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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

目でみる経済 ゆがむ日本経済⑤ 大企業は最高益 賃金抑制

2019-11-12 09:14:47 | 経済・産業・中小企業対策など
目でみる経済 ゆがむ日本経済⑤ 大企業は最高益 賃金抑制
世界経済はグローバル化、デジタル化、金融化が進む中で、一握りの多国籍企業が巨大な利益をあげています。
日本も例外ではありません。企業活動を全般的に示す財務省の法人企業統計調査によると、大企業の経常利益は過去最高を更新し続けています。その一方で賃金は抑えられたままです。大企業には巨額の内部留保が積み上がり、金融投資や海外投資に回っています。






内部留保1・35倍
法人企業統計調査で資本金10億円以上の大企業(金融・保険業を含む)について推移をみると、経常利益は2012年度から18年度の間に1・61倍に伸びています。同じ期間に賃金は1・04倍とほぼ横ばいです。内部留保は1・35倍に増えました。(グラフ①)
大企業は設備投資の拡大によって雇用を増やし、日本経済の成長に貢献するのではなく、労働者を犠牲にしたうえで、金融利得の拡大に走っているのが実態です。
こうした中、大企業と中小企業の賃金格差も深刻です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査は企業規模別の賃金を集計しています。
働き盛りとされる50~54歳を例にあげると、常用労働者1000人以上の大企業では月額賃金は平均50万6600円です。中企業(常用労働者100~999人)は39万6600円、小企業(同10~99人)は33万7500円です。大企業と比べると、中企業では78・3%、小企業は66・6%の賃金しか支払われていません。(グラフ②)
立場の強い大企業が中小企業に対し、単価を低く抑えるなど劣悪な取引条件を押し付けています。結果として中小企業の経営基盤がぜい弱になり、低賃金構造につながっています。





トヨタ自動車の本社ビル=愛知県豊田市

男女格差も深刻
男女の賃金格差も引き続き深刻です。賃金構造基本統計調査によると18年における一般労働者の平均月額賃金は男性33万7600円に対し、女性は24万7500円です。女性は男性の73・3%の賃金しか受け取っていないことになります。(グラフ③)
1999年には女性は男性の64・6%しか賃金を受け取っていませんでした。男女の賃金格差は当時より縮まったとはいえ、女性が男性より3割も低賃金で働かされていることは異常です。
日本の国内総生産(GDP)の6割近くは個人消費です。また、全労働者の7割近くが中小企業で働いています。大企業がためこんだ内部留保を賃金や下請け業者に還流させることが日本経済を活性化させる近道です。
(清水渡)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年11月9日付掲載


大企業が経常利益や内部留保を増やしているのに対し、労働者の賃金は伸びていない。
その労働者の間でも、大企業と中小企業との格差、男性と女性との格差が存在している。
全体として労働者の賃金のベースアップが必要だ!

コメント (1)
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