明日はクリスマスという日。
拙宅で、うるしの勉強会を催しました。
企画&主催は、
日本の食文化と伝統工芸を楽しむ会
「FEELJフイール・ジェイ」主宰・加藤千晶さん。
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うるしを塗った、塗りもの=漆器は、
いろいろありますが、今回のテーマは、
毎日の暮らしになくてはならない、
いちばん身近な「お椀」です。
?うるしのお話は、加藤さんの担当、
?だしとり・酒肴担当は、引頭です。
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FEELJの加藤千晶さんは、
うるしに惹かれ、時間をみつけては
石川県や岩手県など、漆の産地へ
赴き自主取材を重ねています。
会は、漆の木の植栽と樹液採取法
からスタート。
木地作り~下地作り~塗り~加飾
までの細かい作業の上での、
産地で集めた興味深いお話を、
ポイントをつかんでわかりやすく
紹介。
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テーブルの上の漆器は、加藤さんの
自前のもの。大ぶりの多様椀は、石川
県産の輪島塗り。
他は、岩手県二戸市浄法寺産の浄法
寺塗り。
汁物をよそうお碗は、両手のたなご
ころで包んでいただくもの。
「どうぞ、手に取ってみてください」と
加藤さん。
自分にとって手頃なものなのか、
触覚をたしかめるのも大切な
ことです。
青森の是川遺跡から出土した
椀は木のお碗.、後期縄文時代の
ものだそうです。
日本の食器文化はお碗文化と
昔からいわれていますが、
樹木の多い日本ならではですね。
とくに岩手、青森地方は、漆器の産地
の多いところですが、良材にも漆にも
恵まれていたのですね。
また、気候的にも忘れてならないのが、
日本特有の湿度。
塗りの工程では、塗り→研ぎ→乾燥
の工程を何度も繰り返しますが、
乾燥に必要なのは、湿度なのです。
さて、そのあとは、台所に移動し、
だしの取り方と、かんたんな酒肴の
つくり方をご紹介します。
お椀の蓋で、お味見。
下の写真の左から2番めの方が
加藤千晶さんです。
だしとりのあとは、
小吸い物椀に、生麩と針生姜の小吸物を。
大ぶりの多様椀。
お雑煮、めん類、お寿司、丼もの、
煮物・・・まさに多様につかえます。
白味噌汁のお雑煮。
平椀にあんかけ豆腐を盛リます。
お好きな器で、どうぞ。
<折敷を傷つけない器>
昔は、食器も膳も漆が中心であっ
たため、漆の折敷を傷つけないよう、
磁器は、糸底にまで釉薬をかけて
いたそうです。
下は、つぼつぼという楽焼の器。
高台がなく、底にも釉薬がかけて
ありますので、折敷を傷つけません。
おせち料理の盛り器といえば重箱。
重箱の盛り付けが苦手、という方
写真のような豆皿に料理を盛り、
重箱に入れてもすてきです。
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下は、溜塗りの多様皿に、
聖夜の主菓子と上用饅頭。
しまい方。
つかい終わったら(洗剤をつかわずに)
洗って、
乾かして、
また、時季をみて催しましょう。