモの参加者たちの行動が理にかなっていない点に注目している。
反日デモの参加者たちは、日本人に嫌な思いをさせるために、中国人が所有する日本車などを攻撃している。
なぜ、日本政府に対する抗議で、中国人が苦しまなければならないのでしょうか。中国人QAはローンで買った車を破壊され、ほぼ全てを失ってDまった。

また反日デモには外交的な論理もない。中国政府は日本との領土問題で、中国の立場が強化されることに期待したと思われるが、デモ参加者たちの破壊行為は、それを可能にしなかったばかりでなく、中国のイメージを著しく悪化させた。
中国政府は暴力行為を奨励したり、あるいは、そのような行動を取り締まることができないというイメージが作られた。

反日デモの参加者たちは、両国関係を著しく先鋭化させたが、これが領土問題の解決に寄与することはない。
何故なら民族主義的感情を持つ一部の中国人たちによる、中国から日本人を追い出せという呼びかけに(?)して、日本の右翼勢力の活動が活発化したからだ。
残念なことに日本からも、そして中国側からも、領土問題が抗議デモによって解決されることはないという、断固とした声明が表されていない。

モスクワ大学アジア・アフリカ諸国研究所のカルネエフ副所長は、反日デモは、中国人の愛国精神を反映したものではなく、中国政府への不信感や、社会で緊張が高まっていることを証明したとの見方を表し、次のように語っている。
「現在明らかなのは一つ。中国は今年、複雑な時期にあるということだ。相次ぐ政治スキャンダルは、政府の権威に影響を与えた。若者を含めた多くの人が、政府は日本に断固として対抗することもできないほか、何もできないと考えている。
中国政府は現在、複雑なプロセスにあるが、中国では政府の権威が弱まっている。これは危険な傾向だ。矛盾したことではあるが、中国では急速に高まる経済成長を背景に、ある種の失望感が増大しているほか、中国は間違った方向に進んでおり、最近10年間は無意味なものだったという奇妙な感情が高まり、社会的アンバランスが拡大している。これらの感情はまだはっきりと自覚されてはいないが、反日デモという形で表れた」
副所長は、このような見解を示している。

過激なスローガンを禁止したり、デモの違反者を罰したり、あるいはインターネット上に掲載された、暴力行為への呼びかけを削除するのは難しいことではない。
ですが社会の不満原因を取り除くのは非常に難しいことだ。この不満が、大規模な反日デモのほんぽん(???)原因となったのだ。

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(?)は声の出ない若い女性アナウンサーが何と言ってるのか不明
「ほんぽん原因」って何だ???

9月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル