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きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2020年回顧② 南シナ海 緊張続くも認識に変化

2020-12-22 06:55:41 | 国際政治
2020年回顧② 南シナ海 緊張続くも認識に変化
南シナ海の緊張はコロナ禍や相次ぐ自然災害に見舞われても和らぎませんでした。
中国は係争地・西沙(パラセル)諸島周辺で7~9月、少なくとも3回の軍事演習を実施。8月下旬には中距離弾道ミサイルを同海へ発射しました。
さらに、軍事拠点化する南沙(スプラトリー)諸島の人工島に哨戒機や戦闘機を配備し、防空識別圏の設定を検討。沿岸諸国は「南シナ海行動宣言に反し、情勢を複雑化させる」(ベトナム)、「緊張をさらに高める」(フィリピン)と強く反対しました。
米戦略国際問題研究所(CSIS)は12月、中国海警の艦船が今年も他国の排他的経済水域内の複数の環礁で日常的にパトロールを実施していたとの報告書を発表。海警艦船による他国の資源開発の妨害、漁船沈没事件も相次ぎました。



東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議の閉幕後、記者会見をするベトナムのグエン・スアン・フック首相(中央)ら=11月15日、ハノイ(ASEAN提供)

先月ハノイで開かれた「南シナ海国際会議」。主催したベトナム外交学院のズン学院長代行は、複雑化や懸念の一方、「光明もあった」と指摘しました。
「多くの沿岸諸国が南シナ海に関して法的な立場を明確にしたことだ。国連海洋法条約と国際法の役割と価値に対する各国の強い支持が示された」
インドネシア、マレーシアを含む沿岸4カ国は今年、国連向け外交書簡で、南シナ海のほぼ全域に権益があるとする中国の主張に反論。さらに米国、オーストラリア、英仏独(共同提出)も、初めて国際法の角度から突っ込んだ見解を発表。いずれも中国の主張は海洋法条約と国際法に合致しておらず、受け入れられないとの立場で共通しています。
南シナ海問題で「国際法の擁護」を一致点とする立場は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の舞台で推進されてきました。
「すべての国が法の支配と国際協定での約束を順守するよう強く要請する」(6月、ドゥテルテ比大統領)。同首脳会議や東アジアサミット(EAS)の声明は、「海洋法条約は、すべての海洋活動がその中で行われるべき法的枠組み」と述べ、交渉中の南シナ海行動規範も国際法と合致したものとなるべきだとの考えを示しました。
南シナ海に国際的な注目が集まり始めたのはハノイでASEAN関連会議が開かれた2010年。今年、国際社会が国際法との関わりで示した認識の深まりは、10年間の大きな変化を物語るものとなりました。
(ハノイ=井上歩)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月17日付掲載


中国は東シナ海でも尖閣諸島で日本の漁船を威嚇するなど無法な行為を繰り返しています。
しかし、南シナ海では軍事基地を建設したり、軍事演習をしたり…。もっと露骨です。
それに対して、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどASEAN諸国が一致団結して対応。まさに光明です。
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2020年回顧① 核兵器禁止条約 批准50超、来年1月発効

2020-12-22 06:53:07 | 国際政治
2020年回顧① 核兵器禁止条約 批准50超、来年1月発効
広島・長崎への原爆投下から75年の今年、人類史上初めて核兵器を違法なものと定めた核兵器禁止条約に署名・批准する国が増え、10月24日には、批准国が発効に必要な50カ国に到達しました。条約の規定で、来年1月22日に発効することが決まりました。
核兵器国や日本などその同盟国は同条約を敵視し、発効の妨害まで繰り広げました。米国は同条約を批准した各国に、批准書の撤回を迫る書簡を送りつけました。
それにもかかわらず、同条約を支持する動きは広がりました。9月には、北大西洋条約機構(NATO)加盟の20カ国と日本、韓国の大統領、首相、外相、防衛相経験者56人が連名で、核兵器禁止条約に参加するよう呼び掛ける公開書簡を公表。NATO加盟国のベルギーやノルウェー、ドイツでは条約への参加を模索する動きもあります。
第75回国連総会は12月、核兵器禁止条約への署名・批准の進展を「歓迎する」決議案を130カ国の賛成で採択。賛成国は2017年の制定の際、同条約に賛成した122カ国を上回りました。



核兵器禁止条約が2021年1月22日に発効することを知らせる国連の文書(国連のホームページから)

今年は核不拡散条約(NPT)の発効50年、4~5月には5年に1度の再検討会議が予定されたものの、米国で新型コロナウイルス流行が続いていることを受け、来年8月に延期されました。核兵器廃絶をめざす国家連合「新アジェンダ連合」など17カ国の非核兵器国は発効50年を受けた共同声明で、核軍縮に向けた約束を実施するよう核兵器国に改めて求めました。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、米ロ英仏中にインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮を加えた9カ国の核弾頭の合計は1万3400発で1年前よりわずかに減少。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)によると、同9カ国は19年、合計で730億ドル(約7・8兆円)を核兵器関連予算に充てました。
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は5月、米国が1992年以来実施していない核爆発実験を再開するかどうか、トランプ政権内で議論したと報じました。反対論があって、結論は出なかったとしているものの、核兵器使用も辞さない同政権の危険な思惑を裏付けました。(山崎伸治)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月16日付掲載


一部の超大国が世界の政治を動かしていた時代から、非同盟諸国をはじめ、小さな国の声が世界政治に反映される時代になっています。
その象徴が「核兵器禁止条約」。条約の発効によって、核兵器は無法の兵器となるのです。
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