経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

リスクに対するバイアス

2012年08月22日 | 経済
 トリシェさんが寄稿しているが、彼には言われたくないな。「非伝統的な措置は意図しない結果をもたらす」として利上げまでした結果が今の危機ではないか。こういう現下の不況を軽く見て、将来のインフレを危惧するというバイアスのかかった認識が失敗の原因ではないのか。本コラムは、結果が出る前からトリシェ批判はしてたんだがね。

 人の認識はなかなか変えられないもので、今日の大機の冬至さんも、その1人かな。1997年の失敗は消費税にないというものだが、仮に金融機関の破綻が需要ショックとは独立の事象だったとしても、何か起こったら崩壊するような野心的な経済運営をしたらダメだということだよ。

 経済に思わぬイベントはつきもの。2014年4月の消費増税時に、欧州、中国、中東で、異変が起こらないと誰が言えよう。異変があっても、自国経済が致命傷を受けないよう、緩やかに財政再建をするのがセオリーだ。今から国土強靭化の景気対策が必要と言われるほど冒険的なものでは、経済運営の計画として不合格である。

 逆に、消費増税が否定されるならともかく、1%アップで済ましたら、金利急騰で破綻するというリスクはゼロに近い。対応手段だっていくつもある。成長を維持することの重要さを軽く見て、インフレや金利のリスクを極端に心配するというのは、金融家や財政家に特有のもので、実物の経済を支える事業家の態度とは異なる。こういうバイアスの存在を意識したいものだ。

(今日の日経)
 風力促進へ送電網整備。国際司法裁に提訴を提案。豊作の過信・志田富雄。薬の輸入超過2.4兆円に。今年は円高の秋? ネットの見知らぬ同僚。トリシェ前総裁が寄稿・非常時の作法。東芝が84型テレビ。大機・歴史認識・冬至。経済教室・成長は再エネ・宮川努。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 淘汰される成長モデル | トップ | 8/23の日経 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

経済」カテゴリの最新記事