きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

目でみる経済 ゆがむ日本経済④ 広がる家計の貯蓄格差

2019-11-11 08:20:52 | 経済・産業・中小企業対策など
目でみる経済 ゆがむ日本経済④ 広がる家計の貯蓄格差
所得格差だけでなく、家計の貯蓄格差が広がっています。政府統計の貯蓄には、預貯金だけでなく生命保険や有価証券が含まれます。
総務省の家計調査年報によると、貯蓄の最も少ない層と多い層の比率がともに増大しています(グラフ①)。貯蓄100万円未満の世帯(2人以上)が占める比率は、2002年に世帯全体の8・3%でしたが、その後上昇し、06年以降は一貫して10%以上です。200万円未満の世帯も、02年の14・0%から18年には17・1%に増えました。これに対して、貯蓄2000万円以上の世帯が占める比率は、02年の26・5%から18年には28・0%に増えました。




6割下回る
総務省が5年ごとに実施している全国消費実態調査の14年調査で貯蓄の世帯分布(2人以上の世帯)をみると(グラフ②)、平均は1565万円です。これを下回る世帯が6割以上を占め、分布は貯蓄の低い階層に偏っています。300万円未満が全体の20・7%と、最も世帯数が多くなっています。150万円未満は11・7%です。
高額の預貯金を持つ層はどのくらいいるのでしょうか。日銀の預金・貸出金関連統計が残高別の口座数を集計しています。個人で3億円以上の預貯金は、11年度末までは50口程度でしたが、第2次安倍政権が登場した12年度以降急増し、18年度末には107口と倍増しました(グラフ③)。
1人で複数の口座を持つ場合もあるため、この数が3億円以上の預貯金を持つ人数とはなりませんが、安倍政権下で富裕層がさらに預貯金を増やしていることがうかがえます。








有価証券も
貯蓄の格差は預貯金だけでは測れません。所得が多い階層ほど、株式など有価証券の保有が多いからです。有価証券を加えると格はさらに大きくな、ります。
14年全国消費実態調査が総世帯を年収で10の階層に分け、1世帯当たりの貯蓄構成を分析しています(グラフ④)。年収が最も少ないⅠ(164万円未満)の世帯層が保有する貯蓄は707万円。うち546万円(構成比77%)が預貯金です。株式など有価証券は51万円(7%)です。
年収最上位のX(1000万円以上)の世帯層が保有する貯蓄は2849万円。預貯金は1608万円(56%)です。有価証券は517万円(18%)を占めます。生命保険、その他(外貨預金など)を加えると貯蓄の半分近くが投資商品です。
富裕層は、低金利の預貯金より有価証券の比率を増やしています。政府は、老後の対策として「資産運用」をしきりに言いますが、運用できる金融資産を持っているのは高額所得者に限られています。
(山田俊英)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年11月8日付掲載


預貯金できている層とできていない層が二極化している。平均預貯金額は約1600万円というが、一番多い層は300万円未満。
その中で、多く預貯金している層が増えている。そして預金だけでなく、有価証券(株や国債など)も多い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする