経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

消費急減はアベノミクスで3度目

2020年05月10日 | 経済
 3月の消費は急減したが、その水準は、8%と10%の消費増税直後並みであり、アベノミクスでは3度目の経験となる。今後、4月に、東日本大震災の際の水準まで落ちるかが焦点となろう。他方、日々の感染確認数は低下を続け、月内の収束を見通せるところまできた。したがって、経済は、4月を底として、5月に回復へと変わり得る状況になっている。そのため、4月の深さと5月の速度が注目される。

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 金曜公表のCTIマクロの実質は、前月比-2.8と急減し、98.0となった。ただし、その水準は、10%消費増税直後の2019年10月98.1や8%消費増税時の2014年5月の98.1と大差がない。つまり、3度目の経験ということになる。ただし、次の4月も、外出自粛の強化のために、更に下がることは間違いなく、大震災の2011年3月の91.7を下回るかが焦点だ。自粛が緩和されれば、4月が底になるだけに、過去にないレベルになるのかが焦点だ。

 CTIの結果を受けて、1-3月期のGDPの消費は、先週、予想していたより少し低くなり、前期比-1.5くらいかなと思う。もっとも、今回のGDP速報は、コロナ禍の異常事態に対応して、特別の推計方法を用いることもあり、なかなか予想は難しい。むろん、GDPが年率-4%もの大きなマイナス成長になるのは避けがたい状況であり、その中で、どのくらいの低下になるかという程度の問題ではあるが。

 さて、新型コロナの感染確認数は、着実に低下して、全国では、7日移動平均で見て130人を割るところまで来た。過去7日間の平均減少率でトレンドを伸ばすと、感染が加速する前の3月中旬のレベルである50人以下には、5/18頃に到達する計算だ。1週間前の東京の「異常値」が抜けた関係で、足元での低下スピードが速まっているため、今後、後ずれが考えられるものの、それでも月内には到達できそうである。

 5/7以降、感染が少ない地域では、既に自粛が緩和され、一部で学校も再開した。今月初めに東京で集団感染が確認された例もあるので、油断はできないにせよ、このまま推移してくれれば、今週の感染状況の検証で、更なる緩和がなされる可能性もある。始めは部分的だろうし、経済の戻りは遅いかも知れないが、果ての知れない状況から抜け出し、回復の過程に入れる意義は大きい。

(図)


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 コロナ禍は未曽有のものとされるが、東日本大震災から10年と経っていない。この間、財政収支の大幅な完全には成功したが、経済の基礎である消費は増えず、非正規への社会保障の適用拡大は遅々とし、給付の社会インフラは整わないままだった。すべてを財政再建につぎ込み、経済社会が劣後しているのが現実だ。その弱さがタガの外れたような全員に10万円の給付が実現する背景にもなっている。極端は極端を呼ぶのである。


(今日までの日経)
 新興国感染、先進国抜く 1日5万人超え。米失業率14.7%、戦後最悪 4月、雇用は2050万人減。米欧経済 危うい再始動。家賃3分の2、半年間補助。

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