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引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

郡山ー会津若松①郡山篇=田島家の庭物語

2009年05月22日 | ラジオ収録日誌

毎年5月は、郡山と会津若松へ仕事で

でかけます。

.

さて、郡山駅に到着後は、

広告代理店・ライトエージェンシーへ。

一服してから、今年は、

田島成晃さんのご実家へ向かいます。

庭で山菜が採れると聞き、

興味津々なのです。

ご両親の趣味は山菜採り。

その趣味が高じて、山菜を自宅の庭や畑で

育てるようになったとのこと。

しかも、おかあさんは、

畑仕事も食べることにも熱心、

と聞いたからです。。

佐藤賢二さんと3人で向かいます。、

支社長と次長、真昼間から畑見学。

余裕の会社です。

.

どんなところなんだろう?

.

「はいー、到着!」

「えっ、ここ?・・・・・・・・・住宅地みたいだけど」

「そう、住宅街なんですよ」

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「かあちゃん、いるかな」と、田島さん。

あらら、

スタイル抜群、美しいかあちゃんです。

妻といってもおかしくありません。

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「もう少し早ければよかったのに・・・

ぜんまいも終ったし、

山菜、もう、そろそろお終いなんですよ、

でも、どうぞ、どうぞ」

庭に回ると、

あら、すてき。

つつじの前はぜんまい。

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もう、とうがたってますが、

はい、これがぜんまい。

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東北地方では、ぜんまいの1本漬け、とか

1本煮というのがあります。

包丁を使わない、姿を生かした料理法です。

このスッと伸びやかな姿をみると、

なるほどね、と納得。

「半分は干したの」とおかあさん。

干しぜんまい、つまり乾物のぜんまい、

乾物のぜんまいはね、

滋味にあふれ、ほんとうにおいしいのです。

.

たらの木。

てっぺんに、芽。

八百屋で見るのより成長してますけど、

まだ大丈夫です。

残しておいてくださったようです。

「はあ、・・・・こんなに高くなるんですか」

「もう、あれで最後です。いま、採ります」

「いえ、いえ、結構です、結構です」

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おかあさん、早い。

さっと、はしごをかけてスルスルのぼり

採ってくださいました。

身のこなしも若いです。

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2009年、田島家、最後のたらの芽です。

たらの芽ーーーてんぷらでいただきました。

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こごみーーー胡麻和えでいただきました。

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うど。ーーーてんぷらでいただきました。

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ふと縁側をみると、石がごろん。

漬物石です。

都会の子は、

こういうの見ないで育っています。

田舎で育った子(わたしです)は、

こういう昔ながらの道具に反応します。

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この石の大きさ見ただけで、そのお宅の

漬物量がわかります。

「重そうですねぇ」

「たくさん漬けるから。

梅は、毎年30kg漬けてるの。

あちこちで、待ってる人がいるのでね」。

30kg。

何日かに分けるにしても、大仕事です。

「らっきょうもあるし、

6~7月は忙しいですよね」

「そう。でも、漬けるの好きだし」と、にっこり。

.

「梅干し、見ますか?」

「もちろん!」

わたし、もう、台所におじゃましてます。

しその香りがたまりません。

「いい香りですね、しそは?」

「もちろん畑で」。

いいなあ、刈り採ってすぐ使えるのは。

八百屋のは、店頭に並ぶまで、少なくとも

3日は経過してますから、香りが死んでます。

梅干しには、

赤漬け、白漬けの2通りがありますが、

赤漬けのおいしさは、

たっぷり使うしそがポイント。

保存する場合も、

こんな風にしそをかぶせておくと

保存性が高くなります。

(写真は、しそを外してくださったもの)

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「もちろん、お味噌も、ですよね?」

「ええ、毎年」

倉庫に行くと、大きな大きな甕。

両親の祖母達を思い出しました。

小分けにしてある味噌。

「 これ、去年の」。

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「甘いいいかおりですね」。

「麹、多くしてるからね」

「わたしは、西の育ちなので

麹の多い、甘めの味噌で育ちました」。

「ほら、麹のつぶつぶ見えるでしょう?

麹菌買ってきてね、麹育ててね、つくるの」

やさしく目を細め、

「毛布をかけてね・・・」と

麹の育て方を話すおかあさん。

.

フラッシュをたいたので、

みその色が違います。

すみません!

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びわの木に、ちいさな実がたわわ。

「実がたくさんついてますね」

「20年前に、この子が入院して・・・、

病室で、この子が食べたびわの種、

持ち帰って植えてみたの。

なんか、記念にと思って。

そしたら、こんなに実がつくようになって」

.

この子・・・・・・・・・・田島さんです。

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「あれ、これは?」佐藤さん。

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畑のアスパラ。

わたしも初めてみました。

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右は、たまねぎ、左は、にんにく。

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田島さんの左の樹は、

熊本特産の文旦。

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これも、

お嬢さんが食べた種から育ったもの。

数年前、

「北限の文旦」として

福島民友新聞に 掲載されたそうです。

.

