チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

お祭りは長老が元気になる

2018年09月18日 18時50分36秒 | 日記
わが町十二社に位置する熊野神社が土曜日曜と大祭であった

宮出し一時
宮入21時ということでこの瞬間を楽しみに過ごす
立派な神輿で一の宮二ノ宮が夜7時まで新宿中を練り歩く
黒紋付を着た氏子達が先導するが
「今年は馬は出ないの?」
「総代がお歳なので人力車にしたの」
「それに宮司さん女性ですものね」

ここ十二社は昭和40年代まで温泉街で花柳界でもあったのでその頃は女神輿も出ていて
それに変わって若い女性も脚絆をつけて歩く
美人が多いので
「どこからいらしたの?」
と聞くと「地元ですよ」側にいた長老が「わしの孫むすめ」と言って自慢する

あらこのおじいさんお布団やの隠居じゃあないの
いつもと違ってはつらつとしている

見渡すとあらこんにちはと顔見知りの長老
みなさん腰が伸び背筋がちゃんとして生き生きとしている
思わず吹き出したくなってくる

だっていつもしょぼくれた顔をして歩いている人たちだもの
あらラジオ体操で張り切りおじさんも黒羽織を着て江戸前の顔をしている

男の人って面白い
今宵のおじいさん達は集まっている若人より色っぽいよ

宮入の木遣りが聞かせる
江戸の祭りはこう来なくっちゃあ

しかしチャコちゃん先生のひいき目
わが町の鳶のかしらが一番かっこいい

ここの所口を聞いてくれるので嬉しくて仕方ない
やたら質問ぜめして独り占め
舎弟達が目配せして笑っている

終わって長老達はご神事を受けるのだけど
やれやれという感じで急に背中が丸くなる

暇だねえそういうことを事細かに観察しながら同じ趣味の仲間と油を売る
そこにはおばあさんはいない
祭りは男達の晴れの舞台なんだね
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする