My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

古い8mmビデオテープのデジタル化に挑戦。~結局修理から始めることに~

2019-07-16 12:56:35 | 映像

重い腰を上げ、年初に計画を立てた8mmビデオーテープのデジタル化に取り掛かる事にした。

計画としては、その昔使っていた8mmビデオカメラでテープを再生→DVDレコーダーのHDDに保存→DVDにコピー

場合によってはDVDをPCに取り込んで編集。こんな目論見です。

 

取り敢えず、20数年間は使っていなかったと思う8mmビデオカメラを動かしてみる。

リモコン、バッテリー(予備も)、ACアダプターなど、全てカメラバッグに入れて保管していました。

当時ハンディカムと呼んでいた様な。懐かしい。

あれ? 全く動作しない。。。 メカも動作しない。テープイジェクトも出来ない。

こりゃダメだぁ。とんだ誤算だ。

しかし、またやる事が増えた。愉しみが出来たと前向きに考え、修理に挑戦する事に。

時間は沢山ある。

オーディオ機器の修理や改造は今まで散々やってきたが、映像機器の修理は今回が初めて。

ワクワク~(勉強になると思ってあくまでも前向きに)。

 

いざ、解体して問題個所の調査に取り掛ることに。

その前にサービス・マニュアルを探す。何とか英文のものが見つかりました。

まあ、最低限、実装図と回路図があれば何とかなるかな。

 

ここから解体修理の経過を残しておきますが、長文になります。約10日間の道のりでした。

機種は「SONY CCD-TR705」です。 

 

電源が入らないと言う事は、取り敢えず電源基板のヒューズ切れを疑いました。

先ずテープカバーを取り外します。

本体お尻の電源供給部分を取り出します。

取り出して、ヒューズの導通を確認すると、一番左のリード型ヒューズが切れていました。

回路図を見ると、このラインが映像、音声処理回路、メカ動作ブロックへ電源を供給している様です。

当然、こんなヒューズの手持ちは無いので、取り敢えず同じ定格のガラス管ヒューズを使いました。

ヒューズが切れている原因を探します。

ネット上で色々と調査すると、同類の機種ではチップ電解コン(表面実装)の液漏れが多いという情報を得た。

取り敢えず、分解してなかを覗きます。

まずは、電源供給部(DC-DCコン)を見ていきます。シールドケース内です。

シールドケースを剥がしてみると、「ああ~、なるほどね。案の定だ。」

ご多聞に漏れず、やはり液漏れして、漏れた電解液が基板裏まで染み出て半田を汚しています。

白っぽいところ。と言う事はスルーホールもダメージを受けてないか心配。

(マイクロスコープで撮影した写真を追加)

ここを綺麗にして部品面の該当箇所の電解コンを交換します。

シールドケースに収めるためにサイズ的にタンタルも使いました。

OSコンも使われている様(青い円柱)です。

この状態で元に戻して、電源を入れると、メカが動き、何となく映像と音声が出てきました。 

しかし、映像は汚く、音声も割れています。

次に、音声基板です。ここに有ります。

拡大してみると。

これは酷い!

液漏れして周辺の部品までダメージを受けています。腐らせたり半田を浮かしたりしています。

電解コンから漏れた液で半固定抵抗が腐食しています。多分、摺動子やカーボンも腐っているのでしょう。

(マイクロスコープで撮影した写真を追加)

