2017年回顧 海外④ 韓国・新大統領誕生 市民の生活改善へ
韓国で5月、中道左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)新大統領が誕生しました。
朴政権退陣デモ
朴槿恵(パク・クネ)大統領による国政私物化を糾弾し、同政権の退陣を求めて2016年11月に始まった市民の大規模デモは全国に広がり、国会は同年12月、朴大統領の弾劾訴追案を可決。今年3月に憲法裁判所が弾劾は妥当だったと判断したことを受け、7カ月前倒しの大統領選が行われました。
文氏が就任初日に行ったのは雇用委員会の設置です。公共部門での非正規職員ゼロも宣言。来年度予算案にも雇用のための支出が盛り込まれました。また政労使による最低賃金の前年比16%の引き上げ決定に伴い、政府は翌日、中小企業の人件費などを支援する政策を発表。さらに格差是正に向け、法人税の引き上げを盛り込んだ法人税法の改正を行うなど、市民の生活改善に取り組んできました。
環境問題では日本の福島第1原発事故の教訓から、老朽化原発の廃炉や新規建設の白紙化を宣言しました。
「慰安婦」問題は、日本政府に努力を促し、朴政権だった15年12月に取り交わした「日韓合意」の交渉過程などの検証を開始。国内では「慰安婦被害者生活安定支援法」を改正し、この問題に関連した政策をすすめる場合には被害者の意見を聞くことや、政策内容を国民に積極的に公開することなどを義務付けました。

当選が決まり、ソウル市内の広場に集まった支持者と喜びを分かち合う文氏=5月9日(栗原千鶴撮影)
対話解決を主張
中国とは、在韓米軍が北朝鮮の脅威を理由にすすめた最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の配備をめぐり、冷たい関係が続いていました。12月の韓中首脳会談で北朝鮮の核・ミサイル問題を平和的に解決することや朝鮮半島の非核化で合意。関係改善の努力も確認しました。
文氏は大統領選でも、北朝鮮問題の対話解決を主張し、就任後も、南北軍事会談や離散家族再会一行事の開催などを提案。つねに「朝鮮半島での武力衝突はあってはならな一い」と強調しています。来年2月には平昌冬季五輪も控えており、南北の緊張緩和がすすむか注目されます。
民間調査会社が今月初旬に行った世論調査で、文政権は70%の支持率を 得ています。
(栗原千鶴)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年12月18日付掲載
朴槿恵そのものの全面否定ではいけないと思います。彼女は北東アジアの平和友好条約の提唱など外交面の成果はあると思います。
但し、学生を乗せた船の転覆事故をうやむやにするとか、国民の生活を守る姿勢がありませんでした。
韓国で5月、中道左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)新大統領が誕生しました。
朴政権退陣デモ
朴槿恵(パク・クネ)大統領による国政私物化を糾弾し、同政権の退陣を求めて2016年11月に始まった市民の大規模デモは全国に広がり、国会は同年12月、朴大統領の弾劾訴追案を可決。今年3月に憲法裁判所が弾劾は妥当だったと判断したことを受け、7カ月前倒しの大統領選が行われました。
文氏が就任初日に行ったのは雇用委員会の設置です。公共部門での非正規職員ゼロも宣言。来年度予算案にも雇用のための支出が盛り込まれました。また政労使による最低賃金の前年比16%の引き上げ決定に伴い、政府は翌日、中小企業の人件費などを支援する政策を発表。さらに格差是正に向け、法人税の引き上げを盛り込んだ法人税法の改正を行うなど、市民の生活改善に取り組んできました。
環境問題では日本の福島第1原発事故の教訓から、老朽化原発の廃炉や新規建設の白紙化を宣言しました。
「慰安婦」問題は、日本政府に努力を促し、朴政権だった15年12月に取り交わした「日韓合意」の交渉過程などの検証を開始。国内では「慰安婦被害者生活安定支援法」を改正し、この問題に関連した政策をすすめる場合には被害者の意見を聞くことや、政策内容を国民に積極的に公開することなどを義務付けました。

当選が決まり、ソウル市内の広場に集まった支持者と喜びを分かち合う文氏=5月9日(栗原千鶴撮影)
対話解決を主張
中国とは、在韓米軍が北朝鮮の脅威を理由にすすめた最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の配備をめぐり、冷たい関係が続いていました。12月の韓中首脳会談で北朝鮮の核・ミサイル問題を平和的に解決することや朝鮮半島の非核化で合意。関係改善の努力も確認しました。
文氏は大統領選でも、北朝鮮問題の対話解決を主張し、就任後も、南北軍事会談や離散家族再会一行事の開催などを提案。つねに「朝鮮半島での武力衝突はあってはならな一い」と強調しています。来年2月には平昌冬季五輪も控えており、南北の緊張緩和がすすむか注目されます。
民間調査会社が今月初旬に行った世論調査で、文政権は70%の支持率を 得ています。
(栗原千鶴)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年12月18日付掲載
朴槿恵そのものの全面否定ではいけないと思います。彼女は北東アジアの平和友好条約の提唱など外交面の成果はあると思います。
但し、学生を乗せた船の転覆事故をうやむやにするとか、国民の生活を守る姿勢がありませんでした。