船井会長を中心とするグループの人たちは、「資本主義の崩壊」を唱えることが多い。それを見るたびに思うのは、彼らがいう「資本主義」ってのは、何を意味しているんだろう・・・ということ。どうも、言葉だけが一人歩きしている。中身まで考えてるようには見えない。
「資本主義とは何か」なんてことを言い始めたら、人によって意見はそれぞれで、本当にキリがないけど、やっぱり、いくつかの基本的な特徴がある。
まず、「私有財産制である」というのが前提条件。つまり、「権力者が、気分次第で市民から何でも取り上げてしまう」というようなのは、資本主義ではない。
古代ローマの皇帝には、旅先のギャンブルで大負けしたおかげで、地元のお金持ちを何人か死刑にして財産を没収し、そのお金で賭けを続けた・・・というエピソードの持ち主もいる。大昔の古い社会というのは、そういうものだった。その点、資本主義の社会なら、いくら権力者でも、人の財産を勝手に取り上げるのは無理。「財産を私有するとは何事か」といって怒るのも分かるけど、地球人類の歴史を振り返ってみれば、昔より遥かにマシになっているのである。
それから、「おカネで雇われた労働者が働く」というのが基本。サラリーマンでも、フリーターでも、そこは変わらない。つまり、「権力者が、奴隷をタダ働きでコキ使う」というようなのは、資本主義ではない。
「おカネで、人間を支配するとは何事か」と言って怒るのも分かるけど、これまた地球人類の歴史を振り返ってみれば、おカネがもらえてるだけ、まだマシだ。少なくとも、大昔の奴隷よりは、ずっと好待遇になっているのは間違いない。
できた商品は、市場で売り買いされる。もっと売れるのに、作るのが少なすぎると、その分だけ儲けが減ってしまう。逆に、作りすぎると、余ってしまって大損だ。一番、儲かるのは、ちょうどよく生産して販売したとき。資本家は最大の利潤を目指す。それ以外のこと(有名になりたいとか、女にモテたいとか・・・)を目的に、余計なことまでやらかして利益を減らすようでは、真の資本主義者ではない。
儲かれば、それだけ元手が増えることになる。そこで資本家は、さらに投資を増やして生産を拡大する。こうして、経済は成長していく。
ここが、肝心なところ。つまり、せっかくおカネを儲けても、キャバクラとか、美食や旅行で遊んで使い果たしてるようじゃ、まだまだ甘い。ホンモノの資本主義者なら、むしろ節約しておカネを貯める。貯めたおカネを再投資して、もっと働くために使う。単に、ガムシャラに働くわけではない。常に、最大の利益を追いかける。儲かれば儲かるほど、さらに再投資して働く。
ここで「なんのために?」と問うようでは、真の資本主義者とは言えない。それ自体が目的なのである。
つまり、働いて、おカネを貯めて、さらに投資する目的は、もっと働いておカネを貯めるためだ。それを、さらに投資する。いつも、そればっかり考えているから、どんどん事業は拡大する。
最後は、全財産を慈善事業にポンと寄付する。なぜ寄付するのかと聞かれれば、「そんな財産を相続したら、子孫は遊び呆けてマジメに働かなくなるではないか」と答える・・・。
本当は、ここまでの域に達しないと、真の資本主義者とは言えない。
実際に、資本主義が勃興した頃の近代ヨーロッパでは、そういう人たちが続々と出現した。彼らの多くは、敬虔なキリスト教徒だった。「黙々と働き続けるのが、我等の務め」と信じて働き続けた。すべては、神の栄光のために・・・。
元はと言えば、資本主義は、こういう人たちによって引っ張られてきた。結果として、地球の文明は大きく発展した。資本主義社会には確かに欠点もあるけど、それ以前の古い社会と比べたら、いろんな面で大きく前進したのは確か。少なくとも、「悪魔が人類を奴隷支配すべく、巧妙に考え出したシステム」なんてことはない(笑)。
もっとも、日本や欧州では、だいぶ前から、そういう資本主義的な経済成長が事実上ストップしている。どうやら、地球人類の社会は、次のステップに進むときが来ているようだ。
