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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

女性の年金 低すぎる① 受給額10万円 生活ギリギリ

2023-07-11 07:10:00 | 予算・税金・消費税・社会保障など
女性の年金 低すぎる① 受給額10万円 生活ギリギリ
多くの高齢女性は、月10万円以下という低年金で暮らし、食料品や電気代の高騰に苦しんでいます。
2013~15年の国の年金減額決定は憲法違反だと、年金受給者が減額決定取り消しなどを求めて全国で年金裁判をたたかっています。裁判闘争の中で浮き彫りになった女性の低年金問題の実態と背景、打開の展望を見てみます。

「私は35年間、厚生年金に加入しました。それでも年金受給額は、介護保険料、後期高齢者医療保険料が引かれて10万円。ずっと働いてきたのに初任給から男性と格差があるため年金が少ない」

母親の言葉が
年金裁判原告の一人で、千葉県八千代市に一人で暮らす高橋芙蓉子(ふよこ)さん(80)はこう語ります。
10万円から団地の家賃4万円、食費、水道光熱費を支払うとギリギリの生活だといいます。
高橋さんが厚生年金にこだわったのには母の言葉がありました。
3歳の時に父を事故で亡くし、母は女手一つで子ども5人を育てながら働きました。
結婚した姉に「孫の面倒を見てほしい」と言われて仕事を辞めた母は、あの時働いていれば年金をもっともらえたのに」と後悔を口にしていました。
29歳で見合い結婚をした夫との関係悪化も厚生年金にこだわってきた理由です。
いつどうなっても自立できるよう、2人の子どもを育てながら土木工事の電話番、段ボールや塗装の会社で肉体労働の仕事に従事。老人ホームの厨房(ちゅうぼう)で18年間働きました。
「子育ても家事も全部女がするもんだという夫でした。働いてしんどいのはそれほど苦ではなかったけど、言葉の暴力はしんどかった」と振り返ります。
退職を機に60歳で離婚。慰謝料ももらわず家を出て、年金だけの再出発でした。4人の孫がいる茨城県に行くにも預金を取り崩さなければなりません。



お茶を入れる高橋さん=千葉県八千代市

原告に名乗り
高橋さんは7年前、年金裁判の原告に名乗りを上げました。
「私の他に大変な方はいっぱいいらっしゃるけど、さらけ出さないから大変さが伝わりません。原告になった時点で私が訴えると決めました」。全国ネットのテレビで実態を訴えたこともありました。
物価が上がり、週2回の買い物は3000円ですんだものが4000円以上もかかるように。洋服は他人から譲り受けています。電気代の高騰でも夏場のエアコンは欠かせません。今は健康ですが、医療費も心配です。
「物価が上がっているんだから年金も引き上げるべきです。年金削減なんてあまりにもひどいとみんなで訴えなければいけません」
岸田政権がトマホークを買うことにお金を使って、福祉を削ろうとしていると批判。「大軍拡・大増税ノー署名」を常に携え、人が集まるところで呼びかけています。
高橋さんは強調します。「いま非正規で働いている人が多く、少子化で若い人たちがもっと大変になるだろうと思います。男女の賃金格差をなくし、正規で働けるように変えていかないといけません。最低保障年金で安心して生活できる年金制度にしてほしい」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年7月4日付掲載


高橋さんが厚生年金にこだわったのには母の言葉が。
3歳の時に父を事故で亡くし、母は女手一つで子ども5人を育てながら働きました。
結婚した姉に「孫の面倒を見てほしい」と言われて仕事を辞めた母は客あの時働いていれば年金をもっともらえたのに」と後悔を口に。
高橋さんは7年前、年金裁判の原告に名乗りを上げました。
「私の他に大変な方はいっぱいいらっしゃるけど、さらけ出さないから大変さが伝わりません。原告になった時点で私が訴えると決めました」。
国立病院の看護師として働いてきた母。でも、早期退職した国鉄職員だった父より年金が少ない。3年前に亡くなった父の遺族年金を合わせて、入所しているグループホームの経費がなんとかまかなえています。

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