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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

異次元緩和5年 アベノミクス破たん② 長期化で高まる危険

2018-04-06 11:18:38 | 経済・産業・中小企業対策など
異次元緩和5年 アベノミクス破たん② 長期化で高まる危険

黒田東彦日銀総裁の国会答弁が金融市場の思わぬ反応を引き出したことがありました。再任にあたって所信を聴取した3月2日の衆院議院運営委員会。異次元緩和から金融政策を正常化する「出口」について黒田氏は「2019年度ごろ物価が2%程度に達するとみている。出口をそのころ検討しているのは間違いない」と答えました。ただちに東京の金融市場で円相場と長期金利が上昇しました。
「出口」の議論は時期尚早と繰り返した上での答弁でしたが、市場は「19年度」の一言に反応しました。異常な政策の長期化に市場が過敏になっていることを示す出来事でした。
異次元緩和は2%の物価上昇を目標とする政策です。黒田総裁目身「無限に続かない」と所信聴取の場で述べています。問題は異次元緩和を終了し、金融政策を正常化する過程で何が起こるかです。
異次元緩和開始以来、日銀が保有する長期国債は4・7倍に膨らみました。日銀は国債を買い入れ、その代金を払うことで金融市場にお金を供給しています。
日銀の資金供給量であるマネタリーベースは3倍以上に増加しました。その多くは民間金融機関が持つ日銀当座預金口座に積み上がっています。企業の資金需要が伸びないため、国内銀行の貸出金は年間2~3%増える程度。日銀当座預金はこの5年間で6倍以上になりました。





東京都中央区にある日銀本店

●日銀の利払い増
多くの識者が「出口」で予想される危険を警告しています。
一つは金利が上昇することで、日銀当座預金への利払いが増加することです。日銀当座預金の残高は3月末時点で370兆円。低金利政策である異次元緩和からの「出口」で金利は上昇します。6倍以上に膨れ上がった日銀当座預金に対する利払いの増加は日銀の収益を悪化させます。
17年7月まで日銀審議委員を務め、異次元緩和にたびたび異を唱えた木内登英(たかひで)氏は、19年度に2%の物価上昇が実現し、日銀当座預金の利率も段階的に2%に引き上げられると仮定して試算しました。
結果は①日銀の経常収支は4年間赤字②日銀は5年間債務超過③日銀は最長7年間、国庫納付金を払えない―というもの。日銀は近年、年間4000億円から7000億円程度の国庫納付金を払っています。これが7年間ゼロになると、その分、政府の歳入が減り、国民の負担が増えることになります。

●国債に含み損も
もう一つの危険は長期金利が上昇することで国債の価格が下がり、日銀が保有する大量の国債に含み損が発生することです。黒田総裁目身、17年5月10日の衆院財務金融委員会で「長期金利が1%上昇するときの評価損を試算すると23兆円ぐらい」と答弁しています。日銀の財務の悪化は円の通貨価値の安定にも影響を与えかねません。
異次元緩和は長期化すればするほど経済、金融のゆがみを深刻化させ、後世へのつけを拡大します。
すでに米国は08年のリーマン・ショック以降の量的緩和政策を終了し、金融政策の正常化を進めています。欧州中央銀行(ECB)も今年から量的緩和を縮小し始めます。日銀だけが大規模緩和を続けています。安倍政権と日銀が一体となって進めてきた異常な政策を一刻も早く転換すべきときに来ています。
(おわり)(山田俊英が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年4月5日付掲載


日銀は銀行に貸し出して、銀行はそれを元手に設備投資や生産拡大に取り組み、雇用や賃金アップに。経済を回転させる方向に。
規制緩和をやめて、早く正常な状態に持っていくべき。
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