後ろのビニール・ハウスは、

昨日、組み立てたというお手製。

この夏のトマト用だそうです。

自分で育てたトマト、別物の味ですよね。

.

おいとましてから田島さんに

「しかし、どの作物も健康そうですね」

と言ったら、

「最初はなんにも植えてなかったんだ。

ほんとになんにもなかった。

かあちゃん、何年間か熱心に

土作りしてた記憶がある。

土が肝心と、堆肥だ、石灰だと混ぜ込んで

土作りに年月をかけてさ、

土ができてから

野菜植えはじまったんだ」。

.

佐藤さん、わたし「なるほど~~」

.

田島光子さん、ありがとうございました。

あれですね、

光子さんは、

郡山で育った季節の山菜や野菜を愛し、

その新鮮で滋味のあふれる材料の持ち味を

どう生かし、保存していくか、

それが自然に身に付いている方。

梅干しのほかにも、らっきょう、

高田梅の白酢漬けなど、他にもいろいろ

みせていただきました。

これからは、

郡山の家庭料理として、

ぜひ、伝え残していただきたいと思いました。

.

植えて、育てて、料理して・・・、

愛情あふれる、田島家の庭物語です。

.

おみそ、梅干し、高田梅、おいしくいただいてます。

ありがとうございました。

また、おじゃまさせてくださいね。

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社にもどって、

次は、 谷田川みゆきさんの車で

JA須賀川の「はたけんぼ」へ。

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大好きな場所です。

ここには、生産者自らが持ち込む地元野菜

の他、苗売り場があります。

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ここ「はたけんぼ」では、

たくさんのご親切に出会いました。

苗の見方をおしえていただいたり、

漬物名人(和田京子さん)の方に、

漬物を送っていただいたこともあります。

和田京子さん、お元気でしょうか?

その和田さんの、

4日間煮続けたいちじくの蜜煮も絶品でした。

その蜜煮のおいしさと言ったら・・・。

現在、能登の珠洲でパティシェをしている

二三味さんにおすそわけし、

パウンドケーキを作ってもらい、

また和田さんにお送りし、

喜んでいただいたこともありました。

豊かな県民性なのか、

わたしの出会った福島の人は、ほんとにやさしい。

そして、即、実行です。

「いつか」は、ありません。

.

夜、昨年と同じ干物の「一扇」へ。

佐藤賢二さん、田島成晃さん、

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料理は、長くなるので割愛。

いろいろいただきました。

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2009年5月、記念撮影です。

右は、 仙台支社から転勤の森彰一郎さん。

わたしの右は、昨年同様、

撮影後、またまた夜10時ごろ現れた

羽籐洋子ちゃんが参席。

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またまた遅くなりました。

明朝は、会津若松です。

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岩瀬牧場プラス

2008年05月18日 | ラジオ収録日誌

急ぐ人ばかりの東京駅から新幹線にのり、たった2時間で、岩瀬牧場に。

さぁて!と、門に立ったわたし。

どこまでが境界線なのかわからない、のどかな平野。

場内のあちこちには、明治、大正の浪漫あふれる建造物が見え隠れし、

時を重ねた美しさがわたしを惹きつけます。

家を出てから、ここに立つまでの、あの慌しさは、なんだったのでしょう。

舗装されていない道。

よりそってくるポニーの体温。

すこしづつ、すこしづつ、からだがやわらかくなっていくのがわかります。

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130年の歴史と,東京ドーム7棟分という敷地。

残されたものを守り、保存に情熱を注いだ人々のことを思うと、

頭が下がります。

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めんこい、めんこい、べこの子。

明治40年、日本で初めて、オランダからホルスタインの種牛を13頭輸入し、

翌、41年、5月に子牛が生まれたとか。

その日の牧場内での歓声がきこえてきそう。

この輸入に伴い、欧米式大型酪農経営を促進したそうです。

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旧牛舎(須賀川市指定文化財)。明治の建造物。

シックなたたずまい。

朝もやたちこめるなか、静かにひとりでながめていたい。

そうですね、10mくらい離れたところで。

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玉蜀黍(とうもろこし)貯蔵庫(須賀川市指定文化財)。

高床式で、下からも風が入るよう、すのこ型の板が張られて

います。

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歴史資料館。昭和初期に改築された、旧事務所。

前回のトラクター舎を左に見ながらまっすぐ歩いて行くと正面

にあります。中が昔の事務所っていう感じでかわいい。

.

.

