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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

原発は強い地震来ない

2023-12-13 07:17:24 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
原発は強い地震来ない
『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』
樋口英明 著
ひぐち・ひであき=1952年生まれ。元裁判官。『私が原発を止めた理由』

著者は元裁判官であり、2014年5月、福井地裁の裁判長として、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決を言い渡した。15年4月にも、関西電力高浜原発3・4号機の再稼働差し止めの仮処分決定を出している。原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた人である。
本書のメッセージはタイトルに凝縮されている。少し言葉を補うと「南海トラフ巨大地震がきても原発は大丈夫と言う人たちがいるけれど、それって一般の市民感覚からするとおかしくないですか?」ということだ。



旬報社・1430円

一般に、原発差し止め裁判の争点は「強い地震がきても原発は耐えられるか否か」だと思われているだろう。しかし著者は、そうではないと言う。これはよくある誤解で、実際には電力会社も強い地震に耐えられないことは認めているが、「原発の敷地に限っては強い地震はきませんから安心してください」と主張しているのだ。
現在の科学的知見で「この場所には一定水準以上の強い地震が絶対にこない」と断言できるのか、おそらく多くの人が疑問に思うはずだ。司法には細かな知識ではなく、こうした一般の市民感覚に沿ったリアリティーのある判断が求められるのだと著者は言う。そうすれば「原発を止めるべきだ」という結論にごく自然に到達するであろう。
著者は元裁判官として、東電福島第1原発事故被害者の集団訴訟で最高裁が22年6月に国の責任を否定したことを、「不公平で無責任」だと厳しく諫めている。また、岸田政権による原発回帰と安保政策の転換に対しても、強く批判する。
時宜にかなった警告の著である。現状を憂う多くの人に読んでほしい。

除本理史・大阪公立大学教授

「しんぶん赤旗」日曜版 2023年12月10日付掲載


本書のメッセージはタイトルに凝縮されている。少し言葉を補うと「南海トラフ巨大地震がきても原発は大丈夫と言う人たちがいるけれど、それって一般の市民感覚からするとおかしくないですか?」ということ。
実際には電力会社も強い地震に耐えられないことは認めているが、「原発の敷地に限っては強い地震はきませんから安心してください」と主張。
これって、科学的じゃないですね。

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