それにしても、「資本主義の崩壊」という言葉の響きは、なんとも古めかしい。
この言葉を聞くと、学生時代のマルクス経済学の講義を思い出す。ちょうど、ソ連や東欧の社会主義国がバタバタ倒れて、マルクス主義者にすっかり元気がなくなった頃のこと。
当時は、「資本主義が高度に発展するにつれて、利潤率は傾向的に低下する。その結果、資本主義は行き詰まって崩壊する」というマルクスの理論を巡っての議論が、まだ続いてた。もう、すでにだいぶ下火になっていたとはいうものの・・・。
夕日が射し込む古びた教室の窓際で聞いた、昔なつかしいマル経の「資本主義の崩壊」理論。「また、古いモノを持ち出してきたな・・・」という感じ。長年、マルクス主義を信じ込んできた人たちが諦めきれないのは分かるけど、そろそろ、新しい酒は新しい皮袋に盛らなければ・・・(笑)。
最新の画像[もっと見る]
- あるがままに ~ ラマナ・マハルシ 8年前
- 量子力学 その5 ~ 電子雲 9年前
- 量子力学 その5 ~ 電子雲 9年前
- 量子力学 その3 ~ 観測問題 9年前
- 量子力学 その3 ~ 観測問題 9年前
- 量子力学 その2 二重スリット実験 9年前
- 量子力学 その2 二重スリット実験 9年前
- プラトンの洞窟 ~ ギリシャ哲学 その3 10年前
- 三島由紀夫 ~ 典型的なET人格の例 10年前
- シリウス人 10年前
資本主義の崩壊、即、自給自足の田舎生活を好しとするスピ系の人が多いですが、それはひとつの選択であって、縦社会から横社会への移行の象徴に過ぎません。
人には必ず、何かひとつ才能は与えられています。それを生きると宇宙は必要なものは与えられる、とは本当です。
必要な情報や人、資金はちゃんと与えられますよ。宇宙人らしく、ノビノビと地球で遊びましょう。
それにしても、最近ここは、大学の講義みたいです。「コンサル星人のこっくり亭、白熱教室」状態。(笑)
それはすばらしい!!
>資本主義の崩壊、即、自給自足の田舎生活を好しとするスピ系の人が多いですが
「玄のリモ農園」がその典型でしょうね。でも、都会の人が作った工業製品を買って、便利な暮らしをしてるようでは・・・(以下略)
>必要な情報や人、資金はちゃんと与えられますよ。宇宙人らしく、ノビノビと地球で遊びましょう。
確かに。リアルで難しい状況に直面すると、すぐ文面がシリアスになり、状況を乗り越えるとマッタリになるのが、本ブログの特徴(笑)。本当は、もっとノビノビと地球観察したいところですな・・・。
>それにしても、最近ここは、大学の講義みたいです。「コンサル星人のこっくり亭、白熱教室」状態。(笑)
まあ、携帯で思いつくままにメール投稿すると、たいていそういう文章になるので、後でPCに向かって書き直すのが通常です。今回も、少し書き直しました。少しだけど(笑)。
ロックフェラー氏も慈善事業に多額の金額を寄付したりしているので、その分類に入るのではないかと思います。
ロックフェラーやロスチャイルド等、世界の大富豪を闇のなんたらで戦争や革命、独裁者をけしかけている等の出鱈目な話を日本で広めている、船井周辺のグループ。
彼らと言えば、日本が財政破綻するだの、資本主義が崩壊して世界恐慌になるだの、第3次世界大戦が起こるだの、もういい加減にしてくれって感じの嘘出鱈目のオンパレード。
よほど、日本や世界が破綻して欲しいんですね。ハァ~(ため息)。
確かに、そういう雰囲気を持った人たちですね。やっぱり、アメリカにはそういう伝統が脈々と流れているのは事実。まあ、強欲化してる人の方が多いけど・・・(笑)。
>彼らと言えば、日本が財政破綻するだの、資本主義が崩壊して世界恐慌になるだの、第3次世界大戦が起こるだの、もういい加減にしてくれって感じの嘘出鱈目のオンパレード。
ホント、恐慌だの革命だの戦争だの、気楽に言ってほしくないものです。どれだけ悲惨なことになるか、わかってるのかねえ?