精神世界関係者の口からは、「お金は悪魔の発明」という言葉が、よく聞かれる。そこまで言われるからには、もちろん、それだけの理由がある。
ただし、最初にアタマに入れておくべきなのは、現代の精神世界・スピリチュアルは、その他のいろんな分野と同じく、世界の最先進国・アメリカを中心にして動いている・・・ということ。「ポジティブ・シンキング」が流行しているのは、その最たる例で、これはもともと、アメリカ人の文化と言っていい。
この「お金は悪魔の発明だ」という話もまた、出どころはアメリカにある。ここには、アメリカ特有の事情が、かなり影響している。
というのも、アメリカという国は、歴史が新しい。日本でいえば「江戸時代」くらいの頃に、ヨーロッパから移住してきた人たちが作った国だ。日本みたいに、いつから存在したのか判然としないほど古い国とは、成り立ちがまったく違う。
日本でも、「708年に、日本最古のお金が作られました」とか、小学校の歴史の教科書にも書いてある。でも、縄文時代の原始人だって、アチコチで商売をしていたのは確かだ。それも計算に入れたら、この日本でお金がいつから使われ始めたのかは、誰にも分からない。
でも、アメリカの場合は、「ドル」というお金を、誰がどのようにして「発明」したのか。その成り立ちがよく分かっているところに特徴がある。
早い話が、その「ドル」というお金が作られたイキサツが、ちょっと不透明というかなんというか、どうにも疑念を持たれるところなのだ。
なんたって、「命の次に大切」とも、「いや、命よりも大切だ」とも言われる、お金のことだ。お金を作って持っていけば、なんでも買える。ジャンジャン刷れば、いくらでも買える。その、お金を印刷している人たちに対して、関心が集まるのも当然か。
日本の場合は、「日本銀行」が、円を発行している。上にも書いたように、日本は、いつからあるのか判然としないほど古い国で、誰もが、日本という国家が存在するのを自然だと思っている。その日本という国家の銀行である日本銀行に、疑念を持つ向きは少ない。
でも、アメリカに、「アメリカ銀行」というのは存在しない。
その代わりに何があるのかというと、連邦準備制度理事会(FRB)という、名前を聞いただけでは、何をやってるんだか、よく分からないような組織だ。そこが、世界の基軸通貨たる、ドルを発行している。
もともと、アメリカの歴史は、イギリスからの移民が集まって、イギリスの植民地として始まった。東部の植民地・・・ニューヨークとか、ボストンとかがあるあたりの、北東の海岸部がその中心だった。そこでは、イギリスのお金・ポンドが、そのまま使われていた。
でも、その使われ方は、地域によってバラバラだった。日本に例えれば、「大阪と京都では、お金の価値が違う」っていうくらい、バラバラだった。ましてや、大阪と東京では、まるきり異なる。だから、とても不便。
18世紀の後半、独立戦争を経てイギリスから独立したアメリカ。かの有名なハミルトン財務長官がまず目指したのは、通貨を統一することだった。
このハミルトンという人は、ワシントンとか、ジェファーソンとか、ベンジャミン・フランクリンなどと比べて、日本での知名度はちょっとマイナーだけど、そういう人たちと並ぶアメリカ建国の父で、ものすごい大物の一人。アメリカ合衆国憲法を作ったのもハミルトンだと言われているし、アメリカ建国時の外交も仕切っていたとされる。
そんなハミルトン財務長官は、アメリカ合衆国銀行を設立して、統一通貨の「ドル」を発行することにした。
つまり、アメリカでは、そもそも「ドルを作ったのは誰なのか?」ということがハッキリしている。それは、建国の父・ハミルトン財務長官。
それで、ここがなんともアメリカらしいところなのだが、当初から「民間活力」を導入した。
なんと、出身金の8割を、民間の金融資本が出したのだ。アメリカだけじゃ足りなくて、ヨーロッパの銀行も出資した。
要するに、銀行がお金を発行して、それを世の中にバラまいているようなものだった。だから、「なんで、お前らが、お金を独り占めしてるの?」というような反感が噴出することとなった。
特に、南部では反感が大きかった。というのも、こういう民間の金融資本というのは、ほとんどが北部の連中だったからだ。
アメリカは広い。北部と南部じゃ、気候風土もまるきり違うし、移民の人たちの出身地とか、いろんな面で大きく異なる。ほとんど、別の国と言っていい。そんな南部の人たちが、「北部はケシカラン。なんで、お前らがお金を独り占めしてるの?」と怒り出した。
南部出身のジャクソン大統領は、「アメリカ合衆国銀行」を閉鎖してしまった。まあ、ヨーロッパに例えれば、ギリシャやスペインといった南欧の国々が、「ドイツは、われわれの経済を支配してケシカラン」と怒り、統一通貨ユーロを潰すようなものだろう。
それから、しばらくの間、アメリカには「中央銀行」が存在しなかった。
この事実が、アメリカ人の心理に、大きな影響を及ぼしていると言われる。
