宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

なぜ、「お金は悪魔の発明」と言われるのか

2014年06月01日 | お金が要らない世界
   
精神世界関係者の口からは、「お金は悪魔の発明」という言葉が、よく聞かれる。そこまで言われるからには、もちろん、それだけの理由がある。
 
ただし、最初にアタマに入れておくべきなのは、現代の精神世界・スピリチュアルは、その他のいろんな分野と同じく、世界の最先進国・アメリカを中心にして動いている・・・ということ。「ポジティブ・シンキング」が流行しているのは、その最たる例で、これはもともと、アメリカ人の文化と言っていい。
  
この「お金は悪魔の発明だ」という話もまた、出どころはアメリカにある。ここには、アメリカ特有の事情が、かなり影響している。
   
というのも、アメリカという国は、歴史が新しい。日本でいえば「江戸時代」くらいの頃に、ヨーロッパから移住してきた人たちが作った国だ。日本みたいに、いつから存在したのか判然としないほど古い国とは、成り立ちがまったく違う。

日本でも、「708年に、日本最古のお金が作られました」とか、小学校の歴史の教科書にも書いてある。でも、縄文時代の原始人だって、アチコチで商売をしていたのは確かだ。それも計算に入れたら、この日本でお金がいつから使われ始めたのかは、誰にも分からない。
   
でも、アメリカの場合は、「ドル」というお金を、誰がどのようにして「発明」したのか。その成り立ちがよく分かっているところに特徴がある。

早い話が、その「ドル」というお金が作られたイキサツが、ちょっと不透明というかなんというか、どうにも疑念を持たれるところなのだ。

なんたって、「命の次に大切」とも、「いや、命よりも大切だ」とも言われる、お金のことだ。お金を作って持っていけば、なんでも買える。ジャンジャン刷れば、いくらでも買える。その、お金を印刷している人たちに対して、関心が集まるのも当然か。

日本の場合は、「日本銀行」が、円を発行している。上にも書いたように、日本は、いつからあるのか判然としないほど古い国で、誰もが、日本という国家が存在するのを自然だと思っている。その日本という国家の銀行である日本銀行に、疑念を持つ向きは少ない。

でも、アメリカに、「アメリカ銀行」というのは存在しない。

その代わりに何があるのかというと、連邦準備制度理事会(FRB)という、名前を聞いただけでは、何をやってるんだか、よく分からないような組織だ。そこが、世界の基軸通貨たる、ドルを発行している。
 
もともと、アメリカの歴史は、イギリスからの移民が集まって、イギリスの植民地として始まった。東部の植民地・・・ニューヨークとか、ボストンとかがあるあたりの、北東の海岸部がその中心だった。そこでは、イギリスのお金・ポンドが、そのまま使われていた。

でも、その使われ方は、地域によってバラバラだった。日本に例えれば、「大阪と京都では、お金の価値が違う」っていうくらい、バラバラだった。ましてや、大阪と東京では、まるきり異なる。だから、とても不便。

18世紀の後半、独立戦争を経てイギリスから独立したアメリカ。かの有名なハミルトン財務長官がまず目指したのは、通貨を統一することだった。

このハミルトンという人は、ワシントンとか、ジェファーソンとか、ベンジャミン・フランクリンなどと比べて、日本での知名度はちょっとマイナーだけど、そういう人たちと並ぶアメリカ建国の父で、ものすごい大物の一人。アメリカ合衆国憲法を作ったのもハミルトンだと言われているし、アメリカ建国時の外交も仕切っていたとされる。
 
そんなハミルトン財務長官は、アメリカ合衆国銀行を設立して、統一通貨の「ドル」を発行することにした。

つまり、アメリカでは、そもそも「ドルを作ったのは誰なのか?」ということがハッキリしている。それは、建国の父・ハミルトン財務長官。

それで、ここがなんともアメリカらしいところなのだが、当初から「民間活力」を導入した。

なんと、出身金の8割を、民間の金融資本が出したのだ。アメリカだけじゃ足りなくて、ヨーロッパの銀行も出資した。

要するに、銀行がお金を発行して、それを世の中にバラまいているようなものだった。だから、「なんで、お前らが、お金を独り占めしてるの?」というような反感が噴出することとなった。

