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「最後のお預かり品、いまから
お届けします」
「いや、わたし行きます」
閉店宣言から1ヶ月余。
おかあちゃんは、骨皮筋ェ門だったのに、
ふっくら美人に変身。
「そんなにふっくらしてるの、初めて見たわ」
「閉店を決めてからは、ラクさせてもらってるから」
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「長男がさ『おかあさん、よくがんばったね』
って言ってくれた。舅姑に仕え、子育てして、
朝から晩遅くまで、店と家、走りながら生きて
きたの知ってるから」。
山形県出身。山形弁のセンセイでした。
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<村山GOMA>。
わたしは大の猫好き。
しかし仕事上、いまは飼えません。
というわけで、
千歳船橋に買い物に行った帰り道、ときどき
なでなでしてるのが村山家のGOMAちゃん。
12歳。
交通事故で後ろ足は片足。
3本足ですが元気です。
若いときはケンカが強く、けんか相手を3本足で
追いかけ、必死で戦う勇姿はかっこいいものでした。
年齢的にはすっかりおじさんになったGOMA
ですが、まだまだ毎日定位置(某家の門柱の上)で
敵を見張っており、
男らしい風格は、そのままです。
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<突撃家庭訪問>
経堂の北欧雑貨店「lihn-fa」の店主宅です。
美大卒後、24歳で開店、
昨春は、妊娠3ヶ月でチェコに仕入れに行き、
周囲を呆れさせたり、驚かせたりしました。
もちろん無事出産。
4月から、赤ちゃんは、
週3日ほど保育園に預けているそうですが、
実家に頼ることなく、仕事、子育てを淡々と
こなしています。
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「えらい!!!」と言ったら
「え?だって、
自分の力で生活できないって、
気持ち悪くないですか?」
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目元、口元を見てると、赤ちゃんなのに、
強い意志力というか「意地」を感じます。
この子は、きっと、
この足で、多くの国をまたぎ、
この手で、えらび、つかみ、創造することでしょう。
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<米寿のお祝い>
ここは、家から2分のところにあるレストランです。
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「今日は、父の88歳のバースデイなの。
ランチがてら、よかったら」と、ご近所のHさん。
たいへんな親孝行娘です。
お父上は、九州・大牟田ご出身。
炭坑節が大のお得意で、いつでもどこでも
乞われれば歌われる、とうかがっており、
もしかしたら聞かせていただけるかも、と参席
しました。
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ミラベルのケーキに、ろうそくが8本。
「じゃ、おとうさま、ふーーっをお願いしますね」
灯りを消して。
「はい、ふーーっ、お願いします」。
一度のふーーっで消えました。
「じゃ、カットしましょう」
米寿のお祝い。
週末は、親戚中が集まり、大パーテイが催された由。
ケーキを召し上がったあとは、また居眠り。
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「おとうさま、おとうさま、
こちらの引頭さん、炭坑節をお聴きに
なりたいそうです。いかがですか」
「・・きょうは、終了いたしました!」
「では、次回、お会いしたときに?」
「はい!」
力強い声量に、ますます期待が高まりました。
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近所に、同窓生(81歳)の谷口千代子さんが
お住まい。いつも姿を見かけると「先輩!(笑)」と
ご挨拶します。
先日も、バッタリ会い、
「先輩!」と声をかけたら、
腕に手を回し
「ほら、捕まえた!」
「ペンギンじゃないんですから」
「お時間おあり?
いいところに連れてってあげる」
「どこですか?時間ないですよ」」
「コーヒー屋さんなの」
「わたし、紅茶党です。コーヒー飲みませんから」
「いいからいいから。いこいこ」
「焙煎急行」というコーヒー屋さん。
オープンは、昨年9月だとか。
オーナーは、香川県高松市出身。
マニアックなコーヒー通なので、うんちくが面白く、
人気です。
「引頭さん、このコーヒー、意外と好みかも。
いま淹れるから、温度の変化を楽しんでみて」
「そんな暇ないない」
「そんなこと言わないで。いま、淹れるから。
まず、これ飲んでみて。
もう少し冷めたときがきっと好みだと思う。
温度で抽出される香りもちがうでしょ」
ここから、うんちくが始まります。
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丁寧にゆっくりと好みを聞き出し、豆を選び、ローストを
する姿勢は、「焙煎急行」という店名とは真逆の姿勢。
農薬、添加物不使用の豆を使うコーヒー店です。
土・日は、お客でいっぱいだとか。
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「荷物多いから、自転車乗っていきなさい」