く~にゃん雑記帳

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<奈良基督教会> 礼拝堂と幼稚園舎が国の重要文化財に!

2015年06月18日 | メモ

【全国的にも珍しい昭和初期建築の木造和風教会】

 奈良市日本聖公会奈良基督教会の会堂(礼拝堂)と隣接する親愛幼稚園の園舎2棟を国の重要文化財に指定するよう、文化審議会が5月中旬、文部科学大臣に答申した。奈良県内でキリスト教の施設の重要文化財指定は初めて。早速、内部を拝見させてもらった。

 

 教会は興福寺境内の西側に位置し、入り口の石段は近鉄奈良駅そばの東向商店街に面する。会堂は85年前の1930年(昭和5年)4月に竣工した。設計は教会の信徒で、古社寺の修理に携わっていた宮大工の大木吉太郎さん。奈良県は風致景観を考慮することを条件に建築を許可したという。このため屋根は瓦葺き、壁面は真壁造りという一見寺院風の外観で、内部も吉野杉などを使った数寄屋風になっている。基本的な空間構成はキリスト教伝来の形式を保ちながら、和風の意匠を取り入れた教会建築は全国的にも数少ないという。

 

 隣接する幼稚園舎も大木さんの設計。こちらは会堂より一足早く1929年12月に完成した。当初は信徒会館として着工したが、工事終了間際になって園舎として使うことになり翌春に開園した。会堂と園舎は渡り廊下でつながっている。文化審議会の答申は建物の価値をこう評価する。「古建築から着想を得た諸要素を巧妙にまとめ各部のバランス、細部意匠とも秀逸で意匠的に優れている。古社寺修理から学んだ伝統的な要素を駆使し、教会堂として完成させた昭和初期の近代和風建築として高い価値がある」。

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