特に、南部では反感が大きかった。というのも、こういう民間の金融資本というのは、ほとんどが北部の連中だったからだ。

アメリカは広い。北部と南部じゃ、気候風土もまるきり違うし、移民の人たちの出身地とか、いろんな面で大きく異なる。ほとんど、別の国と言っていい。そんな南部の人たちが、「北部はケシカラン。なんで、お前らがお金を独り占めしてるの?」と怒り出した。
  
南部出身のジャクソン大統領は、「アメリカ合衆国銀行」を閉鎖してしまった。まあ、ヨーロッパに例えれば、ギリシャやスペインといった南欧の国々が、「ドイツは、われわれの経済を支配してケシカラン」と怒り、統一通貨ユーロを潰すようなものだろう。

それから、しばらくの間、アメリカには「中央銀行」が存在しなかった。

この事実が、アメリカ人の心理に、大きな影響を及ぼしていると言われる。

つまり、日本では、「日本銀行が日本円を発行すること」が、当たり前と思われている。でも、アメリカでは、「FRBが米ドルを発行すること」を、当たり前と思ってない人が、決して少なくない。その根拠は、「ジャクソン大統領がアメリカ合衆国銀行を閉鎖した後、しばらくの間は中央銀行がなかったが、別に問題はなかったじゃないか」というところにある。

今でも「FRB不要論」が根強く残っている背景が、ここにある・・・。

19世紀の後半、日本では坂本竜馬や高杉晋作たちが大暴れしていた幕末・維新の頃、地球の裏側のアメリカでも、大モメにモメていた。なんと、アメリカが北部と南部に分かれて、南北戦争が始まったのだ。

でも、戦争するには、お金が要る。北部のリンカーン大統領は、ジャンジャンお金を発行して、南部との戦争に勝利した。中央銀行ではなく、政府がお金を発行する、「政府紙幣」というやつだ。日本で言えば、自民党や安倍首相が、円の紙幣を刷りまくって戦費に当てるようなもの。

こんなことが許されるなら、なんでもできて、万能の政府だ。リンカーンが暗殺されたのも、これに怒った人たちのシワザだったのではないか・・・と、根強くささやかれている。

その後、20世紀に入って、連邦準備制度理事会(FRB)が創設された。

モルガン財閥、ロックフェラー財閥といった、世界陰謀論ではオナジミの面々が集まって、「そろそろ、アメリカでも、こんなの作ってみませんか?」と政府に申し出た。ウィルソン大統領は、それを承認した。

日本政府が出資する日本銀行とは異なり、FRBは、モルガンやロックフェラーたちが出資して創設された。

ここが、上に書いた、「アメリカ特有の事情」ってところ。

つまり、アメリカでは、お金を発行する機関を、そういう世界陰謀論でオナジミの面々がお金を出し合って、作ってしまったのだ。

おカネなだけに、発行しさえすれば、なんでも買える。人を雇って、どんなことでもできる。おカネが足りなくなったら、紙幣を印刷すればいいだけだ。
 
だから、「アイツらは、地球を支配する悪魔だ、レプティリアンだ」という人たちが、FRBやドルを敵視するのは、当然といえば当然なのである。
 
 
(つづく)
 

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13 コメント

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Unknown (ヨシキリ)
2014-06-01 18:47:11
よく繰り返される話ですね。

原子力なんかも悪魔の発明だろうね。

一方でお金も便利な道具だけどね。

この収支のコントロールで一生を費やす。

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そ、そっちの話…だったのね。 (青い猿)
2014-06-01 23:24:07
「お金は悪魔の発明」の記事を拝読して、思わずそうつぶやいてしまいました。(汗)
私、ぜんぜん違う話を想像してました。(苦笑)

