きものの解放感は誰もが味わえること
浴衣がはやるのはその解放感だ
素肌の上に着て八つの通気口から風がビュンビュン入っては出ていく
この感覚がきもののだいご味だと思う
このだいご味をああだこうだと「着装」ということでいろいろ縛ってはいけない
多くの場合
紐を強く結びすぎていると思う
帯をきっちり強く締めすぎていると思う
きものを着つけている順序さへ守れば、着物は脱げない
その基本さへ知っていればいい
その基本はモノの一時間で覚えられる
着付けはむつかしい!とだれが決めたのかよく考えてみよう
何のためにむつかしくしたのだろう?
これはきものだけに限らず
戦後の教育の中で、簡単に身につくものほどむつかしいという植え付けをされている
私たちはいま、簡単なことをむつかしいと思いこまされていることに気が付き始めている
それがきものの着方にも言える
素材の涼しさ、特に麻は夏の王者
絹も涼しい、絽とか紗の素材は空気を完全に素通りさせる。だから冷房ガンガン効かされたら寒くて仕方がない
こんな素材を考えた先人たちがすごい
体が冷えていても、帯をすることで内臓が温まっている。そのために風邪をひきにくい
自分が住んでいる国の風土にあった衣服を捨てないでほしいと思う
昭和30,40年代
女たちは一時一斉にきものを捨てた。家からきものを着て表に出るのに「よっしゃ」と自分自身に活を入れたものだ
表に出ると「病気?」これは化粧していないとき、「おめでたい会?」これはお化粧をしているとき
この時期はまだ知らない人同士の会話があった
しかしきものを普段に着るのはびっくりの時代でもあった。着物は冠婚葬祭用になっていた
夏着物を着ていると「お暑いでしょう?」--無理して着物なんか着なくてもアッパパパと呼ばれていた簡単服のほうが涼しいでしょう・にーー
それでも
夏はきものの方が涼しいと思った