経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

2/26の日経

2014年02月26日 | 今日の日経
 予想通りではあったのだが、大幅に円安に振れたにもかかわらず、輸出が増えていないことには、ショックを受けている。これは、不況脱出のための唯一最大の武器を日本は喪失したことを意味する。これなしで景気を回復させるのは、かなりコントロールが難しい。平凡な経済運営さえできない日本の財政当局には、とてもできない芸当だろう。

 輸出が伸びなければ、消費増税後の景気低迷で、異次元緩和を更に拡大し、円安を呼び込んだとしても、国内の実質消費を減らすだけになる。この厳しさがどれほど理解されているやら。輸出不振の最大の原因は、リーマンショック以降のゴー&ストップの経済運営で電機産業を疲弊させてしまったことだ。

 そもそも、日本の輸出はリーマン前の水準を超えていない。輸出を起点にした設備投資の回復も望み難いことを示している。設備投資は、2四半期前の需要状況によるので、4-6月期に伸びるのは、既に望み薄になっている。増税で消費が落ちる中、輸出と設備投資が支えるシナリオは、もはや成り立たない状況だ。

 2013年前半の消費の改善は、景気底入れの反動で一時的なものだ。消費動向調査に見られるように、雇用への不安が後退し、抑えられていた消費が出た。円安のメリットだけが得られていた時期でもあった。実質賃金が伸びず、消費性向の高さに頼る消費は脆い。非製造業の投資は好調だったが、増税後に既存店売上が減ると投資を続けられないだろう。こうなると、再びのデフレスパイラルだ。

(今日の日経)
 テスラと米に車用電池工場。村田・勝ち組を発掘。白髪が増えた周小川。南アフリカ成長に陰り。経済教室・消費主導で自立的成長へ・宮尾龍蔵。

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