引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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函館にて。お寿司をつまみながら

2015年08月18日 | ときどき日記

 

行きたかったお寿司屋が

定休日だったため、

あてもなく、

電車で五稜郭へ。

降車して、さて、と

ふと右上のビルを見上げたら

お寿司屋のような看板が見えます。

ガラス越しにお店をのぞいたら

店主らしき人と眼が合いました。

これもご縁、入りましょ。

お祭りなので座敷はワイワイ

混み合ってるようだけど、

カウンターはわたし1人。

突き出し

お造りのあと

 

店主から

「出張ですか?」

「いえ、ちょっと南茅部へ」

「南茅部ですか???

親戚がおありとか?」

「いえ、昆布漁を見に」

「レンタカーで?」

「いえ」

「宿はどこで?」

「鹿部の鹿の湯さんです」

「ぼく、釣りが趣味なんで南茅部は

よく行きますけど、

鹿部から南茅部って遠いし、

ものすごく不便なところです。

鹿部からどうやって動かれたんですか」

「運転できないから、3日間、1日2回

バスで通ったんですよ。

でも自分のペースで動けて

その方がよかったです」

「びっくりです」

「いや、お会いした漁師さんは

好意的だったし、何より生の

昆布が見れてよかったです」

 

「握りますか」

わたしはいつも握りはイカから。

イカお願いします。

「次はイワシか鯵、いかがですか」

「イワシで」

 

先日の帆立加工の丸太水産さんの

テーブルに置いてあったイワシ漁の記事、

おいしそうでした。

というわけで

お寿司が食べたかったのです。

「次、まぐろ、いかがですか」

赤身をお願いします!!

えっ、あらっ?

ジツハ、チュートロ、オオトロ、ニガテ。

 

「赤身、中トロ、大トロです」。

僕、寿司職人だから

というのもありますが

マグロが好きでして、

ずっと、

一度でいいからマグロ漁船に乗って

マグロ漁と活きてるマグロを

見てみたかったんです。

で、

数年前

お客のマグロ漁船の漁師さんに

一度でいいから、邪魔しないからって

頼みこんで乗せて貰ったんです。

「船酔いは?」

僕、幸いな事に船酔いはしない

んです。

でも、話しには聞いてたけど、

ものすごい荒波で

船は揺れに揺れて、

マグロ漁は想像をはるかに超える

壮絶なものでした。

その日、100kg大のマグロが

8本も釣れて、もう壮観でした。

お前が乗ったから穫れた、

また乗れ、なんて言われたり

しました(笑)。

 

活きているマグロ、目も肌も、

もうなにもかもが美しくて

それを見れたことが、本当に

嬉しかったです。

マグロ船に素人が乗船するのは

たしかに大変です。

でも、何でもそうだけど

好きなものには、

大変はないんですよ。

 

活きてるマグロを見て

僕の場合、よりマグロ好きになったし、

マグロに対して真剣になりました。

 

わざわざ東京から

南茅部まで行かれたのも

やっぱり、好きなんですよ、

昆布のこと。

好きなことには「大変」はないです。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

話が前後しますが

今回、人との出会いで不思議なことが

たくさんありました。

最初は函館行きの機内。

昆布に関する文庫本を読んでいたら

隣の席の女性から

「どうして昆布の本なんか読んで

らっしゃるんですか?」

って話しかけられました。

「南茅部ってところに昆布漁を

見に行くんですよ」と答えたら

その方が、

「ええええーー、

鳥肌が立ってきました。

主人は、家を継がず、私達は関東で

暮らしてますが、

主人もわたしも代々昆布漁師の家

なんです」。

 

夏休み中のこの満席の飛行機で、

昆布漁を見に行く方と席が隣り合

わせになるなんて、

ほんと鳥肌ものです。

うちは、父はもう引退して、

いま弟達が継いでますが(養殖)、

わざわざ昆布を見に南茅部に

いらっしゃる方がいるなんてお話、

弟達が聞いたらすごく喜ぶと思います。

地味でたいへんな仕事ですから」

 

この方は男の子3人のお母さん。

「お2人共、昆布で育ち、

お子さん達も昆布で育ててらっしゃるん

ですよね?」

「そうです。

昆布、両方の家から届きますから

毎日お鍋にガンガン入れて

これでもか、っていうくらい

使ってます。

汁物でしょ、煮物でしょ、鍋物でしょ、

あ、麺類も。

よそのお宅は、昆布とかつかわないから

粉とか液体のだし、

うちは、お鍋は昆布で真っ黒、なの(笑)」

 

「昆布で子育て。食生活に不安感ないですね。

そしてお子さん、

しっかり食べるし落ち着いてませんか」

「そうなんですよ。元気ですし手がかからない」

昆布の旨味成分は、だしの中心のグルタミン酸。

ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富にふくまれ

ています。

食物繊維含有量も第8位。

さらにうれしいのは、アルカリ製品ってこと。

加工食品やお肉などで酸性に傾いたとしても、

弱アルカリ性に保ってくれるのです。

 

幸先の良い嬉しい出会いでした。

 

 

 

 

 

 

 

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