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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

株高の深層① 国民の貧困化 同時進行

2024-02-18 07:10:48 | 経済・産業・中小企業対策など
株高の深層① 国民の貧困化 同時進行

株価の上昇と国民の貧困化が同時進行しています。国民生活を犠牲にして大企業の利益を増やし、株主に還元する動きが強まっているためです。
食品主要195社の価格改定動向調査を続けている帝国データバンクによると、2023年はバブル崩壊以降の30年間で例を見ない「記録的な値上げラッシュの1年」でした。集計対象企業の値上げ品目数は3万2396品目にのぼりました。

実質賃金は減少
23年の消費者物価総合指数は前年比3・2%上昇(総務省「消費者物価指数」)。物価高騰に賃金上昇が追い付かず、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は前年比2・5%も減り、2年連続のマイナスとなりました(厚生労働省「毎月勤労統計調査速報」従業員5人以上)。1世帯(2人以上)当たり消費支出は月額平均29万3997円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年比2・6%減りました。(総務省「家計調査」)
他方、物価上昇で貧しくなる国民をよそに、23年の日経平均株価は7369円(28%)も上昇しました。株価を押し上げたのは海外勢の買いです。23年に海外投資家は東京・名古屋2市場で日本企業の株式を3兆1215億円買い越しました。(東証「投資部門別株式売買状況」)
24年に入っても海外投資家の買い越しと日経平均株価の急上昇は続いています。背景にあるとみられているのは①円安②日本企業の自社株買いや株主配当金の増額③株価純資産倍率(PBR)改革―などです。
米国が物価抑制のための利上げにかじを切る中、日銀が大規模金融緩和に固執したため、金利の低い円を売ってドルを買う動きが強まり、異常円安が続いています。日銀の植田和男総裁は、仮に今後マイナス金利を解除しても「きわめて緩和的な金融環境が当面続く」(24年1月23日の記者会見)と述べ、金利抑制政策を継続する姿勢を鮮明にしています。
円安は海外で稼ぐ多国籍大企業の利益の円換算額を膨張させます。例えば円相場が1ドル=100円から1ドル=150円になると、海外で商品を売って得た1ドルは、円換算で100円から150円に50%も増えます。



日本銀行本店=東京都中央区

円安が上昇要因
「日経」(23年11月15日付)は独自集計に基づき、24年3月期の上場企業の純利益見通しが前期比13%増と9月時点の6%増から上振れし、3年連続で最高益になると報道。「円安の追い風に加え、国内外で値上げが浸透した」ためだと分析しました。多国籍大企業は、海外利益を膨らませる円安のメリットを大いに享受しながら、輸入資源価格を押し上げる円安のデメリットを国内商品の値上げで国民に転嫁しているのです。
アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)由来の金融緩和政策に起因する円安は、国民生活を貧困化させると同時に、大企業の利益を膨らませて株価を上昇させる要因となっています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年2月15日付掲載


24年に入っても海外投資家の買い越しと日経平均株価の急上昇は続いています。背景にあるとみられているのは①円安②日本企業の自社株買いや株主配当金の増額③株価純資産倍率(PBR)改革―など。
多国籍大企業は、海外利益を膨らませる円安のメリットを大いに享受しながら、輸入資源価格を押し上げる円安のデメリットを国内商品の値上げで国民に転嫁。

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