私が思ってたのは・・・
物質的(3.5次元)世界における人間の「欲」と2極がもたらす状態?との関係のことかと。。。
…その…、…便利な道具だったはずのお金は、この世界への人間の同化があまりに強いために、逆に落とし穴になってしまった、というような話かと。(笑)

いやぁ、私の早トチリでした。(滝汗)

それでも! 勉強になりました、ハイ。
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Unknown (こっくり)
2014-06-02 01:38:52
>便利な道具だったはずのお金は、この世界への人間の同化があまりに強いために、逆に落とし穴になってしまった、というような話かと。(笑)


ああ、それがいいな。この続きは、そういう話にしたいです(笑)。
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Unknown (こっくり)
2014-06-05 07:17:49
>この続きは、そういう話にしたいです

やっぱり、無理でした。

「この世界への人間の同化があまりに強いために、逆に落とし穴になってしまった」というのは、なんとなく分かるんだけど、それについて書けるほど消化できてないテーマ。

しばらく時間をおいて、再挑戦してみます・・・。
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Unknown (こっくりさんへ)
2014-06-06 20:50:23
日本銀行は、国家機関ではありませんよ。
FRBや各国の中央銀行も同様です。
http://www.boj.or.jp/about/outline/
http://www.boj.or.jp/about/link/cb.htm/
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Unknown (こっくり)
2014-06-06 22:23:57
>日本銀行は、国家機関ではありませんよ。
FRBや各国の中央銀行も同様です。

そう言うなら、「国家機関」という言葉を削除して、「国家の銀行」と改めます。

以下同文。
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Unknown (こっくりさんへ)
2014-06-07 23:20:21
え??????????

大丈夫ですか?

「日銀の概要」の文章は、ご覧になられましたか?
http://www.boj.or.jp/about/outline/

日本銀行は、日本国家の銀行ではありません。

事実を正確に認識しましょう。
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Unknown (こっくり)
2014-06-08 02:36:18
日本銀行は、政府が過半を出資する、日本政府の子会社。しかも、日銀法に基づいて公的な業務を行っている。

「国家の銀行」なのは事実ですよ。

「政府機関ではない」というのは、財務省のような役所ではないという意味。

夜中まで、センス無いツッコミ、ご苦労さん(笑)
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Unknown (こっくりさんへ)
2014-06-08 03:35:57
日本銀行が日本政府の子会社?
どこでそのことを確認できますか?

日銀法とは日本銀行と言う公的機関を装った
「認可法人」の法律に過ぎません。
それがどうして日本国家の公的な業務になるのですか?

私は事実を伝えたいだけです。
反論したい気持ちはわからなくもないですが
発言が迂闊過ぎませんか?
よく調べて下さい。
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Unknown (こっくり)
2014-06-08 08:22:31
日銀は、政府の出資比率が55%と定められており、普通に見れば、日本政府の子会社です。

55%ってことは、それ以外の出資も45%あるわけだけど、それは「日銀の独立性」を演出するために民間からの出資も募っただけであって、事実上はまさしく「国家の銀行」であるというのが、衆目の一致するところ。

ここで日銀を「国家の銀行」と呼ぶのは、ロックフェラーやモルガンたちの出資によって設立された、アメリカのFRBとの対比がポイントなんでして。

ここで問題にしているのが、出資者と設立経緯、ひいては、それに対する国民感情だということは、前後の文脈を見れば分かるはず。

つまり、日本国民にとって、日本銀行は国家の銀行として受け入れられており、そこが日本円を発行するのは、当たり前と思われている。それに対して、アメリカ国民には、FRBが米ドルを発行することを、当たり前と思ってない人が少なくない。

さらに言えば、「アメリカ人のスピリチュアリストは、お金を発行しているのは一部勢力の陰謀だとよく言うけど、それは、このようなアメリカ特有の事情によるものが大きい。だから、その点を割り引いて聞くべきだ」というのが、この記事の主旨です。
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