きものの表現力はやはり半端ではないな
昨日書家の「島本恵理」さんと他の陶芸家たちとの合同展に新宿柿伝ギャラリーに伺った
島本さんの書は優しく、しかし確固とした軸もあり、筆を一番先に落とした時の力強い筆跡に何か覚悟のようなものを感じた。その書に他の表現をまじ合わせることで、更に書が生き生きとしていた
初対面だが、着物姿が楚々として美しい方
その着物を染めたのが東京手描き友禅作家の上田環江さん。表現力抜群の方なので、その島本さんのアートの書を着物と帯に手描きしていた
アートの書を崩さず、しかもご自分の手法も静かに取り入れ表現している
その着物を身にまとったとき、書が曲線になるのでさらに動きが出る。お二人の気持ちが溶け合い、新しい生き物になっているのだ
これぞきものの醍醐味だだろう、平面から立体へ、そしてその着物を着た人が様々な所作で動くことで、立立体になる
書も着物もそのままでは「平面」
一緒にすることで無限の空間が生まれてくる。着物ってすごい!!
書をそのまま着物に書き映しても感動はない、書の表現、着物としての表現、二つがさらに新しい先を見せることで、人の心を踊らせる強さが生まれる
きものや帯に物を描くことで、物も着物も生きてこない場合が多いが、今回は違った。ということは友禅の色の刺し方、地色を載せる素材の選び方、そのすべてが整ったとき、着物は全く独自の魅力を発するのだ。こういう感性の着物が巷にあふれると、着物の楽しみ方も格段と深まる
やはり着物ってすごいよ
お互いにご自分の「技」を競い合っているのだけど、譲り合っているわけでなく、かといって支配し合ってるのでもなく、融合し調和させて、新しいものを生み出している
なんだかこれからの人の生き方を示唆しているようにも感じた