つまり、日本では、「日本銀行が日本円を発行すること」が、当たり前と思われている。でも、アメリカでは、「FRBが米ドルを発行すること」を、当たり前と思ってない人が、決して少なくない。その根拠は、「ジャクソン大統領がアメリカ合衆国銀行を閉鎖した後、しばらくの間は中央銀行がなかったが、別に問題はなかったじゃないか」というところにある。
今でも「FRB不要論」が根強く残っている背景が、ここにある・・・。
19世紀の後半、日本では坂本竜馬や高杉晋作たちが大暴れしていた幕末・維新の頃、地球の裏側のアメリカでも、大モメにモメていた。なんと、アメリカが北部と南部に分かれて、南北戦争が始まったのだ。
でも、戦争するには、お金が要る。北部のリンカーン大統領は、ジャンジャンお金を発行して、南部との戦争に勝利した。中央銀行ではなく、政府がお金を発行する、「政府紙幣」というやつだ。日本で言えば、自民党や安倍首相が、円の紙幣を刷りまくって戦費に当てるようなもの。
こんなことが許されるなら、なんでもできて、万能の政府だ。リンカーンが暗殺されたのも、これに怒った人たちのシワザだったのではないか・・・と、根強くささやかれている。
その後、20世紀に入って、連邦準備制度理事会(FRB)が創設された。
モルガン財閥、ロックフェラー財閥といった、世界陰謀論ではオナジミの面々が集まって、「そろそろ、アメリカでも、こんなの作ってみませんか?」と政府に申し出た。ウィルソン大統領は、それを承認した。
日本政府が出資する日本銀行とは異なり、FRBは、モルガンやロックフェラーたちが出資して創設された。
ここが、上に書いた、「アメリカ特有の事情」ってところ。
つまり、アメリカでは、お金を発行する機関を、そういう世界陰謀論でオナジミの面々がお金を出し合って、作ってしまったのだ。
おカネなだけに、発行しさえすれば、なんでも買える。人を雇って、どんなことでもできる。おカネが足りなくなったら、紙幣を印刷すればいいだけだ。
だから、「アイツらは、地球を支配する悪魔だ、レプティリアンだ」という人たちが、FRBやドルを敵視するのは、当然といえば当然なのである。
(つづく)
原子力なんかも悪魔の発明だろうね。
一方でお金も便利な道具だけどね。
この収支のコントロールで一生を費やす。
私、ぜんぜん違う話を想像してました。(苦笑)
私が思ってたのは・・・
物質的(3.5次元)世界における人間の「欲」と2極がもたらす状態?との関係のことかと。。。
…その…、…便利な道具だったはずのお金は、この世界への人間の同化があまりに強いために、逆に落とし穴になってしまった、というような話かと。(笑)
いやぁ、私の早トチリでした。(滝汗)
それでも! 勉強になりました、ハイ。
ああ、それがいいな。この続きは、そういう話にしたいです(笑)。
やっぱり、無理でした。
「この世界への人間の同化があまりに強いために、逆に落とし穴になってしまった」というのは、なんとなく分かるんだけど、それについて書けるほど消化できてないテーマ。
しばらく時間をおいて、再挑戦してみます・・・。
FRBや各国の中央銀行も同様です。
http://www.boj.or.jp/about/outline/
http://www.boj.or.jp/about/link/cb.htm/
FRBや各国の中央銀行も同様です。
そう言うなら、「国家機関」という言葉を削除して、「国家の銀行」と改めます。
以下同文。
大丈夫ですか?
「日銀の概要」の文章は、ご覧になられましたか?
http://www.boj.or.jp/about/outline/
日本銀行は、日本国家の銀行ではありません。
事実を正確に認識しましょう。
「国家の銀行」なのは事実ですよ。
「政府機関ではない」というのは、財務省のような役所ではないという意味。
夜中まで、センス無いツッコミ、ご苦労さん(笑)
どこでそのことを確認できますか?
日銀法とは日本銀行と言う公的機関を装った
「認可法人」の法律に過ぎません。
それがどうして日本国家の公的な業務になるのですか?
私は事実を伝えたいだけです。
反論したい気持ちはわからなくもないですが
発言が迂闊過ぎませんか?
よく調べて下さい。
55%ってことは、それ以外の出資も45%あるわけだけど、それは「日銀の独立性」を演出するために民間からの出資も募っただけであって、事実上はまさしく「国家の銀行」であるというのが、衆目の一致するところ。
ここで日銀を「国家の銀行」と呼ぶのは、ロックフェラーやモルガンたちの出資によって設立された、アメリカのFRBとの対比がポイントなんでして。
ここで問題にしているのが、出資者と設立経緯、ひいては、それに対する国民感情だということは、前後の文脈を見れば分かるはず。
つまり、日本国民にとって、日本銀行は国家の銀行として受け入れられており、そこが日本円を発行するのは、当たり前と思われている。それに対して、アメリカ国民には、FRBが米ドルを発行することを、当たり前と思ってない人が少なくない。
さらに言えば、「アメリカ人のスピリチュアリストは、お金を発行しているのは一部勢力の陰謀だとよく言うけど、それは、このようなアメリカ特有の事情によるものが大きい。だから、その点を割り引いて聞くべきだ」というのが、この記事の主旨です。