く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<コバンソウ(小判草)> 風に揺れる黄金色の花穂を小判に見立て

2015年06月11日 | 花の四季

【ヨーロッパ原産の帰化植物、ドライフラワーにも】

 ヨーロッパ原産のイネ科コバンソウ属の1年草。明治時代に輸入され観賞用として栽培されていたが、「今では代表的な逸出帰化植物のひとつとなっている」(北隆館『野草大百科』)。繁殖力は旺盛。野生化し全国各地の海岸の砂地や道路沿いなどにはびこる。ただドライフラワーとしての人気はなお高い。

 晩春から初夏にかけ、高さ30~50cmほどの細長い茎の先の円錐花序に小穂(しょうすい)をいくつも付ける。小穂は緑色から次第に黄金色に変わっていく。その形や色が小判に似ているとして「小判草」という縁起のいい名前をもらった。本来の花は小穂の先に付くが、他のイネ科植物同様小さくて、ほとんど目立たない。

 この小穂を俵に見立てて「タワラムギ(俵麦)」や「タワラソウ(俵草)」とも呼ばれる。地方によっては「キツネノチョウチン」などと呼ぶ所も。同属の「ヒメ(姫)コバンソウ」は草丈が20cmほどと低く、三角形の小さな小穂を鈴なりに付ける。別名「スズガヤ(鈴萱)」。この別名にちなんでコバンソウを「オオスズガヤ」と呼ぶこともある。

 「ニセ(偽)コバンソウ」はイネ科スズメノチャヒキ属で、コバンソウに似た小穂を付ける。こちらは多年草のため別名「宿根コバンソウ」。また「ワイルド・オーツ」や「セイヨウコバンソウ」とも呼ばれドライフラワーに使われる。小判草に対し「オオバンソウ(大判草)」と呼ばれる草花もある。ヨーロッパ原産のアブラナ科ルナリア属の「ゴウダソウ(合田草)」で、扁平で楕円形の実を大判に見立てた。「風ひらひらと表裏もなくて小判草」(塘柊風)。

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