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昨日と同じ献立の基本学級です。
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正式の精進料理のけんちん汁のだしは昆布で
すが、家庭でつくるけんちん汁のだしは、しっか
りしたコクのある煮干のだしがよく合います。
煮干の産地は全国にありますが、地方により海
の状況が違いますから、姿も違いますし、当然、
香り、うま味・・・味のくせも違います。
その土地土地の、鮮度の高い、よく乾いたものを
お選びください。
その土地でとれた野菜の煮物、味噌汁に無理なく
合います。
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今日つかうのは、千葉県沖産・寒干し煮干。
煮干は、しっかり出汁を取ろうと思ったら、頭とハ
ラワタをとり、昆布と合わせて一晩(約8~10時
間)水に浸けておき、だしをとります。30分でも
水に浸けておくとだしを取りやすくなります。
今回は、かんたんで、あっさりしただしの取り方で
す。
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煮干の頭とはらわたを除いて
昆布と共に鍋入れ
30分浸けておいてだしを取ります。
「おいしいです~~♪」
「あまい・・・・・・です」
「煮干の出しがら食べてみてください」
「まだ、味が残ってます」
「で、しょう?
もったいないから
あとで、だしがらとは思えない照り煮を作ります。
昨日は、炒り煮でしたが。今日は照り煮です」
さっき削った、かつお節もだし取りしましょうね。
さて、下は、油揚の水切り+冷まし方。
生姜の甘酢漬け。
時間が経つにつれて、紅味が
さし翌日は、桜色になります。
下の写真は、けんちん(建長)汁の材料です。
*けんちん汁は、鎌倉の禅宗の寺院・建長寺でうまれた精進料理。
ある日、修行僧が誤って豆腐を落としてしまいました。
それを見た和尚さんは、豆腐を拾い集め、汁の中に入れました。
落とした豆腐さえも、活かして使う、その教えがこのけんちん汁には
こめられています。
豆腐、今日はさいのめに切りましたが、本来は、前日の教室のように、
くずして使います。
けんちんは、建長がなまったもの。
ごま油で炒めます。
鶏の照り焼きは、4~5回くらい返しながら味を
からめていきます。
すし飯に、山椒の佃煮を加えています。
あ、生姜の甘酢漬けも。
このまま、どこかに行きたいですね。
持ち寄りパーテイのときもいいですよ。
重箱に盛り込みます。
重箱、昭和の家庭では、よく使っていました。
割れる心配なし、軽いから持ち運びに便利。
和・洋・華なにを盛っても決まる。
汚れがかんたんに落ち、実にエコ。
利点は枚挙の暇がありません。
ああ、もうひとつありました。
漆の重箱は、料理が腐敗しにくいのです。
お稲荷さんの鶏の照り焼きも盛り付け終了!
「はい、けんちん汁を火にかけましょう!」
「このまま、テーブルに置きましょう!」
「あ、いいかも!!」
「いい、いい、いいかも~~♪」
「なんか、あったかーーい」
「ほんと・・・」
ところで、
あれから煮干の出しがら、
どうなったかというと、
実は、ここにいるのです。
出汁がらとは思えない味、と思います。
うまみが残っているからこその一品です。