ビビッド能里子トーク・サロン

心身両面の指導者として感じたこと

世界心理治療学会で発表 小池能里子からのアドバイス

2009年01月26日 | アドバイス
  ☆ 罪悪感との付き合い方
 これは大分以前の指導例ですが、子供時代の自分の行動に大変罪悪感
を持って悩んだ末に、訪れてきた実例をご紹介しましょう。
 彼は39歳の公務員ですが、小学校の3年生のときに、他のクラスにいた
少し知能程度が低い同級生の女児を、クラスメートの男子三人で近くの物置
小屋に連れ込んで、一度だけですが性的な悪戯をしたそうです。
 ところがスッカリ忘れていた子供時代の大昔のことを、自分が女の子の
父親になってから、そのことが時々脳裏に浮かび、「悪いことをしてしまった」
と、罪悪感に苛まされるようになりました。
 そして、そのときの恐怖感に満ちた女児の顔が、今でも夢に出てくるのだ
そうです。彼は大変真面目で責任感の強い、いわゆる心のきれいな人でし
たが、自分が父親になってから、心の奥底に押しこめていた記憶が浮か上がって
きたのでしょう。人の心はとても不思議なものですね。
 わたしは彼にこうアドバイスをしました。
「どんな人でも、人に言えないような秘密は二つや三つあるのがふつうです。
そんな大昔のことをいくら悔やんでも、タイムスリップして修復することが
できる訳ではないし、どうすることもできません。
だから過去のことは忘れると、割り切ってはいかがでしょう。でももしも
それができないとしたら……時間もお金もかかりますが、思い切って故郷へ
帰って、その女性のその後の消息や、現在の生活を確認してみるのも良いかも
しれません。そんな行動をとることで、あなたを悩ましている罪悪感がもしか
したら払拭できるかも知れませんよ」と。
 すると彼は早速時間をやりくりし、実行しました。その結果はその女性は
以前と同じ住所で、近くの工場で元気で働いていてたことが分かりました。
 彼は人知れずその女性を遠くから確認し、今まで胸につかえていた罪悪感が
すっかり無くなったのだそうです。そして、その女性は今でも愛らしい小学生
時代とあまり変わらなかったと報告してくれました。
  
 ☆ もしもあなたがそんな心のクセがあったとしたら
 子供時代のことに、これほど罪悪感を持つのはレアケースですが、内罰的
(何か問題が起きると、すべて自分が悪かったと思ってしまう)な対応をする人
また、お人好しで優しい人の方に多いのが、自分の過去の言動に罪悪感を持つ
ことです。たとえば、過去に別れた恋人が、その後不幸せになると、「それは
自分に責任があるのではないか」とか、00を頼まれたけど、都合が悪かった
ので断ったが、そのため相手の人は困っているのではないか?
あのとき悪気なく言った言葉で、傷ついているのではないだろうか?
いつも「やっぱり自分が悪かった」「もっと親切にすれば良かった」など
 過去の自分がした行動に、必要以上に罪悪感を持つようです。
自分では決して悪くはないのに、「些細な出来事で罪悪感を持つ、心のクセ」
の持ち主は、その時の状況を紙に書き出して、詳しく分析すると、「やはりあの
場合は、00できないのは仕方がなかった」「これは自分が悪い訳ではない」
と割り切ることができるでしょう。いずれにしても、罪悪感はいつでも
気持ちを暗くして、何のメリットがないことを知り、また精神衛生上大変に
悪いので心の負担を軽くするよう工夫しましょう。


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