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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

自然エネルギー 世界の挑戦② スペイン・ナバラ州

2011-07-02 21:55:15 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
自然エネルギー 世界の挑戦② スペイン・ナバラ州

 スペインに電力消費の81%を再生可能エネルギーで賄う州があります.同国北藁部、ピレネー山脈でフランスに隣接するナバラ州です。(ナバラ州パンプローナ=小玉純一)



新しい時代の景観
 「新しい時代のナバラの景観です」。ナバラ州政府広報のホアキン・オルティゴサ氏が、山の罹根に連なる風力発電の列を眺めていいます。「これが無いと、ナバラでは石油かガスに頼ることになってしまいます」




主に風力発電
 人口は63万人,面積は岐阜県とほぼ同じ。そのナバラ州の発電の主力は風力です。
 今年2月発行の州政府資料によると、2009年の数字で消費電力の8割を満たす再生可能エネルギーによる発電のうち、風力が63%を占めました。スペインの送電網管理会社によると、2009年に風力だけで同州の全電力消費を賄った日が92日。年間の4分の1となりました。



「自給したい」
 州知事のミゲル・センス・セスマ氏を訪ねると「エネルギーをできるだけ自給したい」といいます。スペインは化石燃料を他国に依存。ナバラ州はもともとエネルギーを他州に依存していました。再生可能エネルギーの活用を「エネルギーの自給を高める」と評価する岡氏は、その普及をけん引してきました。
 州は1989年に水力発電公社を設立。翌1990年、再生可能エネルギー促進を盛り込んだ初のエネルギー計画を策定し、91、92年に州の風力調査を実施。公社が1994年12月、最初の風力発電機を設置しました。
 以来、2009年までに設置された風力発電機は1164基。発電力は98万キロワットで、ノルウェーやフィンランドを上回ります。
 水力発電公社を民営化した後継企業アクシオナの広報サンディアゴ・ゴメス氏は「ナバラは『再生可能エネルギーのショーウインドー』ともいわれます。風力だけでなく、バイオマスや太陽光にも取り組んでいます」といいます。
 1次エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合をみると、2009年でナバラ州は21%。欧州連合(EU)の2020年までの同目標20%をすでに達成しました。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年6月29日掲載


風力発電産業を育成
 スペイン・ナバラ州アオイス村にある風力タービン大手ガメサ社の工場。風力発電機の羽根を作っています。
 同社で15年働くミゲル・アンヘル氏は「この仕事は好きです。技術がどんどん更新されます。みんなで習得しています」と言います。
 16年前に始まった州の風力発電機の設置。水力発電公社(現在は民営化)は州内企業に発注し風力発電産業が育成されました。




 今年2月発行の政府資料によると、再生可能エネルギー関連企業は100社となり、約5000人の雇用を生みました。州内総生産の3割近くを自動車や電子機器の製造などが占める同州で、再生可能エネルギー産業は州内総生産の5%を占めます。
 世界風力エネルギー協会によると、スペインの風力発電容量は、中国、米国、ドイツに次いで4番目。フィードインタリフ(固定価格買い取り制度)が普及を促進しました。
 しかし、ガメサ社の販売担当フアン・ディエゴ・ディアス氏は「風力発電に関して、2013年以降の(新規事業の)枠組みが未定です。再生可能エネルギーはもっと広がる潜在性があり、中央政府は対応しなければなりません。しかし、財政危機がネックです」と言います。
 同氏によると、ガメサ社の事業の多くが、中国やインド、南北アメリカなど海外向けだといいます。アオイスの工場でも、工場長が「新型発電機用の羽根を作っています。輸出します」と話していました。政府資料も、ナバラ州で基盤を固めた有力企業が海外展開を始めていると指摘します。
 知事とともに州の再生可能エネルギー普及をけん引してきたモラス氏は、ドイツの脱原発とイタリアの原発復活拒否の決定を「再生可能エネルギーにとって大きな機会」だと明言。そして「風力発電をリードしているのは中国ですが、日本も対応しなければいけません。陸上ではスペースに限りがあるので洋上がいい。ドイツとも協力して進めてはどうでしょうか」と語りました。
(ナバラ州アオイス村=小玉純一)(この項おわり)、

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年7月1日付掲載



「エネルギーを自給したい」という素朴な願いから、自然エネルギーへの取り組みが始まったのですね。
取り組み始めると、その主役は中小企業になり、雇用を生み出していくのですね。
欧州では小国のスペインの風力発電量が、中国、米国、ドイツについで世界で4位というのは「すごい」の一言です。

ヨーロッパでは、ドイツやイタリアで始まった脱原発の動きが他の国の対応も動かしているのですね。

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