取り敢えず、この悪名高きチップアルミ電解コンを取り除きます。

半田コテを当てても半田が溶けてくれません。そして鼻を衝く凄い悪臭です。何とも言えぬ匂い。

この悪臭や液体は人体に害が無いのか?気になりましたが、そのまま作業を進めます。

足元にフラックスを塗り、半田盛りして何とか取り外し。

力づくでもポロっと取れる物も有ったので、半田がやられているのでしょう。

周辺に漏れ出た電解液を無水アルコールで掃除し、その後基板パッドにフラックスを塗り予備半田を施します。

代わりの電解コンですが、チップ電解コンなど持っていません。

そこで手持ちで過去にオーディオ機器(CDプレーヤー)改造の際に取り外した電解コンが有ったので、これを使います。

一般的なラジアル電解コン(黒)や贅沢にもニチコンのMUSE(緑色)です。

取り敢えず、数か所交換したところ。

その後、さらに数か所交換しました。

写真に写っている取り外したチップ電解コンは一部です。いったい何個交換したのでしょう。

最終的には他の基盤も含めて20個以上交換しました。

ひとつの半固定は使えなくなっていましたので、有り合わせの同じ抵抗値のVRへ交換。

ここで組み直して動作させてみますが、音声は多少良くなりましたが、映像は汚いままです。

さらに解体を進めます。

ファインダー部。

ファインダー部を外したところ。

3枚に下ろします。

取り敢えず、再生が出来れば良いので、左のファインダー部は必要無いと判断。右の2枚に集中。

裏側。

もの凄い集積度です。当時のソニーの技術力の高さが伺えます。1005タイプのC,Rが沢山使われています。

今ならこんなに沢山CRを使わなくても恐らくICに集積化で出来てしまいます。

コネクタも挿入し難いところが沢山あります。一般大手メーカーでこんな設計をすると現場から叱られます。

私もよく叱られました。

 

まず、一番内側の大きな基板から。

怪しいチップ電解コンを交換。容量合わせのためパラにしました。(下側の深緑色の2個)

 

カメラ側の基盤。 

再生が出来れば良いので、カメラ部も不要と判断。

カメラブロックも取り外し。中央のBtoBコネクタでカメラブロックが接続されていました。

この画像処理基板のアルミ電解コンを交換。

 

組み直します。

 

この状態でもう一度再生してみます。

映像は綺麗になりました。※因みに写っているのは私ではありません。

音声も音が割れる事は無くなりましたが、右chから音が出なく、ボツボツと言っています。

 

取り敢えず、何とか映像と音も聴ける様になりましたので、一旦デジタル化をしてみます。

ここでまた壁にぶち当たると、次の手も打たなければならないので。

DVDレコーダーの外部入力からHDDに録画してみます。

出来ました!!! 

さらにDVD化も出来ました!!! 

ヤレやれと言った感じです。

8mmカメラで撮った25年前の懐かしい動画をデジタル化する事が出来ました。

 

ここで妥協していれば、良かったのですが、、、。

さらに右chからも音声が出る様にしようと、音声基板のアルミ電解コンをさらに交換。

ここで悲劇が!!!!

再度動作させようとすると、あれっ!イジェクトが出来ない。

どこかショートさせたかな?

ヒューズは大丈夫。

さきほど交換した電解コンの近くにチップ・タンタルコンが有る。

ここは狭い箇所なので、触るのを躊躇した所。

テスターで確認すると、タンタルの両端でショートしている所がある。

やっちまったかぁ???

流れた半田或いは漏れた電解液でショートしたか?

ショート箇所を修正して、再度動作。

あああああぁ~~⤵。

映像は白黒で歪んでる~。音は出ない。ボソボソ雑音。

最悪。。。。それから、色々やって見たが、修復の見込みなし。

欲を出さなきゃ良かったのに。。。意気消沈。

 

でも、良い勉強になったし、10日間楽しませてもらいました。費用ゼロ円。

一旦、映像、音とも出る様になったので達成感は味わえました。その後、落ち込みましたが⤵。

最近、こういう失敗が多いな~。どうしたんだろう。。。 失敗は成功のもと?

やはり歳とともに思考力や集中力が落ちているのかなぁ。車の運転も気を付けなきゃ。

 

今回、半田付けをするのに先日購入したコテ先が大変役立ちました。

先端がマイナスドライバーに様になっていて部品間の狭い所にも入ります。

白光 こて先 1.6D型 T18-D16
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さて、それはそうと、これからどうしよう?

8mmテープに収めた懐かしの映像をどうやって再生しよう。。。

 

コメント
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