読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

RURIKO 林真理子 角川文庫

2011-06-12 21:50:23 | 読んだ
林真理子は「アッコちゃんの時代」以来である。

題名のRURIKOとは「浅丘ルリ子」のことである。

「伝記」なのか「小説」なのか迷うところであるが「小説」でしょう。

この物語の出だしに甘粕正彦が登場したのには驚いた。
この本の前に呼んだのが甘粕正彦の物語で、なんだか因縁めいたものを感じたのであった。

その甘粕正彦と浅丘ルリ子の父親が知り合いで、甘粕に「信子ちゃん(ルリ子)は将来絶対に美女になる。そうしたらぜひ女優にして下さい」と頼まれる。

そして、それが現実となる。

物語は浅丘ルリ子(本名が浅井信子で、この物語では『信子』として描かれている)が満州で生まれたところから始まる。
そして、父の仕事の都合(満州国の官僚)でタイのバンコクに移り、終戦を迎え、東京に戻り、女優となる。
というところが序章。

で、女優になってからの物語は、日活の映画史を経て昭和の芸能史のように進む。
石原裕次郎に対する報われない愛、小林旭との恋、美空ひばりとの友情は、純粋でいながらも芸能界という特殊な世界を感じさせる。

石坂浩二との結婚は、やっぱり世間が感じていたように「違う」ものだった。

この小説を読むと、信子はいろいろな男とつきあってきたが、いつでも「信子」であった、と思う。
さすが、甘粕正彦が見込んだ「女性」。まっすぐ自分を通して生きている。

面白く読んだのであるが、ちょっと、展開が早いような気がした。
もう少し突っ込んでも良かったのではないか、と思ったが、いろいろと差しさわりのあるところが多いのだろう。

過ぎ去った時代が懐かしく感じさせられ、非常に面白く読んだ。

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