夕方6時。

このあとの写真は、岩瀬牧場を出てからのものです。

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前述の大型スーパーの系列店のPOP。

これ、めちゃくちゃ大きいのです。

6m離れても、顔と名前が読めます。

かっこいいとは思わないけど、パワフル。

自分たちの作物への思いが伝わってきます。

いつも思うんだけど、

福島県は、

スーパーだろうが、農産物直販店だろうが、農産物

の売り方にパワーがあります。

経営陣も、そう。

2~3年前、郡山市の大型スーパー・ヨー○・べ○○ルで見か

けたある光景が忘れられません。

社長が、野菜売場の担当者に、野菜の扱いやディスプレイに

ついて。

なぜこう置いているのか、

店の都合じゃなく、忙しい消費者が夕飯の買い物に見えたとき、

こうでいいのか、ここでいいのか、と細かくやり取りをし、

もちろん、担当者の意見も聞き、指示しておられました。

「店の都合ではなく」、「野菜離れを防ぐため」という言葉を何度

か使われていたのが印象的で、そばで耳をダンボにしてました。

あまりの熱心さに、そばにいたライト・エージェンシーのY・Hさんに

「どなたなの?」と尋ねたら、

「社長さんです。すごく熱心な方なんです」。

もちろん、売るためのものでしょう。

でも、

現場にいる人よりも細かくわかってる意見もあり、

熱い社長を、素晴らしいと思いました。

.

作リ手(生産者)、売り手が熱心なだけでは、成り立ちません。

もちろん、買い手の消費者も、生鮮食品の前にいます。

野菜を買っていても、買い物をする多くの手が見えます。

家庭で料理を作ってる人が多いという証明。

うれしいですね。

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収録用の料理に使う食材をショッピング。

前述の社長のスーパーで、ねぎとピーマンが売り切れ!

え~~!売り切れ??

.

ま、しょうがないと、支店へ行きGET.

写真の人はライト・エージェンシーの田中詩織さん、新人営業

ウーマン。

詩織さん、その指って、2店目でGETしたって意味?

あ、ちがう?ちがうの?

あ、そっ。

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夕飯は、佐藤さんのセレクト。

干物と山菜がおいしいという「一扇」さんへ。

すみません、食べはじめてから写真を撮ったので、盛り付けが

くずれています。

めひかり、あじ、かます、いかの干物です。

めひかりは、焼いて、揚げてます。理由はわかりますよね。

あじも、いかもおいしかったけれど、かますはやっぱり干物の

王様。やさしい塩加減、ふっくら焼き加減、満足,満足。

Photo_3

その一扇で佐藤賢二さん、田島成晃さんと。

回数にしたらそんなに会ってないんだけど、なんだか仲良しな

のです。

今回、ちらっと、Y・Hちゃんも顔だししてくれました。9時に来て、

10時にまた撮影現場へ。

今回、田島さんのご実家の農園の野菜の話が面白くて、収穫

時にうかがうことになりました。

本当に楽しみです。

この写真、田島さんの携帯で女将さんが撮っています。うつる

のかな、心配顔のわたしです。

.

ほろ酔いでホテルへ。

せっかくいい気分だったのに、震度4の地震発生。

いつでも逃げられるように、服に着替えてベッドカバーの上で

横になりました。

ほんと眠れなくて半眼で収録へ。

地震は全員を襲っているので、全員、寝不足。

ラジオ福島は地震情報を朝4時まで流していたそうで、アナウ

ンサーの鏡田さんは喋りっ放しだったとか。、録音の方は目が

赤くなってました。

でも、全テイク1回でパスでした。

みなさんのおかげです。

ホッとしました。

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岩瀬牧場のトラクター

2008年05月14日 | ラジオ収録日誌

今年で5年目に入ったラジオ福島の番組。

毎年GWのころ収録。

郡山経由で会津若松まででかけます。郡山は、仕事をいただい

ている広告代理店・ライトエージェンシーの所在地。

毎年、4月に入ると、支社長の佐藤賢二さんからTELが入ります。

「今年はどこに行きたいですか」と。

そこで、あそこがいい、ここがいい、と話し合い、

こちらの希望材料がでれば、佐藤さんはその場で手早くパパッと

日程を組み、あとは、わたしは行くだけです。

さて、旅つき仕事。

今年の行きたい場所は、鏡石にある岩瀬牧場にきめました。

右手の門を入り、歴史資料館に向かってすこし歩くと、

左手に、うーーーん、

なにか渋い建造物がみえます。

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なにか書いてありますね。

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トラクター!!

いやぁ、この建物、かやぶき屋根ですよ。渋いなぁ。

明治の建造物だそうです。維持がたいへんそう。

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読めますか。Fordsonのトラクターです。

大正12年、イギリスから日本に初めて輸入されたものとか。

気品のあるデザイン。

このトラクターに乗っていた人達は、プライドをもって作業して

いたにちがいない。

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丸みのあるデザインがたまらない。網目の部分にご注目を。

「H」がデザインに組み込まれてますね。

おしゃれだなぁ。

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こういうトラクターだったら農作業がたのしくなりますね。

そう、このトラクターに乗るときは、服も考えなくちゃ。

シャツは、フランネルの赤いチェック、

パンツは生地のしっかりしたチノパン。

ネイビーブルーの野球帽できめて、

ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ~~ッと走る。

「このトラクターに乗りたくて畑やってます」

わたし、そういうタイプだな。

あ、トラクターの説明文、アップしときましょうね。

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岩瀬牧場、続きます。

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