経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

1/13の日経

2014年01月13日 | 今日の日経
 「ニッポンの理想」はいかがだったかな。新年第一号は、小説仕立てで、消費増税後の大変な様子でも書いたらウケるかななんて考えていたのだが、「新春から縁起でもないことは、よしてくださいな。日頃、若い方たちに希望を持てとか言っておいて何ですの」とたしなめられ、方針転換をした。おかげで、数字作りのために、エクセル作業に追い込まれた次第である。かなわんね。

 内容は、社会保険の改善の話だから、少し難しかったと思う。いわゆるワーキングプアと言われる人たちをサポートしようとなったとき、どのくらいのボリュームの財源が必要になるかをイメージしてもらえたら十分と思う。意外に少なく感じるのではないか。また、こういう代案がないと、企業減税などの他の経済対策の価値も測れないように思う。

 これは、別にアンチビジネスではなくて、社会保険料の軽減は、企業負担の軽減でもある。消費増税と保険料軽減を組み合わせるのも、欧州では普通の発想だ。法人減税とどちらを取るかは、経済政策の戦略目標の違いだろう。日本人は、戦略目標を曖昧にしがちだし、代案を持たないと、安易に「これしかない」とまっしぐらになるのでね。

 アベノミクスの失敗を見込んだような内容は、やっぱり「縁起でもない」かもしれないが、今春の消費増税が「課題」であることは衆目の一致するところだろう。それなら、策を用意しておくことは、必要なことであろう。真珠湾攻撃をしてから戦争の終わらせ方を考えるような国民性だとしてもね。黒田総裁が金融緩和で円安にしてくれるから心配ないと、思考停止になってはいけない。

………
 コラムの蔵相池田の政策は、「千億減税、千億施策」(今なら10兆円規模)と言われるもので、高度成長期の経済政策の原型を作ったとして高く評価されている。ただ、「高度成長」という戦略は、現実肯定のようなところがあり、伸びているのを、思い切り発現させただけのような面がある。それゆえ、「所得倍増」を唱えなくても、それなりに実現されていたという見方もできるかもしれない。

 しかし、これは「経済」のリアルさ知らない人の物言いに思える。12/15に、「開発政策のナラティブ」という本を紹介し、「経済発展には決定的な時期がある」ということを指摘した。「経済」とは、自然にパレート最適になるものではなく、複数均衡やポジティブフィードバックの性質を持つようなので、チャンスを逃さないことは、極めて重要な要素である。

 アベノミクスは、この1年は大きな成果を収めた。だから、この現実を伸ばすべきなのだ。観念論に走って、消費増税という危険を敢えて犯す必要はない。「課題」は外から降って来るかもしれないのに、わざわざ政策で「課題」を作ってどうするのか。こうなるのは、池田のような、税収を把握して限界を見定めるという「必死さ」が欠けているからでもある。こうして見ると、高度成長のチャンスをつかんだ先人達の非凡さが改めて分かるのではないか。

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 それにしても、2020年の東京オリンピックは6年半後かい。この頃は、そんな先の未来が自分にあるものやらと思えてしまう。目の黒いうちに、日本経済が復活し、雄飛する姿を、もう一度見てみたいものだねぇ。 

(今日の日経)
 金融機関が高齢者サポート。コンビニ14年度出店は過去最多。生鮮離れ、割高感と所得低迷が影。消費税10%時も経済対策。核心・地方の少子化・芹沢洋一。家庭で発電し直接融通。期待はお金で買えない・大塚節雄。経済教室・インド発展・大塚啓二郎。公立小中・太陽光発電19.7%が設置。

※経済対策の財源に自然増収を見込んでいるようだね。※リーマン後の少子化には異変があってね、地方高・都市低だったものが、東日本では地方低・東京高になっているんだよ。地方のテコ入れも大事だが、首都圏の少子化対策が極めて重要にもなっている。※インドが分かる良い経済教室だね。
コメント
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