く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<きよめの滝> 大神神社のそばに隠れ家のような〝お接待〟スポット!

2014年11月17日 | アンビリバボー

【「山辺の道」との分岐からわずか徒歩3分余り】

 16日、久しぶりに大神(おおみわ)神社(奈良県桜井市)に参拝した。日本最古の神社の1つで、背後の三輪山をご神体とする。拝殿でお山に向かって拝んだ後、白蛇が棲むという「巳(み)の神杉」、祈祷殿、宝物収蔵庫、摂社の狭井(さい)神社などを巡る。その後、狭井神社の鳥居を右手に折れ、緩やかな山道を登ると行場の「きよめの滝」と「辰五郎大明神」があった。そこは隠れ家のような〝お接待スポット〟だった。

 

 場所は市杵島姫(いちきしまひめ)神社の池の裏手の山道を3~4分ほど歩いた所。分岐で道を逆の左に取ると「山辺の道」で石上(いそのかみ)神宮(天理市)に到る。山道の左側では水路の工事中だった。右側には赤いよだれ掛けをした地蔵菩薩や小さな祠の「菊龍大神」、お不動さんが並ぶ。菊龍大神の中をのぞくと、とぐろを巻いた白い蛇が絡み合うように祀られていた。

 「きよめの滝」には茶店風の一軒家があった。ガラス戸が開けられ、電気もついたままだが、どなたも居られない様子。貼り紙にこう書かれていた。「初めて訪れてくださった方 なんらかのご縁があって訪れてくださったことを嬉しく思います……高い所まで登って来てもらったことの御礼に、お茶の無料接待をしています」。そばの石段を下りていくと、4~5mの高さから水が落下する行場があった。注連縄が張られ、緑色のバケツが水を受け止めていた。滝の裏手に赤い鳥居が林立する「辰五郎大明神」が鎮座していた。辰五郎って? 入り口両脇には巻物と宝珠をくわえたお狐さん。ということは商売繁盛のお稲荷さんだろうか。

 

 

 ゆっくり回って山道を下り始めたところで、登ってくる1人のご婦人に会った。「きよめの滝」を管理している村上道代さん(昭和21年生まれ)だった。「お茶でもいかがですか」。お言葉に甘えて戻ると、温かいコーヒーと茹で卵が出てきた。早速、辰五郎についてお話を伺った。それによると、この人物はどうも江戸時代の大坂の豪商、淀屋の5代目らしい。淀屋といえば淀屋橋に名を留め、淀屋辰五郎は幕府によって闕所(けっしょ=財産没収)処分にされたことで知られる。諸大名に大金を貸し付けるなど、その莫大な財力が幕府に目を付けられたともいわれる。

 行場には夏場を中心にお山に登る前に身を清めたり、山から下りてきて滝に打たれる人がいるそうだ。大阪方面から毎月決まった日の夜間に訪ねてくるグループもあるという。山道の途中に祀られた「菊龍大神」のことから、蛇についてもお話を伺った。この辺りではよく大きな蛇を見かけ、抜け殻も多いとのこと。長さが2mほどあるというから、アオダイショウだろうか。最初は怖かったが、最近は慣れてしまったとのこと。訪ねてくる常連からは「お守りにするから抜け殻を見つけたら、取っておいて」と頼まれているという。

 

 室内に「長寿の心得」が貼られていた。「還暦 六十才でお迎えの来た時は只今留守と言へ」「古稀 七十才でお迎えの来た時はまだまだ早いと言へ」……。お話は健康問題などにも及んでつい長居し、気がつくと約1時間が過ぎていた。いいお話を伺ったうえ、帰り際には「みんなの行場 きよめの滝」と緑色で印字されたタオルまで頂いた。心がほっこりと癒されるひと時だった。帰途、小高い丘から望んだ夕暮れの二上山や大和三山が実に美しかった(写真左端の山は耳成山)。17日午前中には「全国豊かな海づくり大会」で来県中の天皇・皇后両陛下が大神神社を参拝されるという。 

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