チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 500

2022年09月14日 08時16分35秒 | 日記
きものにかかわって60年は過ぎた
きもの大嫌いだ!と母に向かってごねて、着物を着ることを拒否していたのに、こうまで長く着物と付き合うとはー-
それは着物を通して知った日本の国の面白さであろう。着物に携わる「人」に興味を持ったせいだろう

事の起こりは新宿伊勢丹で開催されていた「万葉を染める」という山崎斌さんと上田光乃さんの草木染の展示会にふらりと入ってからだ。26歳の時だった

布に染められた色の美しさに惹かれた。その染めた染料がすべて植物であることにも驚いた。植物からこんなに美しい色が出るのかとびっくりした
そのうえその色はわが先祖たちが編み出したもので、万葉集にもその色に対する染め方や、憧憬の思いが寄せられているという山崎斌さんの解説に引き込まれた。さらにさらに染の染材のほとんどが漢方薬の材料にもなっていると

そういえば、幼少のころに与えられていた漢方の数々、そのおかげで腎臓が完治し元気になったのだが、紅花の紅花餅を煎じて血液をきれいにしたとか、玉ねぎのあの薄皮を煎じて飲んで腎臓の働きを促進したとか、しかもその皮はきれいな黄色に染まるなど、日常の自分のこととしっかり符合して、母を改めてすごいなあ、なんて思い出しながら解説を聞いていた

学者でも、研究家でもない市井の女が、自然からの恵みの知恵を授かっているというのは、代々続いた日本の女達のあたりまえの知識なのだろうか?

きものというのは「単なる着るものではない」という意識がまばえ「きものっていうのは洋服とはまた違った文化があるのかもしれないなあ」
この日から急転換して、着物に興味を持つようになった
そして今だ着物の未知なる世界を追求している。面白いんだもの

着物雑誌や若い方たちが出版なさったきものの本、着物の集まりなどが盛んで、楽しんで着物をお召になる方が増えている
いろんな風姿を見せながらも着物は続いていくのであろう。そういう中で根幹の仕事をなさった方々のことを、私は語り続けていく

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