経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

11/10の日経

2017年11月10日 | 今日の日経
 緑のジャンヌダルクがタヌキ汁にされるまで、マスコミは御相伴にあずかったようだが、筆者は恐怖を覚えたよ。こんなことで、デモクラシーは動かされてしまうのだってね。ジャーナリストは、日々の出来事をそのまま伝えただけという意識でいても、知的枠組みに大きく左右される。「政治は二大勢力が争い、国民に選択肢を与えるべき」というイデオロギーに支配されているのではないか。だから、それに外れる動きを反射的に批判してしまう。

 あえて言えば、二大政党制は、米英型の特殊形態だ。多党制で、連立によって政治が変わる西欧型も民主主義の一つの正統である。そして、早大の河野勝先生の優れた論考である『なぜ安倍内閣の支持率は復活するのか』(中央公論11月号)からは、民意が求めていたのは、自民党の「補完」ないし「修正」の勢力だったと読める。こうした民意に沿うのが民主主義と言ったら、猛烈な反感を買いそうだが、それこそ思考に自由がない証拠である。

 希望の党の新しい共同代表は現実路線と聞く。まず何をなすべきか。筆者は、国会議員全員で、現実主義の多党制で知られるオランダに行ってはどうかと思う。平成の「岩倉使節団」だよ。近代化が何か、想像もつかなかった先人は、政府を留守にして学びに向った。国作りのビジョンの共有には、ここまでやらなくてはならない。もちろん、筆者が知ってほしいのは、非正規を一掃した税・社会保障の改革なんだけどね。


(今日までの日経)
 TPP11大筋合意。街角景気10月も改善。未完の金融改革・拓銀は偶然。オランダの税・社会保障に学ぼう・立岡健二郎。幼児教育無償化200万人増。本質置き去りの無償化・木原雄士。いざなぎ超え 不安交じり。

※日本が大きな国際的枠組みを作るなんて、偶然の産物とは言え、凄いことだよ。ASEAN諸国の加盟までは予想されるところであり、米国が入らなくても、いや、入らないことで、歴史的な意味を持つような気がするな。

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