人事戦略研究所

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平成17年7月号掲載分

2006年03月31日 | 人事で会社が変わる
権限委譲で会社が変わる

 権限委譲。この言葉は世間のあちこちで聞くことができます。若手の社員を伸ばすには
権限委譲が効果的とか権限委譲のできない会社は大きくなれないとかその効用について説
かれていますが、これを実行に移せている中小企業が少ないのも事実です。一つの部署の
運営を全て社員に任せてしまうのは社長にしてみればものすごく怖いことでしょう。その
部門の成否が会社の経営を左右することにでもなれば大変なことです。ましてや中小企業
は資金力が強くないのでちょっとしたミスが会社の経営を脅かす元になることがあります。
 このような中、権限委譲をしながら業績を上げている会社があります。専門商社のD社
は、若手社員に新商品開発の権限を与えています。商社では顧客の求める商品は何かを一
番肌で感じやすいのが営業の最前線にいる社員です。営業社員は毎日の顧客との折衝や同
業他社の動向等から今売れそうな商品は何か、顧客は求めているが市場にはあまりない商
品は何かを感じています。そのことに注目したD社は、最前線の営業社員に新商品の開発
を任せることにしました。もちろん、できるだけヒットする確率の高い商品、会社の能力
に見合った商品を売り出す事になります。そこで、D社では、毎年年度末に営業社員から
聞き取り調査を実施します。「来年の営業目標、営業方針を勘案して、当社の来年の新商
品は何が良いと思うか。」という質問です。それに対して営業社員一人一人が売れそうな
商品とその理由や競合他社の状況等を述べます。そのやり取りの中から、自社で取り扱い
ができそうな商品を選定します。発案者は、新商品と決まった商品の仕入れ先の選定、仕
入れ価格、商品ラインナップ、標準販売価格、販売先ターゲット、販売方法等を取りまと
め、リーダーとして新商品の営業活動を繰り広げます。リーダーは年齢、勤続年数、役職
に関係ありません。時には先輩社員や上司に対して指導や指示をします。このことで、リー
ダーとなった社員は成長していくのです。

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