ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

ラストステージへの花束 終わり

2015年08月15日 | えっせー
 ☆ 60年間妻として絶えず意識したこと
 そして今、私達の結婚60周年の記念日、私の誕生日の11月に先駆け
て、少し早い10月下旬に、夫と二人でハワイへ行くことにした。
 7月初めにすべてその手続きは終わったが、夫は5回目、私は9回目の
ハワイ行きだが、個人旅行で二人だけで行くのは初めてだ。
 何とも頼りない私が認知症の夫を同伴するのは、それなりの覚悟がいる
かも知れない。ホテルは10年前金婚式をやったオアフ島シーサイドにある
「シェラトン・ワイキキ」。ある旅行社の「クラス1」で依頼したので、オー
シャンフロントの部屋も、飛行機の座席の位置もすべて確保できた。
 ※1982年初めてフラダンスのレッスンに行ったハワイ
 
 世界的にみても、金婚式をできるカップルは30%足らず、ましてダイア
モンド婚に至っては、そのデーターはないそうだ。
 一番弟子のT子さんが、こんなステキなメールをくれた。
「そんな運命の人に出会え一生添い遂げるなんて、結婚したカップルの中
でもごくまれな選ばれた方だと思います。これからも末長くお幸せに!」
確かに私達は、とても幸せなカップルなのだ。
 
 思い出せば知り合った当時二人とも、もしかしたら結婚するかもしれない
交際相手がいた。不思議なことに慎重な夫なのに、私と知りあった翌日に
その交際相手に別離を告げたそうだ。これから一体どんな展開になるか
まったく分からないのに…しかし私はそう簡単にはいかず、そのためその
頃恋人だった夫をさんざん悩ましたようだ。
 いろいろあったが、結局結婚できたのは、もしかしたら私達は「赤い糸」
で結ばれていたのかも知れない。 
 
 その恵まれた「ダイアモンド婚」の二人で、10年後同じ場所で記念撮影
したかったが、思い出のバルコニーは、今ではチャペルになっていて、残念
ながらそこでは撮れない。いずれにしても、だんだん体力がなくなる私達が
二人だけで海外へ行けるのは、多分ラストチャンスだろう。
   ややネガティブ=超ポジティブ。
   プロデューサー思考=プレーヤー思考。
   コンサーバティブ =プログレッシブ
 
 まるで相反する私達だが、考え方や価値観はかなり似ているので、相性が
良いのか、今まで争ったことは全くと言ってよいほどない。
(私が素直という説もあるが)想定外に家庭的だった私に、もしかしたら
夫は嬉しかったのかも知れない。それなのにそんなホンネは、まったくおくび
にも出さなかった。でも、15年目の結婚記念日に「絶対に悪妻になると
思った、でもこんな良い女房になるとは思わなかったよ」と、初めて
言った。それはもしかしたら、長年の餌ずけ(ナイショ)が良かったの
ではないかと思っている。何時も保護者のような夫に、私は絶えず意識
したのは、たとえどんな場面でも「夫のプライドを満足させる妻でいたい」
と心がけたことも、きっと役立ったのだろう。

 彼は決してやさしい方ではなく、感謝や労いの言葉はあまりなかったが
子ども達も呆れるほど、何故か私には限りなく甘かった。
 私好みのインテリではなかった。でも、いつも穏やかで、家庭的、誠実
で心から尊敬できたので、子供達にバカにされていたほど、ヤンチャで我儘で
幼児性の強い私だったが、長年連れ添えたのだと思っている。
 自由に行動している私を見て、友人達は夫を「ちょっと神様」と言って
からかったほどで、妻としてはとても感謝しきれないほどだ。
 もしも夫のおおらかさと、サポートがなかったら、現在の小池能里子は
存在していない。最後のリッチなハワイ旅行は、決してカーテンコールは
ないが、10年間がんばった自分自身への、感謝の気持ちをこめた
 「ラスト・ステージの幕引き」の、プレゼントの花束でもある。
 

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